国立がん研究センターなどの研究チームは10月17日、血液1滴を使った検査法で卵巣がんを98・8%の高率で判別することに成功したと、国際科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。
卵巣がんは自覚症状が出にくいため、早期発見や治療向上につながる成果として期待される。
チームは、細胞から血液中に分泌される微小物質「マイクロRNA」の変動パターンが、がんの有無の判別に使えることを突き止め、13種類のがんで正解率95%以上という検査法を開発している。
この検査法で、卵巣がん患者428人に他のがん患者、がんがない人を合わせた4046人の血液を使って、卵巣がん患者の判別精度を調べた。
その結果、がんの進行度を4段階で示すステージ別では、初期の1期で95・1%、2~4期では100%判別できた。
血液を使ったがんの早期発見を研究する九州大病院別府病院の三森教授(消化器外科)は「4000例を超えた大規模解析で非常に信頼度の高い成果と言える。 卵巣がんと健常者のほか、他のがんとも区別できることを示した点が重要な発見だ」としている。
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