洋傘が西洋から入ってきたのが19世紀頃。
洋傘は「アンブレラ」、または「蝙蝠(コウモリ)傘」と呼ばれた。
コウモリといわれた理由は、開いた際の黒い傘骨と布の様子が、コウモリの飛ぶ姿を連想させたためと伝えられている。
また、人間の最も大切な頭上に掲げることを「こうむる」とし、「こうむり傘」という名称が関係しているとの見方もある。
今では、お手頃価格でカラフルなものが売られているが、コウモリ傘が日本に持ち込まれた当初は高価だった。
一般庶民は手が出せない代物だったそうだ。
雨が降ったときに着用するレインウェアを「かっぱ」または「雨がっぱ」と呼ぶ。
川や池などに住むと伝えられる「河童(カッパ)」と関係している印象があるが、漢字で書くと「合羽」となり、カッパとは別物だ。
かっぱは、ポルトガル語の「capa」に起源があるといわれている。
16世紀前後、ポルトガルから来航した宣教師たちが防寒用に着ていた「袖がなく裾が広い上着」を指し、日本でも真似て作られるようになったそうだ。
「capa」は「かっぱ」と呼ばれ、漢字で「合羽」と表現されるようになった。
合羽は単なる当て字という説もあるが、人が着ると両翼を合わせた鳥に似ていることが由来しているともいわれている。
もともと、かっぱの素材はラシャ(厚手の毛織物)製で、戦国時代の大名たちは最高級のラシャで作られたかっぱを身辺に置いたそうだ。
江戸時代になると木綿や桐油紙が素材として使われ、袖つきの形も登場。
庶民にも広まっていった。
明治以降、防寒用のものを「マント」、雨具用を「かっぱ」や「雨がっぱ」と呼ぶようになったそうだ。
以上のような背景から生まれた、コウモリ傘やかっぱという呼び名、今はあまり使わない言葉になっているかもしれないが。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます