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S栄印刷のMさんが、毎週土曜日の朝に通うという「カフェ さおとめ」。休日の朝に通える喫茶店があるということは、なんて幸せなことだろう。
居心地がいいのである。
そうでなければ、通いつめることなどない。
ボクもかくありたいものだが、我が家の近所に適当な喫茶店がない。
休日朝に行く喫茶店は、特別なものだ。何ものにも替えがたい時間があるはずだ。放電しつくした週末に、ちょっとチャージングできる空間。静かに週を反芻できる時間を、「さおとめ」は提供してくれるという。
Mさんにあやかり、ボクも出かけてみた。
坂の下の窪地に佇む、昔ながらの純喫茶。いかにもという喫茶店らしい店構えである。ボクが店に入ると、Mさんは、外の通りを一望できるテラス席のようなテーブルでコーヒーを飲んでいた。
ボクもMさんと同じもの、「さおとめブレンド」をいただき、「ミックスサンド」を追加した。
クラシック音楽が微かにかかり、他の客の声も慎ましく聞こえてくる。いい雰囲気だ。土曜日の朝に相応しい。
やがて、コーヒーカップが運ばれ、華奢な取っ手に手をかけてコーヒーを口に含むと、若干の酸味が口に広がった。 古い喫茶店らしい。頑なに昔のブレンドを守り抜く。深炒り全盛の時代に、今も受け継がれる昭和の喫茶店の系譜。
その酸味が、脳を活性化させ、また惑わせる。あぁ、一気に心が弛緩する。
「ミックスサンド」が運ばれてきた。まず、その美しい三角にいとおしさを感じる。純白の皿にミックスサンドの色彩が浮き上がり、それはひとつのアートとして角膜に焼き付けられた。しかも、そのみずみずしいトマトの味がなんともいえない。
土曜日の朝。ここに居られる幸せ。
しぼみきった心をチャージ。
極上の時間が流れている。
ちなみに50円支払えば、コーヒーをおかわりすることができる。
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