立ち飲みラリー山手線編は五反田から目黒へ。いよいよ、舞台は山の手に。
目黒には立ち飲みのビストロを世に広めたという伝説の店があるという。
その名も「Bistoro SHIN」。
ボクはようやく、そこに辿り着こうとしている。
目黒通りの坂を下ると、やがてその店はあった。赤いテントに「立飲」と記されている。
間口の狭い小さな店である。この入口の戸が、また素敵だった。
木製の折り畳みの戸で、ノブには金製の金具。慣れてない人にとっては入りにくい戸である。
扉を開けると女性スタッフが近づいてきた。
極めて優しい対応。よかった、ビストロというから、敷居が高いかと想像していたが、そうではなかった。
店内は厨房の周囲がカウンター席。店の手前が立ち飲みスペースとなっている。
もちろん、ボクは立ち飲みスペースに陣取った。
しかし、壁一面に貼りだされるメニューは一枚一枚、筆で書かれた豪快な書。いやがうえにもそのメニューが目に飛び込んでくる。それは一言で言えば、圧巻だ。
お通しが運ばれてきた。
コップの中にもさもさのルッコラとサラミ。若干のドレッシング。これがうまい。
飲み物といえば、メニューに目を通すとそこはもう、ワイン!ワイン!ワイン!
ワインはよく分からないが「シーラ赤」(500円)というのが目に飛び込んできた。そしてつまみに「牛すじ煮込み」(480円)。これもフレンチ風。濃厚なスープはスパイスが効いている。
18時は、客もまばらだったが、やがて少しずつ店には客が一人また一人と増えてきた。何よりも、女性客が多い。
メニューを見あげる。
「エゾ鹿ソテー」
「うさぎのロースト」
「仔羊のバジリコソテー」。
おぉ、神よ。これが、ジビエというやつか。
それにしても、このメニュー、従来の立ち飲みではありえないものばかり。それはまるで玉手箱。いったい、どんなものが出てくるのか、そのワクワク感たら!
「五反田バル」のコンセプトも、ビストロ風だが、「SHIN」に比べれば、まるで大人と子ども。
厨房の壁のその上に、人気メニューのランキングが貼りだされている。その1位に輝く「アンチョビキャベツ」を頼んでみる。これがまたうまかった。ありそうでなかったメニュー。アンチョビの塩からさとキャベツが抜群にあう。
ワインは「トソ・グリュット・ボデガス・ビニャード」(600円)。
長い名称だ。もちろん、この名前でオーダーしていない。メニュー表から「これ」と指さした。
あれもこれも食べたくて、目移りしてきたが、最後の一品にしよう。
〆は「ブラックぺペロンパスタ」(750円)。
ペペロンチーノにびっしりと黒胡椒がまぶされた一品。これがまたうまかった。胡椒がからんだパスタがすいすいと口に入っていく。
メニューに外れなし!
この立ち飲み屋は奇跡である。
その後、この店に何度も通うことになろうとは、この時思わなかった。
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