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「不動湯」で身体を浄めて、さぁ酒場へ。さんざん立ち飲みを探したが、結局辻堂駅周辺では見つからず。少ない選択肢から、「鳥一番」という店に入ることにした。
店内は田舎のラーメン屋さんのような様相を呈していた。宅席が4つほど。厨房に沿った狭いカウンターには椅子が5、6。その小さなカウンターに腰掛け、まずは「ホッピー 白」からオーダーした。
お通しの枝豆が「ホッピー セット」とともに運ばれてくる。タンブラーには氷とスライスレモン。気が利いてるじゃないか。つまみに「もつ煮込み」。煮込みは、その店の実力を知る、最初の入口だ。その「煮込み」のもつは豚のシロ。鳥もつかと淡い期待をしてはみたが、そうではなかった。やや淡色系の味噌と醤油で味を整え、どちらかといえば、すっきりした味に仕上げている。悪くない。うまいよ。
時刻ほ15時50分。だが、既に、このカウンターには先客がいて、瓶ビールをチビチビとやっている。常連さんのようだ。
「毎日、店に来てるんですか」。
話しかけてみた。
「週に2,3回だよ」。
結構な頻度じゃないか。
「もう仕事してないから暇でね。自転車に乗って河を渡ってくるよ」。
「河?」
「相模川ね」
「え?平塚から通っているんですか」。
「うん。昔からね」。
随分と熱心な常連がいるもんだ。しかし、自転車で店に通うって危なくねぇか。見たところ、結構な爺さんだ。
「相模川を隔ててさ、文化が違うんだ。平塚と茅ヶ崎ってよ」。
そうなのか。ま、そうだろうな。河や山は昔から境界だからね。
さて、串焼きでも頼むか。
「ねぎま」に「もも」を2本ずつ、タレで。
全く期待していなかった串焼きだが、目の前に出てきたときは、ちょっと驚いた。身が大きかったからだ。秋津の「野島」を彷彿とさせるビッグな串焼き。いや、「野島」よりはやや小さいが、十分におおきい。これはまた当たりの店だったか。しかも、若鶏専門だから、身が柔らかい。これはまたうまいぞ。串に刺された状態が美しく、どこで串に刺したかは分からないが、丁寧な仕事をしているようで感心する。
うまい。
16時半を過ぎると、客が少しずつ入ってきた。隣の爺さんは何も食べず、ひたすらビールを飲んでいる。既に酔っぱらってる感じ。多分、今日も自転車で来てるのだろう。
帰り道、気をつけて。
酔っているからか、歳のせいか、自分の声が聞こえず、何度も何度も同じことを。爺さん、最後は、面倒になって、「うん、うん」とだけ頷いた。
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