破砕機などを製造するコトブキ技研工業は、廃コンクリートから取り出したセメントに二酸化炭素(C02)を吸着させる装置の開発を進めている。
C02を用いてコンクリを造る技術を研究するコンソーシアム(共同事業体)の一員として取り組み、建設業界の脱炭素を目指す。
廃コンクリをリサイクルする同社の製品「リスコ」を改良する。
リスコ内部は回転構造で、廃コンクリを入れると破砕して石とセメント粉に分離する。
セメントの主成分は酸化カルシウムでC02と引っ付く性質があり、粉末状にしたセメン吹き付ける装置を研究している。
C02吸着装置をリスコに後付けできるようにする計画だ。
テスト機を造り、2025年ごろに実験を始める。
C02を吸着させた後の粉を再活用する技術についても、コンソーシアムに参加した各社が研究している。
コンソーシアムは鹿島建設が幹事を務め、44社と10大学などで構成。
C02の発生を減らし、最大限固定化させるコンクリの製造技術の開発プロジェクトで、1月に国のグリーンイノベーション基金に採択された。
事業規模は約287億円に上る。
コトブキ技研はリスコの技術を買われ、参画を持ち掛けられた。
セメント協会や日本建設業連合会によると、セメント産業の2020年度のC02排出量は約4千万トン。
国内産業別で電力、鉄鋼、化学に続き4番目に高い。
1立方メートルのコンクリ製造で約2707億円に上る。
1立方メートルのコンクリ製造で約270トンのC02が排出されるという。
コトブキ技研の宮本副社長は「世界的に脱炭素の機運が高まる中、コンソーシアムに参加できた意義は大きい。 C02吸着装置の市場は大きく、将来は輸出もしたい」と話す。
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