名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

なめこ

2006年10月16日 | セカンドルーム
 マッチの頭ほどの大きさだったなめこが、留守をしている間に大きくなっていた。
春に広葉樹の原木になめこの種菌を打ち込み、森の中に伏せておくと2年目の秋から収穫できる。
山のきれいな空気をたっぷり吸い、大地から森の養分を吸収したなめこは、ぬめりも強く肉質も硬めで味も良い。
なめこ汁やなめこおろしは定番だが、笠が7~8センチほどに開いた大きなのを炭火であぶって、塩かしょうゆでたべてもうまい。

なめこはその年の天候によって、出来不出来の波が大きいし、形や色合いが揃わないので、今は周年ハウスの中で菌床栽培されることが多い。
市場で流通することが珍しい栗色に輝く原木栽培のなめこを、取ったその日に食べられるのは、山里ならではの贅沢だ。

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都会の祭り

2006年10月15日 | セカンドルーム
 用があって名古屋に帰ったら、ちょうど氏神様で秋の例祭をやっていた。
まわりがすっかり高層ビルやマンションに囲まれてしまって、神社の一角だけが昔のままで残っている。
氏子が極端に減少して、祭りを行うのは大変だろうと思っていたが、往時には及ばないがそれなりの賑わいを見せていた。
引越していった人たちが祭りに戻ってくるのは、田舎の村も過疎の町も共通している。

先日竣工した名古屋駅前の超高層ビル、ミッドランドスクエアの下で文政年間に作られた3台の山車が引き揃えられ、からくり人形の奉納やお囃子が行われるのも珍しい風景だ。
懐かしい町名や町並みは消えてしまったが、祭りの日だけは江戸時代の名残りを見ることが出来る。
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薪ストーブ

2006年10月14日 | セカンドルーム
 朝夕の気温が10度を切るようになったので、先週から薪ストーブを使い始めた。
今はまだ夜だけだが、真冬になれば一日中火を絶やすことがない。
そんな日が半年以上も続くので、薪作りの準備も早くからやっている。
毎年紅葉が終わるころに楢や栗などの広葉樹を伐採し、雪解けのころから薪作りをはじめる。
玉切りや薪割り、運搬などはかなりの力仕事であるが、楽しみながら少しずつやっているので、1年分の薪は容易に作れる。

ワンタッチでは動かない薪ストーブの不便さは、今の世に逆らっているが、むしろ人の助けを必要とする道具に愛着を感じる。
赤々と燃える炎を見ているだけで、心も体も芯から温めてくれる薪ストーブは、スローライフの強い味方だ。
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まむし

2006年10月13日 | セカンドルーム
 先日近所のおじいさんから貰った、ペットボトル入りのマムシを一ヶ月ほど水を替えながら保管していた。
様子を見に来たおじいさんが水も澄んできたので、ぼつぼつ焼酎に漬け時だということで、やってもらうことにした。
一升瓶と蛇の入ったペットボトルの口を合わせると、蛇は上に登る習性があるので瓶に入ってくるというが、じっとして動かない。
そのうちに86歳のおじいさんの手が震えて、瓶の口がずれてきた。
これは危ないと、いったん中断して口と口をガムテープで固定した。
おじいさんはおもむろに、1升瓶のほうをタオルで覆ってしばらく様子を見ていると、ゆっくりと瓶の中へ入っていった。
蛇は暗い方へ逃げるらしい。このあたりの人の理にかなったノウハウには、いつもびっく仰天。
ちょっとかわいそうな気もしたけど、焼酎を注いで完了した。
硬直する前に菜箸でとぐろを巻くように形を整えると高く売れるらしいが売るつもりはないので、これは省略した。

折角仕込んでもらった酒だけど、いくら熟成しても飲む気はしない。
どうしたものか・・・
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スズメバチ

2006年10月12日 | セカンドルーム
 3ヶ月ほど、同じ屋根の下で過ごしたスズメバチが、ここ数日の冷え込みでめっきり数が減ってきた。
新しい女王蜂が巣立っていったので、何百匹も巣に群がっていた働き蜂たちも、今は役割が終わって、わずか数十匹が寿命の尽きるのを待っている。
女王蜂1匹だけは、木の洞や土の中で越冬して子孫を残し、その他の蜂はすべて死に絶えて、大きな巣も空き家になる。
トイレや風呂へ行き来するときに巣の下を通るので、刺されないかと気にはしていたがそんなこともなかった。
たまに巣を守っている蜂が近くまで来て羽音やあごをカチカチ鳴らして脅す事もあったが、姿勢を低くしてじっとしていれば飛び去っていく。
巣を荒らす外敵や獲物には容赦なく襲い掛かってくるが、そうでなければ無益な攻撃はしてこない。
業者に頼んで駆除する人もいるが、蜂がいなくなれば害虫も増え、やがて人の暮らしにも影響が出る。

今年も野生動物がたくさん里にやって来る。
それは彼らの住む環境が破壊された結果であり、そこを修復しないで捕獲を続ければやがて絶滅する。
絶妙な自然界のバランスも、人中心の発想では狂ってしまう。
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雨上がり

2006年10月11日 | セカンドルーム
 秋の天気は変わりやすい。
昨日までは爽やかな秋晴れだったが、今日は一転して朝から冷たい雨が降り続いた。
晴れた日が続かないので、乾いた稲がまた元へ戻ってしまう。
シートをかけて雨を防いでいるけど、田んぼに水がたまるので稲こきが出来ないようだ。
だんだん日が短くなっていくので、お天気任せの農作業の段取りは大変だ。

次の日曜日こそはと、みな天気を期待している。
今日はその期待に沿うような夕暮れになった。
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薄化粧

2006年10月10日 | セカンドルーム
紅葉を見に平湯峠と安房峠へ行ってきたけど、まだ少し早かった。
見ごろは来週あたりだろうか。
雲ひとつない青空を背景に、薄化粧をした穂高連峰が姿を見せてくれた。
こんな美しい山が、牙を剥いて襲い掛かってくるのが信じられないほどの穏やかな姿であった。

里の小春日和にはよく惑わされるので、気まぐれな山の天気には気をつけたいものだ。
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高山祭り

2006年10月09日 | セカンドルーム
 10月9~10日は秋の高山祭りである。
晴天に恵まれ、どこも大混雑だった。
飛騨地方では、集落ごとに鎮守の森に神様が祀られ、毎年春と秋に例祭が行われる。
もともとは春に五穀豊穣を願い、秋は収穫に感謝する農民祭りである。
その中でも日枝神社の春の例祭と桜山八幡宮の秋の例祭は高山祭りと称され、全国的にも有名である。
この二社は城下町の発展に伴い、商人・職人などが中心となって商売繁盛・家内安全を願う町民祭りとして発展してきた。
豪華絢爛な屋台や雅な祭行列は時代絵巻を見るようで美しい。

近郷の集落ごとの祭りは、高山祭りほどの華やかさはないが、素朴で厳かな雰囲気の中に、どこか郷愁を覚える懐かしい味わいがある。
観光目的でなく、氏子だけで執り行われる獅子舞・闘鶏楽・剣の舞など数々の神事からは、古い歴史と自然とのふれあいで培った神への畏敬の念が伝わり胸を打つ。
素朴で静かな雰囲気を好む人にはお勧めの祭りだ。
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低気圧

2006年10月08日 | セカンドルーム
 真っ黒な雲が激しく流れ、裏山が風でうなっている。
飛騨地方は天気の回復が遅れて、冷たい雨が降ったり止んだりしている。
今朝からTVで山の遭難を報じている。
いずれの山も度々登っているので、天候が悪化した時の厳しい状況が頭をよぎる。

紅葉と白雪に彩られた穏やかな山も、天気が崩れると真冬並みの厳しい姿に変わってしまう。
美しい姿の山に会えるチャンスはいくらでもあるが、仕事を持っている人たちは天気の回復を待ったり、引き返すことに躊躇するのかもしれない。
今は天候が早く回復し、無事下山出来ることを祈るしかない。
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闇夜

2006年10月07日 | セカンドルーム
 昨夜はあいにくの天気で、中秋の名月も雲の中だった。
そんな日は漆黒の闇夜で、鼻をつままれてもわからない。
街灯はないし、隣の家も離れていて光が届かないので、外へ出るときは足元を照らすライトがいる。
町にいた頃は、光のない夜など想像もできなかった。
街灯、電飾看板、終夜営業の店、車の光りなどがあふれ、暗い夜はどこを探してもない。
闇夜があるのは、自然に恵まれていることかもしれない。
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秋雨

2006年10月06日 | セカンドルーム
 冷たい雨が降り続き、刈り取った稲が乾かない。
こんな日が続くと稲にカビが生えるので、まだ取り入れが終わってない人はヤキモキしている。
コンバインを使えば、1度に刈り取りや脱穀をして、ライスセンターへ持ち込めば乾燥までしてくれる。
天気を気にすることもなく手間も省けるが、小規模農家では採算が合わないし、昔ながらの農作業にこだわる人も多い。
春にはたっぷりと堆肥を撒き、夏は除草剤を使わないで田の草をとり、秋には天気を気にしながら稲を刈り、はざ干しする。

職人の世界でも手仕事で伝統工法にこだわる人も多いが、その技や価値を認めてくれる人は少ない。
次の世代に引き継がれない仕事を黙々とする人の姿には、なぜか哀歓が付きまとう。
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松茸

2006年10月05日 | セカンドルーム
 きのこのシーズンを迎え、飛騨では「こけ取り」といって、山に入る人も多い。
今年は当たり年のようで、なれた人は松茸を毎日5~10本も取ってくる。
自分で食べることはなく、ほとんど朝市や料亭などへ出している。
お年寄りには、いい小遣い稼ぎぎになるけど、足腰が弱くなって山に入る人も少なくなった。

今日も山から戻ってきた人が、松茸を1本くれた。
お吸い物と、焼き松茸で食べたけど、香りといい歯ざわりといい絶品であった。
気前よくくれるけど、場所は誰にも教えない。
死ぬ間際のおじいさんに息子が、松茸山を教えてくれといったところ、首を横に振ったまま息を引き取ったという話が残っている。
親子でも云わないことを、簡単には教えてくれない。
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夕焼け

2006年10月04日 | セカンドルーム
 まわりを山に囲まれたこの小さな集落は、5時になると太陽は西の山に隠れてしまう。
残照が空いっぱいに広がり、茜色に染まった人たちが、野良仕事を終わって家路につく。
働く時間が少しずつ短くなっていくけど、冬の訪れは待ってくれないので、その準備があわただしくなる。
山里の秋は風も冷たく、日暮れも早い。

たそがれ時は、思い切り華やかな夕焼けがいい。
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おやつ

2006年10月03日 | セカンドルーム
 あけびの実がはじけて、丁度食べ頃になった。
中のゼリー状の果肉はほんのりと甘くて濃厚な味がする。
つる性で高い木に絡まって実をつけているので、手が届くところだけを取って、あとは鳥やリスの餌だ。
実が大きい割には果肉は小さく種も多いので、その場で口に含んでペッペと種を吐き出す。
散歩のコースに4~5本生えているので、毎日二つ三つ食べている。

近所の子供たちは野の果実に見向きもしない。
野山のおやつより、もっとおいしくて簡単に手に入るお菓子がたくさんあるし、親や学校も子供が木に登ったり、崖をよじ登ったりすることを好まない。
苦労して手に入れた野山のおやつを口にしたときの感激はひとしおだけど・・・
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うり坊の脱走

2006年10月02日 | セカンドルーム
 保護していたうり坊の様子を見に行ったら、姿が見えない。
箱の側板がこじ開けられ、そこから逃げたようだ。コンパネをネジ留めした檻は頑丈だと思っていたけど、うり坊の力が勝った。
2泊していった坊やの、愛嬌のある仕草が脳裏に残って名残り惜しい気もしたが、最もいい結果が出てほっとした。
牛乳とパンとバナナの餌で体力も回復し、臭い置き土産だけを残して元気に山へ帰っていった。

山すその狭い農地を耕す人たちにとって、そこを荒らす野生動物は天敵であり、その命を救うことを決して喜ばない。
被害の実態を身近に見ていると、その気持ちはよくわかる。
荒廃した山が、再び豊かな自然を取り戻せば、動物たちは危険を冒してまで里へ下りて来ることはない。
うり坊はそんな日が早く来ることを願っている。
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