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性犯罪厳罰化政府本腰

2020年08月25日 | 政治

政府は性犯罪・性暴力の根絶に向け、本腰を入れる。

6月に初めての対策強化方針を決定。

再犯防止策として衛星利用測位システム(GPS)端末の装着義務化検討や、わいせつ行為により失効した教員免許の再取得期間の見直しなど、加害者への厳罰化にアクセルを踏んだ内容だ。

「加害者ですから。罪を犯したという事実は重たい」。

橋本男女共同参画担当相は7月、共同通信のインタビューで、再犯防止策の重要性を訴えた。

柱となるのは、GPS端末装着義務化の検討だ。

方針にはスケジュールも明記し、法務省が2021年度末までに海外の法制度や運用状況、技術を調査。

その上で2022年度には「GPS活用を含めた新たな再発防止対策を検討する」とした。

政府内では、菅義偉宣房長官が記者会見で「諸外国で成果を上げている例もある。

どのような場面で活用できるか法務省に適切に検討してもらいたい」と述べるなど、導入に前のめりな姿勢が目立つ。

政府関係者は「官邸や与党の声を踏まえて政府文書に初めて明記した」と明かす。

GPSを巡っては大阪府や宮城県でも10年ほど前に、導入が取り沙汰された。

2011年、強制わいせつの認知件数が全国最多だった大阪府では、当時の橋下知事が府議会で「条例でどこまでできるかを探っていきたい」と表明。

ただ、翌年成立した「子どもを性犯罪から守る条例」には入らなかった。

「『GPSによる監視は人権侵害になる』との指摘もあり、自治体レベルでは立ち消えになった。 国に突っ込んだ議論を期待したい」と府の担当者。

慎重意見も根強く、政府がどこまで踏み込むかが焦点だ。

他にも方針には加害者対策が盛り込まれ、関係省庁が続々と検討を始めている。

児童生徒へのわいせつ行為で教員免許を失っても、3年経過すれば再取得可能となっている現行制度の改正については、7月、萩生田文部科学相が教員免許法をより厳しい形とする方針を表明した。

保育士も同様に見直しを進める。

また、被害者に対する「暴行・脅迫」行為がなくても、同意がない性交だと認識できれば処罰する「不同意性交罪」の創設についても、被害者支援団体の代表らで構成する法務省の検討会で議論が始まっている。

政府は2022年度までを「集中強化期間」とし、これらの戦り組みを速やかに進める方針。

3年間でどれだけの対策が実現できるかが注目される。


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