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ホテルにチェックインし、荷物を置いてすぐに出掛けた。目当てはあの店、もちろん「源氏」。
楽しみだ。なにしろ3週間ぶりの酒場だから。満を持しての酒場だから。しかし、今年は最初からツキがある。新年から2020年の居酒屋アワード獲得店を巡る、この喜び。最高だ。
そう思いながら、ホテルを出て100m程行くとスマホが鳴った。従兄弟からだった。それは一緒に飲もうという誘いだった。気を遣ってくれているのである。この誘いを断る訳にはいかない。
従兄弟と仙台駅東口側に向かった。
緊急事態宣言が出ていない仙台は、どこか東京と違った空気感があった。人々はマスクをしているのだけど、でもなんとなく無防備。道ゆく人に、そんな表情が見てとれる。
さて、全く土地勘なし。お店もよく知らないから、従兄弟に任せることに。従兄弟は手っ取り早く、居酒屋がテナントするビルに向かった。そのビルの一階にあったのが、「餃子番長」だった。
正式名称「東口 餃子番長 炎のもつ屋 D°」。
なげぇよ、名前。しかもウリは餃子なのかもつなのかわからねぇ。更に D°って。どうもディードと読むらしい。わかりにくいったらありゃしない。
お店は店名と同じように混沌としていた。いや、店内がごちゃごちゃとしていた訳ではない。店は今どきのきれいなインテリアでオーダーはタッチパネル式のシステムを導入しているのだが、問題はメニューだった。餃子を推す訳ではなく、もつを推す訳でもなく、様々なメニューが溢れていた。魚あり、肉あり、鍋あり。まさになんでもありのバトルロワイヤル状態。いや、メニューがたくさんあるのはいいのだが、その分お店の特色が掴みにくい。
席に座り、まずは生ビールから。ビールはヱビスの「琥珀」。お通しはなんと「茶碗蒸し」。
これがかなり立派な茶碗蒸しで驚いた。しかもうまい。餃子屋でもなく、もつ屋でもない。一体、何屋なんだ。
この後、我々は刺身をとり、卵焼きにチャーシューなど、思い思いに料理をオーダーした。面白かったのは、「炙りえいヒレ」。確か昨年、仙台の角打ち、「菅原酒店」でセルフの炙りえいヒレをいただいた。杜の都はえいヒレを炙るのっていただくのが常識なのか。
従兄弟は酒が滅法強い。さすが埼大のアメフト部。身も心も頑丈だ。「琥珀」から日本酒に切り替え、5杯目を飲んだ頃だろうか、突然睡魔が襲ってきた。あぁ、また自分が潰れた。
結局、従兄弟が支払ってくれた。「母の弔いだから」と。
あの日を思い出す。あれは震災の翌々年。大船渡を訪ねて、僕らは2人、酒場をはしごした。2軒目のキャバクラは従兄弟に払ってもらったっけ(「居酒屋さすらひ780」〜「居酒屋さすらひ」782)。しかも、この日、その時と同じように運転代行で帰った。何もかもあの日と同じ。
「餃子番長」の会計時に、みかんを貰った。
不思議だ。何故にみかん?餃子も食べなければ、もつもいただかなかった。茶碗蒸しに始まり、みかんで終わる。
まさにバトルロワイヤル。気持ちよく飲めた。
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