国内で複数の人から採取された血液に「ナノプラスチック」と呼ばれる直径千分の1ミリ以下の極めて小さなプラスチック粒子が含まれていることが、東京農工大の高田教授らのグループの分析で、3月20日までに明らかになった。
このうちI人を詳しく調べると血液や腎臓、肝臓などから、プラスチックに添加する紫外線吸収剤やポリ塩化ビフエーTル(PCB)という有害化学物質も見つかった。
人の血液中のナノプラスチックはオランダで検出例があるが、国内では初めて。
含まれる有害化学物質を同時に検出した報告は世界でこれまでなく、人体への蓄積の実態が示された。
ナノプラスチックは広く環境中に存在し、粒径が大きなものと比べて体内に取り込まれやすく、生物への影響がより強いとされる。
分析技術の向上で、近年検出が可能になった。
高田教授は「プラスチツクの微粒子が有害化学物質を体内に運び込んでいる」と指摘。
検出量はわずかで直ちに影響が出るレベルではないとしつつ「これらの化学物質は環境ホルモンだ。
摂取量が増えたり長期間蓄積したりすれば、生殖作用などに影響を与えることが懸念される」とした。
研究グループは、2023年に検査用に採取して残った血液や組織11人分を分析した。
筑波大の「つくばヒト組織バイオバンクセンター」に保存されていた検体を、倫理ガイドラインに沿って提供を受けた。
このうち4人の血中から、発泡スチロール原料などに使われるポリスチレンの超微粒子を検出した。
量は血液1グラム当たり40~550ナノグラム(ナノは10億分の1)だった。
同時に検出された紫外線吸収剤は、プラスチツクの劣化を防ぐための添加剤。
PCBは着色に使う顔料に含まれる不純物の可能性が高い。
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