14世紀中ごろの室町時代に描いたとみられ、日本全域が残っているもので最古級の日本地図「日本扶桑国之図」が見つかった。
福山市西町の広島県立歴史博物館が6月15日、寄託された資料の中にあったと発表した。
日本地図の変遷を解き明かす資料として期待される。
縦122センチ、横57センチ。
現在の青森県から鹿児島県まで、国内の68力国を描く。
九州地方を上にして描き、国名や郡の数、京都から各地に続く道を記す。
北海道や沖縄県を示すとみられる記述もある。
欄外には日本の人口や寺の数、国ごとの田の面積が書かれている。
沖縄を伝説上の土地と捉え「龍及国」とする鎌倉時代の地図の特徴と、港町の地名を多く載せる室町時代の地図の特徴を兼ねることから、室町時代前期の日本を描いたと分析した。
写しの可能性があるが、同館が字体や紙の質を基に推測し中世以前の日本地図「行基図」の一種。
最古は京都市の仁和寺所蔵の1305年に写された地図だが、西日本の一部が破れている。
室町時代前期の地図は例がなく、久下主任学芸員は「日本地図の歴史空白奪を埋める資料」と話す。
福山市出身の収集家守屋さんが寄託したコレクションの一つ。
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