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居酒屋放浪記NO.0017 ~鬼門を吹き飛ばす、今日も大漁、終電前~「大漁」(江東区東陽)

2005-05-09 22:53:38 | 居酒屋さすらい ◆東京都内
  東西線東陽町駅界隈には苦い思い出ばかり思い浮かぶ。
  東西線の東方面最終電車の東陽町駅止まりに乗ると、そこから先はタクシーで帰らなければならない。若い時分には、そんな金なんか持っていないから、ちょっと自転車を失敬して、南砂警察署に連行されたことがある。実はその3日後に、またも同じ失敗をして西船橋行き最終に乗れず、今度は東陽町から浦安の自宅まで歩いて帰った。家に着いたのは4時を回った頃、浦安橋を渡ったときは既に東の空が白くなっていた。
  そういえば、こんなこともあった。
  以前に勤めていた出版社の社内教育の一環で自己啓発セミナーの類のものに行かされた。
  2日間のうちの1日目が終わって帰宅するのだが、帰る道中は絶対誰とも喋らないように、と言われ、ホントはそんな禁など破ってやろうと思ったんだけど、周りは知らない人だらけで、とぼとぼやるせない気持ちで家路についた。
  この永代通りを歩いているとそんなことをついつい思い出してしまうのだ。やっぱり、歳をとったのだろう。

  初めて飲む友とのお店選びはとても重要だ。
  くだらない記憶を思い出しながら、永代通りを歩いていると「大漁」という名の居酒屋を見つけた。辛気臭い思い出を吹っ飛ばすような景気のいい店名。白木の引き戸の向こうを覗く。少し入りづらそうな店構えだ。
  お客はけっこう入っている。そんなに値段が高そうな雰囲気でもない。しかし、わたしと友が入店への一歩をなかなか踏み出せずにいると中から割烹着を着た女将らしき人が「どうぞ」と声をかけてくれた。いやいやこの一言が救われる。

  中に入ると右手に広い厨房があり、それを囲むようにL字型にカウンター。左手にはテーブルが4卓。突き当たりの面はちょっとした小あがりになっている。
  厨房は活気があって、とてもいい雰囲気。早い時間からお客がよく入っているのもよく分かる。
  カウンターに陣取った。白木のこぎれいなカウンターは奥行きがあってゆったりしている。なかなか居心地がいい。厨房との仕切りには大皿にいろいろな料理が盛られている。揚げた川海老、里芋の煮付けなどなど。どれもみなうまそうだ。

  とりあえず、ビールを頼んだ。
  初めて飲む友との最初の一杯は生ビールしかない。これから長い付き合いになる友ならば尚更だ。たとえ30年後に飲んだときにも生ビールで乾杯すればきっと初めて乾杯したときの記憶が甦ってくる。きっと。

  つまみには、メザシを頼んだ。枝豆でもなく、茶豆でもなく、なぜかメザシ。しかし、このメザシが、ぷっくりとして、こんがり焼けていてなかなかいけるのである。ご飯3杯はかるくいけそうな、そんなメザシだ。

  今日のお勧めメニューに「春野菜のてんぷら」と品書きに書いてある。
  うんうん。これいってみよー。ウド、タラの芽、よく知らない葉っぱなどなどカラリと揚がった春野菜が薄いコロモに包まれて運ばれてきた。
  やっぱり熱々がうまい!そしてこの苦味。たまんないっス。

  気がつけば、店内はお客さんで一杯になった。カウンター席も全て塞がっている。
  そりゃ、そうだろう。活気があって、料理もうまければ流行らないわけがない。
  初めて飲む友とこんな店を偶然見つけた。実に幸先がよい。

  こうして、この後酎杯をたんまりと飲み、ズブズブと酩酊の淵へと追いやられていくわけなのだが、帰りの電車はちゃんと西船橋行き終電には間に合ったようである。

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1 コメント

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Unknown (今P)
2005-05-12 23:37:55
飲み始めて十数分、左のあいてる席に、女性のお客さんが来て「すいませーん、つめてもらって良いですかー?」といわれ右に詰め、その後、右側に一人で来店のおじさんの為に左に詰め(!)さらに、先の左のお客さんの左(!?)に来られたお客さんのために、さらに右に詰め・・・そーんな活気溢れる名(迷)店でした!!

また、行きたいですね!
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