厚生労働省は1月4日、障害のある子どもを放課後や休日に預かる「放課後等デイサービス」について、職員に障害児の支援経験を求めるなど、事業運営の条件を4月から厳格化する方針を固めた。
利益優先の事業者による報酬の不正受給や、テレビを見せるだけでほとんどケアをしないといった事例があるため、不正防止や質確保を図る。
放課後デイは、学童保育を利用しづらい障害児(6~18歳)に専門的な支援をする居場所として2012年度に制度化された。
施設数が急増しており、全国約8400ヵ所で約11万人が利用している。
また、厚労省は主に成人の障害者が最低賃金以上を受け取って職業訓練する「就労継続支援A型事業所」についても、不適切な運営がみられるため、是正策を講じる。
いずれも1月6日に開く審議会で見直し案を示す。
放課後デイでは現在、じかに子どもに接する指導員に資格要件が定められていない。
今後は、社会福祉士の資格などが求められる「児童指導員」や保育士、障害福祉経験者の配置を条件とし、職員の半数以上を児童指導員か保育士とする基準も設ける。
支援計画を作る「児童発達支援管理責任者」についても、現在は障害者に限らず高齢者の支援経験があれば従事できるが、障害児・者や児童分野での3年以上の経験を必須とするよう改める。
厚労省が昨年定めた運営指針の順守と、自己評価結果の公表も義務付ける。
就労継続支援A型事業所も参入例が増えており、2015年度現在で約3200ヵ所あるが、訓練実態がないなどの事例が指摘されている。
事業の収益からではなく、本来は職員の人件費などに充てなければならない給付費で賃金を賄っているケースもある。
今後は給付費から賃金を支払うことを禁止する。
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