STAP細胞論文を巡る問題で、著者の小保方理化学研究所研究員が11月末まで取り組んでいたSTAP細胞の有無を確かめる検証実験で、論文と同じ手法で細胞を作製できなかったことが、関係者への取材で明らかになった。
理化学研究所の小保方研究員がSTAP細胞の作製に失敗していたと判明し、事実上、STAP細胞の有無の問題に決着がついた。
小保方氏とは別の研究者らが取り組む検証実験も続ける根拠がなくなり、今後は小保方氏側の対応が焦点となる。
STAP細胞論文に対する不正疑惑は今年2月に発覚し、研究不正について調べる理研の調査委員会は4月1日、論文に捏造(ねつぞう)や改ざんがあったと発表した。
しかし、小保方氏は弁護士を代理人に立てて反論し、調査結果に不服を申し立てた。
4月9日に大阪市内で記者会見に臨み、「STAP細胞はあります」「200回以上作製に成功した」などと発言して世間の注目を浴びた。
その後、小保方氏の上司に当たる共著者の笹井芳樹氏が自殺し、小保方氏が所属した発生・再生科学総合研究センターは研究室を半減して、多細胞システム形成研究センターとして「解体的出直し」をするなど騒動の影響は大きかった。
小保方氏は4月の記者会見以降、公式の場に姿を現さず、報道機関の取材にも応じていない。
三木弁護士は12月18日午後、報道陣に「本人はSTAP細胞はあると考えているだろう」と述べた。
今後、検証実験に関して小保方氏側がどのように対応するかは不透明だ。
STAP細胞論文の不正疑惑が浮上してから約10カ月。
論文で発表されたSTAP細胞とは何だったのか。
疑惑に対する理研調査委員会の調査は続いているが、理研や小保方氏には社会に対する丁寧な説明が求められる。
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