I社のプレス懇談会が終わり、その後記者と広報ご担当者との懇親会が行われることになっていた。
その間1時間半ほどの時間があり、どこかで時間調整をしなければならない。自分としては今すぐにでも飲みたいのだが、ここは自重しなければ。
御徒町駅前のパンダ広場に行けば、何かキッチンカーでも出ていて、面白いものがあれば食べてもいいかなと行ってみた。
3台程度のキッチンカーがあり、たいていはご飯ものだったが、そのうちの1台はコーヒー専門カーだった。
パンダ広場では初めて見るキッチンカーだった。
コーヒーのキッチンカーを時々見かける。「キッチンカーさすらい」ではこれまで「ハタコーヒー」の1台しか紹介できていないが、実はその他に2回遭遇し、利用したことがある。大手町で、そして上野の博物館前だったか。後者のお店は、相馬郡から来たというコーヒー屋さんで、確か震災直後に利用させてもらった。
だから、コーヒーのキッチンカー自体に驚きはないのだが、いつも思うのが「儲かるのかな」ということ。利益率は高いのだと思うけれど、問題は何杯売れるかだ。1日100杯売れるかなって思う。大手町に出店されていたキッチンカーはビジネスユースで出前もしていると聞いた。オフィス街だから、その需要は多いだろう。でも、例えば御徒町や上野博物館前だと、そうした需要は多く見込めない。一本釣りの客を相手にしているのであれば、それほど多くの数は売れないんじゃないかと心配になる。
コーヒーなら時間調整にぴったり。
1杯いただくことにした。
おしゃれな帽子をかぶったマスターに「今日のコーヒー」をお願いした。
この日のコーヒーは「グァテマラ」。シングルオリジンだという。電動コーヒーミルがおしゃれで、「これ、いいですね」というと、どうも希少な機種らしい。コーヒーの道具は凝り出すとキリがない。ただ、マスターのコーヒー愛が伝わってくる。
シングルオリジンときくと、どうもハードルが高いし、しかもそれほどおいしいと感じたりことがない。我が家淹れるコーヒーのほうが遥かにおいしいような気がする。
ハンドドリップで淹れてくれた渾身の一杯。
少しずつ、日が傾き、街の明かりが賑やかになりつつある中、白いコップが薄雲に溶けていく。
いい感じだ。今日もたくさん仕事をした。
一口目をいただく。すっきりとしたコーヒーでよかった。深煎りコーヒー全盛の時代にあり、すっきりの方が新鮮だ。
FLUGUPのクルマは「キャリィ」。軽トラにはシンパシーを感じる。ストロークの短さがかえって好きだ。だから、軽トラをキッチンカーにしているお店は応援したくなる。働くクルマで働かないとね。
飲んでいるうち、少しずつ、コーヒーが冷めてくるのだが、それに伴いコーヒーの味も変化する。甘味が強くなっていくのだ。自分のような馬鹿な舌でも感じられる。飲み終えて、マスターにそのことを伝えると、「そうなんですよ。コーヒーは冷めてくると、より味が分かります」。
厳選した豆を使い、ローストにもこだわっているのか。物腰の影に自信のようなものを感じる。もしや、そうした冷たくなる時間を織り込んで、アウトドアのキッチンカーを選んだのか。実は、このマスター、すごい人なのかもしれない。
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