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日本酒界では伝説の営業マンらしい。
「つねまつ久蔵商店」をオープンさせた常松氏を怪鳥は何度もそう言いながらボクに紹介してくれた。
そのレジェンドは笑顔を湛えて会釈した。
「居酒屋さすらい」の1000回記念。2人目のお祝い企画は怪鳥。
その怪鳥が、「つねまつ久蔵商店」を指名し、ボクを連れてきてくれたのだ。
日本酒の立ち飲み屋。
月島のもんじゃストリートにたたずむそのお店は和のアーキテクチャー。
店の中央に1枚板、いや一本の木を半分に割った巨大なテーブルが置かれている。その圧倒的な存在感。
このスタイル、立ち飲み屋で初めて見た。
要するに2人連れの客は木のテーブルを挟んで対面するのだ。新しい。斬新。
天井には古民家で使用したと思われる柱が1本。これが店を引き締めたものにしている。
厨房(いやキッチンスペースというべきか)は店の一番奥。花崗岩のブロックに囲まれた小さな要塞。ボクと怪鳥はその厨房の横にポジションした。
「居酒屋さすらい」史上初の立ち飲みでの予約。だから予約席ではない。予約スペースというべきか。
中央のテーブルを効果的にライティング。ぽっかり浮かび上がったステージのように、そこは立ち飲み屋ではなく、立ち飲み空間と化す。
ポジションして数十秒で「いい店」と判断した。
キッチンスペースの横には干し肉のようなものが整然と置かれている。なんだろう?
メニューを見ると「牛肉のするめ」という単語が目に着く。なるほど、あれがその「牛肉のするめ」か。しかし、言い得て妙。「牛肉のするめ」とは酒飲みのツボにはまること間違いなし。
さて、まずは「生ビール」(390円)から。
キンキンに冷えたタンブラーで「一番搾り」が運ばれてくる。
つまみは「ポテトサラダ」に「生桜えび」。
この抜群のセンスはまるで吟醸の日本酒の様。
そのこころは、磨かれて研ぎ澄まされた賜物だ。
「生桜えび」はしょうがとわさび。そのピンク色の小山にまずはうっとり。
「ポテトサラダ」はホールケーキのような形に盛られ、そのうえにとびこが敷きつめられている。なんだ、このポテサラは。
とびこのプチプチ感とともにいただく濃厚なポテサラ。味覚だけでなく食感も楽しめる粋な計らい。
ビールを飲み干し、2杯目。
怪鳥は「ホッピー」(セット450円)。ボクは「神亀」(550円)。
日本酒専門の立ち飲みであくまでホッピーとは、さすがホッピー研究会の会長。だが、日本酒をホッピーで割った「ポンピー」をオーダーしなかったのは、ホッピー研究会としては完全に失態だったと思う。
しかし、実はその後ボクも「神亀」後、ホッピーをオーダーしてしまった。
焼酎は「キンミヤ」。ちなみにタンブラーも「キンミヤ」である。
「煮込み」も美しかった。
美しい小丼に豆腐半丁と煮玉子が浮かぶ。もはやアートだ。つゆは塩味だろう、半透明なスープが美しい。煮玉子はとろりとした半熟で、これが絶妙にうまい。
全ての酒肴が凝っている。全ての酒肴がうまい。
創作料理。いや違う。全て日本酒にあてたあて。
常松氏の奥様、慶子さんの気配りも素晴らしく、店を和やかに活気づける。
オープンから僅か3か月。店はいつも満員とのこと。
あえていえば、立ち飲みの3rdウェイブ。
わざわざ電車に乗ってでも行くべき店である。
ちなみにトップ画像のお店の写真に写るのは常松氏。
わざわざお店の外に出てお見送りまでしてくれた。
自分、なんか言ったっけ?
たまに自分も行こうと思ってます。
今、一番元気な立ち飲みだと思う。
しかし、今考えると、ホッピー飲んでる自分らは、かなり浮いてたと思う。
一番、上座だったし。