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実は、この熊猫。八戸市生ま、れである。
母親の里帰りによるものではなく、当時ボクは八戸市に住んでいた。何年間、八戸に住んだのか、実は知らない。
1年間か、2年間か。多分、そんなものだと思う。
千葉県八千代市に引っ越してきたのは3歳のときだろうか。その後、17歳まで、市内で2度引っ越しをしたものの、八千代市には14年住んだ。本来ならば、八千代市がボクの故郷のはずなのだが、そういう気はしない。
離れてから、一度も行ったことのない八戸にこそボクは郷愁を感じる。
だから、本八戸の駅を降りて、道を歩き始めたとき、なんだかとても懐かしい心持ちがした。
それは、気のせいか、思い過ごしなのかもしれない。
でも、ボクは「ようやく来ることができた」と心から思ったのだ。
研究会が終わり、メンバーと夜の街へ。
八戸は幾つもの飲み屋街がある。5つだったか、6つだったか。
とにかく適当に歩いても、赤提灯がどこにも目につくのである。
この日の懇親会は「魚屋金兵衛」。
店頭に幟がたち、Jポップスが流れるちょっと派手な店である。
「魚屋金兵衛」という豪商のような店名とは裏腹なお出迎えである。
青い大漁旗が壁一面に掛けられ、その通路をくぐって奥の座敷へ。
厨房がやたらと広い。これは北東北の文化である。農家も漁師の家も台所を広くとる。もちろん、これは地主の場合に限るが、とにかく厨房の広さは出色である。
座敷に入り宴会に。
コースメニューは海の幸が豊富に出てきた。
お造りには、「活真つぶ刺し」、そして「イカ刺し」。
この2つの刺身は八戸における絶対的な魚介である。まずは歯ごたえが違う。イカの弾力感。それはつぶ貝も同様である。
また、刺身が地酒によく合うのである。
「男山」は八戸酒造の辛口だ。
北東北の酒肴は塩が効いていて、若干辛い。これを辛口の酒で流し込む。このハーモニーは絶妙。まさに潮騒のメモリー。
メインメニューはご存じ、「せんべい汁」。
塩味の鳥鍋に南部せんべいを入れるというあれ。
2012年のB1グランプリでゴールドグランプリをとったあれ。
津軽のしょっつる、そして南部のせんべい。これは青森県が誇る2大汁である。
ともあれ、このせんべい汁がうまくて、酒が進む、進む。
いかん、ここで酔ってしまうと、この後、ぼくは終わってしまう。
酒はこの辺でやめておくか。
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