先日、天皇陛下が皇居内の苗代に、種もみを蒔かれる姿を新聞で見た。
春の恒例行事で、苗が育つ5月の半ばには田植えをされ、秋に収穫した米は、11月の新嘗祭の皇室神事に使われるとのことだ。
この集落でも春らしい陽気になり、種もみを蒔く人を見かけるようになった。
ほとんどの家は、農協などから箱苗を買って田植えをしているが、数軒の農家は昔ながらの手法で苗を育てている。
田の一部に苗代を作って、種もみを蒔いた箱を並べ、ビニールシートで防寒、防霜をしながら育てる。
昼間は気温が上がるので、覆いを外して風を入れ、夜間は覆いを掛けて寒さから守り、水の管理をしながら1ヶ月ほど掛けて育てる。
「籾まき器」という便利な道具もあって、ハンドルを回すと苗箱に籾が均等に蒔かれ、その上に培養土をかけていく。
忙しい兼業農家は、育苗に時間を掛けられないので、農協などから1箱700円ぐらいで苗を購入して田植えをしている。
集落で苗を育てるのは、高齢者しかいないので、いずれ春の風物詩の苗代も、姿を消していくだろう。
天皇陛下は、昔ながらの方法で苗代に種籾を蒔き、育った苗で田植えをされる。
にわか百姓もそこまでは出来ないので、近所の農家から苗を買って、5月中旬に田植えをする予定である。
苗代作りから稲刈りまで、すべて手仕事で米つくりの体験をしたかったが、苗と脱穀は人手と機械の助けを借りた。
今年は、足腰の不安もあり、田起こしから田植え、稲刈り、脱穀など、機械頼りの米つくりをするつもりでいる。
それでも、無農薬と無機栽培、はさ干しだけは拘りたいと思っている。