いっぺいさんのインスタに「馬越」と書かれた紺暖簾の画像が飛び込んできた。キャプションには「『増やま』の2号店か」の書き込み。
マジか。
瞬時にして、「増やま」飲みを思い返す。
清々しさとワクワク感を兼ね備えた酒場。座っているだけで、なんか楽しくて。周囲の人が何をオーダーするのか、それだけでワクワクする。そんな大衆酒場。
きっと今首都圏で最もホットな大衆酒場のひとつであろう。
そんな、「増やま」に支店ができたという。だが、店の名前は「馬越」。何故、「増やま」にしなかったのか、という疑問は湧いたが、暖簾の端に「キンミヤ焼酎」、すりガラスの真ん中に、店看板に、亀甲宮の紋が入っているのをみると、この風情、間違いないなと妙に納得した。
場所はどこにあるのかと、早速検索すると、食べログに既に登録がされている。その登録、どうやらひざげりさんが書いたという。
本八幡。
18年ぶりくらいに降りた本八幡。南口を高架沿いに船橋方面へ。飲食店がまばらになり、住宅街に変わるその境目に突如現る赤提灯。もっと、酒場地帯にあるものだと思っていたので、なんか拍子抜け。扉を開けて中に入ると、ガランとした店内を見て、また拍子抜け。
客は5人。「増やま」よりもだいぶ広い店舗ということもあり、余計に寂しく感じる。
でも、多分今だけなんだろう。なにしろ、開店は8月9日。まだ2週間足らず。店の知名度が高まれば、このキャパシティでも、速攻で満員になるはず。
席に着席すると沸き起こるワクワク感。
何にしようかと思わず、メニューの短冊を目で追ってしまう。
キンミヤをボトル(1,200円)で入れるべきか。それとも、「酎ハイ」(250円)で勝負か。3杯で勝負が決してしまうボクの場合。ボトルを入れるまでもない。
「酎ハイ」と「煮込み」で勝負を賭けた。
すると、店員は「ぼぉるぅぅぅぅ」という声を厨房に向けて発した。この調子、昨日も船橋で聞いた気がする。
「一平」の「酎ハイ」にはレモンが入っているが、「馬越」のそれには、レモンがない。スライスレモンは別途注文である。
「馬越」の「煮込み」は「一平」よりも色が濃い。熟成期間の長い赤味噌の色だろう。このため、汁はややドロ系で、辛子が大量に添えられている点も「一平」スタイルとは違う。正直、そんなに辛子はいらないし、そんなに必要という客もあまりいないと思う。
辛子をちょっとつけて食べる「牛煮込み」はなかなかオツなもの。これはうまい。
やや視線を上げて短冊メニューを眺める。「増やま」はもう少し、メニューが多かったような気がする。そのひとつひとつを目で追っていくと、あ、「サモサ」がない。「増やま」で食べた「サモサ」、うまかったから。今日も食べたかったけれど、必ずしも同じメニューがあるとは限らないのか。
向こう正面に座る4人の客は、キンミヤにモヒート。その選択肢も悪くはないが、ボクはモヒートには「ハイリキ」しかないと思っている。
その4人組から少し左に座る一人客は、瓶ビールから「梅割り」にシフト。その選択肢もありだが、「梅割り」飲むなら、やっぱうまいハラミを食べながらにしたい。つまり、成田の「寅屋」である。こないだ、「四文屋」で「梅割り」を飲んだが、何かが違った。シロップが違うのか。気分的に違ったのか。それは分からないが、好きな飲物は、やっぱり気に入ったところで飲みたいものである。
その客に、厨房から出てきた店員が挨拶をしている。「なんで、ここ知ったの?」と店員。客は、「『増やま』で教えてもらいました」と答えた。
「酎ハイ」をお代りして、「紅しょうがのかき揚げ」(300円)をオーダー。前回、「増やま」で食べて、大変気に入った一品だ。毒々しい赤と1本1本波打つ状態が、ボクには不動明王の光背をイメージさせる。ボクは密かに、この一品を勝手に不動明王と呼んでいる。
その「紅しょうがのかき揚げ」、期待を裏切らないうまさ。ガリガリという歯ごたえは紅しょうがとは思えない。紅しょうがのうまみをぎゅっと閉じこめたかき揚げは、最高である。
もう一杯お代わりするとともに、最後の肴をどうするか。
ほう、「新さんま刺し」か。もう秋刀魚が出てるのか。いや、ここは、「厚揚げ」でいきましょう!昨日、「一平」で、隣の御仁が、食べていた「厚揚げ」。
何気なしに頼んだ、「厚揚げ」だったが、これがご機嫌だった。ともすれば、出来合いのものが出てくると思いきや、しっかり揚げたものが出てきた。それも、そとはカリカリ、中はふわふわの、絶妙な「厚揚げ」だった。
うまし!うまし!
さすが、「増やま」の支店。客を喜ばせるのがうまい。
船橋の加賀屋にいらした方が,独立して勝田台で「竹うち」というお店を開いています。
毎日14時からで,土日もやってます。
今はなき加賀屋のボールが飲めます。
近くへお越しの際には立ち寄ってみてください。
たぶん,気に入ると思います。
https://tabelog.com/chiba/A1202/A120204/12040685/
新たな情報ありがとうございます。
墓参りには八千代中央まで行っていますので、その帰りにちょっと足を伸ばすのはわけないです。
しかし、独立される方の情報を把握されているというのは、ふか~い関係になったが故のことだと思うのですが、いっぺいさんらしくディープな飲み方をされているとつくづく感心します。
そうありたいものです。
東京の方が圧倒的に酒場の数は多いのでしょうが、心からワクワクできる酒場は数える程度。
でも千葉県の酒場は、すでに3軒もワクワクさせてくれました。まだ、未発表なのですが、銚子にある酒場も入れれば、4軒です。
「竹うち」もその中に入ってくるでしょうか。千葉県の酒場はすごいです。
楽しみです。