早朝は小雪が舞っていたが、散歩から戻ってくる頃には止んでいた。
荒れ模様の天気も今朝までで、久しぶりに青空を見た。
今日は岩井神社の春祭りで、朝8時に神社に集合して、境内や石段の雪かき、神殿の清掃など祭りの準備をした。
掃き清められた神域は、森閑とした静けさで、霊気が漂い神が宿ることを実感できる。
宮司の説明によると、春祭りは祈年祭が正式の呼び名で、「年」は米を表わし、豊かな米の実りを祈念して行われるとのことだ。
昔から集落の人たちは、春が来て田畑や山に入る時に、鎮守の森で豊作や安全を祈ってきた。
代々引き継がれてきた神事は、つつましくて素朴であるが、米の出来不出来が、幸せや豊かさにつながるという切実な思いが籠められている。
今年は、祈年祭の神事が始まる前に、宮司に合わせて、東日本大震災で亡くなられた方々への黙祷と、復興の祈願も行われた。
毎年の祈年祭で、新入学や卒業する人たちが玉串を奉奠して、学業成就や諸事安全を祈りお祓いをしてもらう。
集落の小学校は、今春6人が卒業して、2人の新入生が入ってくる。
過疎少子化の進展に歯止めが掛からず、寂しい限りであるが、親子で玉串を捧げる姿はほほ笑ましくもあった。
祭りが終わった後は、神饌を頂きながら直会(なおらい)が始まる。
お互いが支え合わなければ成り立たない山里の暮らしで、春祭りは人々のつながりを深める場にもなっている。
春浅い山里の祈年祭は、底冷えの寒さであったが、温かい触れ合いで、祭り本来の姿を見ることが出来た。