中国湖北省荊州市監利県の長江(揚子江)で456人乗りの客船「東方之星」が転覆した事故から6月8日で1週間。
中国当局は6月7日、事故現場で追悼式を行ったが混乱を恐れたためか遺族は招かず、行動規制に反発した一部遺族は不満を爆発させた。
客船を引き揚げた大型クレーン船上や近くの岸などでは同日午前9時、捜索船など十数隻が一斉に汽笛を鳴らす中、軍兵士ら計約千人が約3分間黙とうをささげたが、参加を望んでいた遺族の姿はなかった。
監利県には、1400人以上の遺族らが到着。
多数の遺族を招いて大規模追悼式を行った場合、情報提供不足など政府の対応に不満を抱く人々が騒ぎ、混乱を招くことを懸念したとみられる。
捜索当局は6月7日までに432人の死亡を確認。
生存者は14人にとどまり依然10人が行方不明。
範囲を下流域の上海にまで広げ捜索を続けている。
当局は遺族らを出身地の省・市別に分けて宿泊施設をあてがい、動向を監視。
6月7日は現場での追悼式に参加させない代わりに、長江から離れた場所で出身地ごとの追悼式を準備した。
福建省出身の乗客の遺族らには現場から十数キロ離れ、岸からも数キロ離れた場所を用意。
果物や花束が供えられた祭壇の前で、遺族約60人が「会いに来たよ。 一緒に家に帰ろう」と叫び、線香を手に何度も祈った。
「事故が起きた川岸で祈らなければ船に乗っていた兄に会えない」。
一部の遺族らが不満を爆発させ、勢いに押された随行の当局者が長江沿いでの追悼を認める場面もみられた。
遺族らはお金に見立てた紙を燃やして冥福を祈った。
父親が行方不明の男性は「川岸に来られて少し気分が落ち着いた」と話した。
一方、監利県の黄県長は6月7日記者会見し、同県に事故の記念館を建設すると表明した。
「航行の安全のための教育拠点にする」としているが、救援活動の宣伝拠点にする狙いが垣間見える。
事故原因も未解明で遺体の身元確認も終わっていない段階での記念館建設表明は、遺族の反発を強める可能性がある。
日本では考えられないことが、共産党中国では行われる。
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