「レバーフライ」のうまい立ち飲みがある。
この怪鳥の一言で、ホッピー研究会の会合は大井町に決まった。
その立ち飲みは、てっきり「臚雷亭」だと思っていた。
だが、行った先は、建物の2階にある「豊後屋」という店。
この店は知らなかった。
「生ビール」が300円。
「ホッピーセット」も300円。
これは安い。
ホッピー研究会史上最安。
さすが、怪鳥。情報が豊富だ。
そして、「レバーフライ」。
「豊後屋オリジナル」と銘打たれたお店自慢の一品だ。
一皿400円だが、ハーフもできるらしい。それが200円。
ホッピー白に「レバーフライ」をオーダーする。
そして、もう1品が100円の「揚げパスタ」。
「レバーフライ」が運ばれると同時に香ばしい薫りがぼくらを包む。
あぁ。
思わずため息が出そうないい薫り。
早く口に入れて、食べてしまいたい。
まずは軽くホッピーで口をゆすいで、ガブリと「レバーフライ」をほおばった。
サクっという軽快な音とともに、レバーの香りが鼻腔をくすぐる。
臭みがない。
しかも、衣もおいしい。出汁で粉を溶いたのだろうか。
これは最高だ。
ホッピーとの相性も抜群。
これだけを食べに来る価値はおおいにあるだろう。
しかし、残念ながら「揚げパスタ」はあまりおいしくなかった。
思った以上に堅く、味があまりない。
塩をかけているのだろうが、塩味じゃないほうがいいと思う。
例えば、カレーとか、トマトソースとか。
テレビは野球中継を流している。
スワローズVSカープ。カープの先発投手は黒田博樹。
周囲を見渡すと、何人かの客が酒をあおっている。
中には一人の女性もいた。
女性が一人で立ち飲み屋に来る時代である。
ナカ(200円)を頼んだ。
ナカはそれほど安価ではない。
この値段設定には戦略がありそうだ。つまり、入口のハードルを下げている。
「レバーフライ」が残り少なくなってきた。
「もうひとつ頼みたいね」。
ボクと怪鳥はそんな会話を交わした。
実際にもうひとつは頼むことはなかったが、ボクらはこの「レバーフライ」で満ち足りた。
ホッピーの友に、また新たな一品が加わった。