2025年大阪・関西万博で「2億円トイレ」の整備がやり玉に挙げられている。
一部の建設費が2億円近くに上ると判明、政府や大阪府、大阪市は公衆トイレとの比較で「高額」批判を回避しようと躍起だ。
設計を担う若手建築家の一人は取材に、言葉が独り歩きしていると困惑。
「より良い社会のために能力を投入している」と語り、設計理念への理解が広がるよう願う。
万博では、若手建築家が担当するトイレを会場内に8ヵ所設置する。
「若手の登竜門」と位置付け、気鋭の8組を設計者として起用した。
うち3ヵ所は予定価格が約1億9千万円で、2ヵ所は予定価格に近い額で既に落札された。
能登半島地震の披災地で断水が続き仮設トイレの使用を余儀なくされる中、流サイト(SNS)では「税金の無駄遣いだ」と批判が相次いだ。
大阪府の吉村洋文知事は2億円の根拠として、便器が50~60基の大規模施設になる点を強調。
建築家が「魂を吹き込んでいる」とも訴えた。
政府も3月1日の万博予算執行監視委員会で外部有識者に対し、府内公共トイレの1平方封当たり単価と比べて「高額ではない」と理解を求めた。
3ヵ所のうち一つを担当する建築家の米沢氏は3月1日、共同通信の取材に応じた。
2億円トイレという豪華さを想起させる言葉で「理念が置いてきぼり」になったと指摘。
移設や転用が容易な「気軽な建築」を提示する。
米沢氏が設計したのは、数基の便器を殷置する直方体と、雨や強い日差しを遮る三角形の屋根を重ねた積み木のようなトイレだ。
重ね方や数を自由に変更でき、閉幕後は公園への移築を予定。
長期殷置が前提の既存建築にない柔軟さが売りで、災害復興にも活用できる考え方だとする。
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