消費者庁は9月19日、ゲノム編集技術で品種改良した農水産物の大半について、生産者や啓一者らにゲノム編集食品であると表示することを義務付けないと発表した。
ゲノム編集食品は特定の遺伝子を切断してつくられるが、外部から遺伝子を挿入する場合と挿入しない場合があり、現在開発が進む食品の大半は挿入しないタイプという。
厚生労働省は同日、同タイプの販売について安全性審査を経ずに届け出制にすると通知。
今回の消費者庁の発表で流通ルールの大粋が決まった。
早ければ年内にも市場に出回る見通しだが、表示がなければゲノム編集食品かどうか分からず、安全性に疑問を持つ消費者から不満が出るのは必至だ。
消費者庁は、表示を求める声が消費者団体などから上がっていることを踏まえ、義務付けない食品についても、生産者や販売者らが自主的に包装やウェブ上などで表示するよう働き掛ける方針。
消費者庁は義務化しない理由について「(外部遺伝子を組み込まない食品は)遺伝子の改変がゲノム編集によるものか、従来の育種技術で起きたのか科学的に判別できず、表示義務に違反する商品があっても見抜けないため」と説明。
製造から流通までのトレーサビリティー(生産流通履歴)の仕組みも不十分で、追跡が不可能だとした。
一方、外部遺伝子を組み込み、安全性審査が必要となる食品は表示を義務付ける。
同庁の五十嵐食品表示企画課長は「流通実態や諸外国の表示について情報収集し、必要があれば表示の在ぴ方の見直しも検討する」と話した。
ゲノム編集は、遺伝子組み換え技術と比べ改変の精度が高いため、予想外の変化や異常が起こりづらい。
国内では体の大きなマダイや血圧を下げる成分を増やしたトマトなどの開発が、商品化を目指して進められている。
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