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ES細胞で肝臓病治療 生後6日の子に注入 6ヵ月で退院

2020年05月23日 | 医療

国立成育医療研究センターは5月20日までに、有毒なアンモニアを生まれつき分解できない病気のある生後6日の赤ちゃんに、人間の胚性幹細胞(ES細胞)から作った肝臓の細胞を注入する治験を行った。

赤ちゃんは生後6ヵ月で退院した。

移植を受けるまでの一時的な治療で、チームは「赤ちゃんが成長するまでの橋渡し治療としての有効性を示せた。 肝臓病では世界初だ」としている。

さまざまな細胞に成長する万能細胞のうち人工多能性幹細胞(ⅠPS細胞)による再生医療が先行する日本では、ES細胞による治療は初めて。

昨年10月生まれの赤ちゃんは有毒なアンモニアがたまる「先天性尿素サイクル異常症」で、生後2日目にけいれんなどを発症。

6日目以降、作製した細胞を注入した。

注入した細胞からアンモニアの分解酵素が出たとみられ、状態は改善。体重6キロ前後に育った5ヵ月目に父親の肝臓の一部を移植した。

免疫抑制剤を使い続ける必要があるが体調は良いという。

家族は「希望の光が今回の治療でした。 救っていただいたわが子の成長を楽しみに見守りたい」とコメントした。

チームは今後、4人に同じ治療法を行って安全性と効果を確かめ、公的医療保険が適用される再生医療等製品としての承認を2022年中に得ることを目指している。

海外では、人の受精卵から作るES細胞を用いた目の病気、脊髄損傷などの治療への応用が進められてきている。


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