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「今ね、持ち込みダメね」。
飲み物の持ち込みがOKという情報は聞いていた。しかし、「本当かよ」という半信半疑な気持ちも燻っていた。一応、確認のつもりでお店に電話してみたのだった。
すると上記の通り、東南アジアの方の独特のイントネーションで返答されたのだった。
ただでさえ、タイ料理は高い。そして、その高価な要因とは飲み物代が異様に高いからである。
以前、当欄でタイ料理屋におけるシンハービールの高額さを指摘したことがある。どこのお店でも大抵小瓶で600円くらい。2人でいけば3~4本は飲むから、飲み物だけで2000円はかかる計算になる。だから結果的にタイ料理は高くつくことになるのだ。
だが、飲み物がもし無料だったなら。
お金の心配をしないで好きなだけ飲みながらうまい料理を味わえることになる。こんな素敵なことはない。
ボクは最近ハマりはじめたキリンのチューハイ「氷結」の早摘みレモンを5~6本買いこんで、これまた最近お気にのチルドビール、キリン「ゴールデンホップ」を数本持ち込むゾ、とある程度の計算をしていた。
だが、その淡い夢もくだんの電話で脆くも崩れさったのだ。
それで怯むわけにも行かない。
飲み物の持ち込みはできなくても、それはほとんどのお店では当たり前のことである。都内にあれば、いつでも行けるが、家の近所のお店は「行こう!」と思い立たなければ、なかなか行けるもんじゃない。そう思い、仕事を終わらせ、店へと向かったのだった。
東西線の行徳駅で妻と待ち合わせをし、お店へと向かう。
そういえば、今年3年目を迎えた当ブログでは初めて千葉県のお店が登場する。千葉県民でありながら、ここ2年あまり、地元で酒を飲んでいなかったことに気づいた。
行徳はタイ人の多い町だ。実際のところタイ人かは分からないが東南アジアの女性をよくみかける。タイ料理屋も多いし、福栄という町にはタイのスーパーも存在する。だから、多分、町ですれ違う異国の人はタイ人なのだろう。
行徳駅から徒歩10分足らず、住宅地の一角にお店は忽然と現れる。以前、この近辺を妻と散歩していて、偶然見つけたお店が、「タイレストラン K」だ。
ドアを開けると眼前に、タイ人と思しきおばさんが座っている。恐らく、あの方がこのお店のママ、ケイさんなのだろう。
店名が人の名前から由来されていることは、昼間の電話で知った。
店名も言わずに出た女性に店名を確認する意味で「Kさんですか」とボクが尋ねたところ、女性は「ママは今いないよ」と言ったのだ。
つまり、ママの名前はケイさんなのである。
お店に入るとお客は一人もいなかった。
こういったこじんまりとしたお店で客が自分ら以外にいないという状況はかなり厳しいことが予想される。
一番不安なのが「気まずさ」だ。
シーンと静まり返った店内で、リラックスできず、ひそひそと声を小さくしながら妻と喋らなければいけない、といった状況はこれまで何度も経験してきたことだ。
特に、タイ料理屋やインド料理屋にこうしたシチュエーションが多く見られ、居心地の悪さに辟易することがしばしば。ちなみに行徳駅前にある「リトルバンコク」もそんな雰囲気に支配されたお店だった。
だが、その心配も杞憂だった。ケイさんはタイでそうあるように、お客がいようと大きな声で従業員と喋り続けているし、テレビは大きな音量で「天才!志村動物園」(日テレ)を流している。しかし、ケイさんのお喋りは留まる事を知らなかった。とにかく、機関銃のように延々と、その喋りは続くのだった。
さて、テーブル席についたボクらはまずビールを注文。タイのナンバーワンビール、「シンハー」を避け「ビアチャン」をオーダーした。ちなみに値段は1本500円だ。
ボクはどうも「シンハー」が好きになれない。かなりドライな味で、喉越しもあまりよくない。では、象のマークでお馴染みの「ビアチャン」が喉越しいいか、といえば、そうでもない。だが、現地で飲めばやはりうまい。ビールは絶対現地のものを飲むべきだ。
ビールで乾杯した我々は例によって最初に春雨と海老のサラダ「ヤムウンセン」とタイ風さつま揚げ「トオートマンプラー」を注文する。やはり、これがそのお店の力量を表す定番のメニューだろう。
素っ気無いお皿に盛り合わせられた、それらがやがて運ばれてきた。「トオートマンプラー」はすっごいうまい!今まで食べたところでは文句なしナンバーワンだ。ナンプラーの香りが口いっぱいに広がっていく。
あぁ、何てうまいんだろう!いっそのことタイ人になりたい!
しかし、一方で「ヤムウンセン」には少しがっかりした。
いまいち、辛くないのだ。
もっと、辛く!そしてもっと春雨にボリュームが欲しかった。
このお店の料理人はカンボジア国境近くの田舎の方と直感した。何故なら「ヤムウンセン」には落花生が混じっていたからだ。まさか、千葉県だからといって落花生が入っていたわけではあるまい。ケイさんはタイの東部、或いはイサーン近辺の出自ではないかと思う。
締めはグリーンカレーガイ(鶏)。
ココナッツミルクの香りが脳味噌まで刺激する。やはり、カレーに勝るものなし。とにかく、うまい!そして筍の絶妙な調和。スコータイで食べた、アノ時の感動が甦ってくる。カレーはやはりタイ米でなくてはいけない。ジャポニカ米では、このうまさは的確に伝わらないだろう。
「アロイマーク」。
思わず会計の段になってケイさんに話しかけた。
だって、それだけホントにうまかったのだから。
「コープクンカッ」。
ケイさんも、笑顔で応えてくれた。
飲み物の持ち込みがOKという情報は聞いていた。しかし、「本当かよ」という半信半疑な気持ちも燻っていた。一応、確認のつもりでお店に電話してみたのだった。
すると上記の通り、東南アジアの方の独特のイントネーションで返答されたのだった。
ただでさえ、タイ料理は高い。そして、その高価な要因とは飲み物代が異様に高いからである。
以前、当欄でタイ料理屋におけるシンハービールの高額さを指摘したことがある。どこのお店でも大抵小瓶で600円くらい。2人でいけば3~4本は飲むから、飲み物だけで2000円はかかる計算になる。だから結果的にタイ料理は高くつくことになるのだ。
だが、飲み物がもし無料だったなら。
お金の心配をしないで好きなだけ飲みながらうまい料理を味わえることになる。こんな素敵なことはない。
ボクは最近ハマりはじめたキリンのチューハイ「氷結」の早摘みレモンを5~6本買いこんで、これまた最近お気にのチルドビール、キリン「ゴールデンホップ」を数本持ち込むゾ、とある程度の計算をしていた。
だが、その淡い夢もくだんの電話で脆くも崩れさったのだ。
それで怯むわけにも行かない。
飲み物の持ち込みはできなくても、それはほとんどのお店では当たり前のことである。都内にあれば、いつでも行けるが、家の近所のお店は「行こう!」と思い立たなければ、なかなか行けるもんじゃない。そう思い、仕事を終わらせ、店へと向かったのだった。
東西線の行徳駅で妻と待ち合わせをし、お店へと向かう。
そういえば、今年3年目を迎えた当ブログでは初めて千葉県のお店が登場する。千葉県民でありながら、ここ2年あまり、地元で酒を飲んでいなかったことに気づいた。
行徳はタイ人の多い町だ。実際のところタイ人かは分からないが東南アジアの女性をよくみかける。タイ料理屋も多いし、福栄という町にはタイのスーパーも存在する。だから、多分、町ですれ違う異国の人はタイ人なのだろう。
行徳駅から徒歩10分足らず、住宅地の一角にお店は忽然と現れる。以前、この近辺を妻と散歩していて、偶然見つけたお店が、「タイレストラン K」だ。
ドアを開けると眼前に、タイ人と思しきおばさんが座っている。恐らく、あの方がこのお店のママ、ケイさんなのだろう。
店名が人の名前から由来されていることは、昼間の電話で知った。
店名も言わずに出た女性に店名を確認する意味で「Kさんですか」とボクが尋ねたところ、女性は「ママは今いないよ」と言ったのだ。
つまり、ママの名前はケイさんなのである。
お店に入るとお客は一人もいなかった。
こういったこじんまりとしたお店で客が自分ら以外にいないという状況はかなり厳しいことが予想される。
一番不安なのが「気まずさ」だ。
シーンと静まり返った店内で、リラックスできず、ひそひそと声を小さくしながら妻と喋らなければいけない、といった状況はこれまで何度も経験してきたことだ。
特に、タイ料理屋やインド料理屋にこうしたシチュエーションが多く見られ、居心地の悪さに辟易することがしばしば。ちなみに行徳駅前にある「リトルバンコク」もそんな雰囲気に支配されたお店だった。
だが、その心配も杞憂だった。ケイさんはタイでそうあるように、お客がいようと大きな声で従業員と喋り続けているし、テレビは大きな音量で「天才!志村動物園」(日テレ)を流している。しかし、ケイさんのお喋りは留まる事を知らなかった。とにかく、機関銃のように延々と、その喋りは続くのだった。
さて、テーブル席についたボクらはまずビールを注文。タイのナンバーワンビール、「シンハー」を避け「ビアチャン」をオーダーした。ちなみに値段は1本500円だ。
ボクはどうも「シンハー」が好きになれない。かなりドライな味で、喉越しもあまりよくない。では、象のマークでお馴染みの「ビアチャン」が喉越しいいか、といえば、そうでもない。だが、現地で飲めばやはりうまい。ビールは絶対現地のものを飲むべきだ。
ビールで乾杯した我々は例によって最初に春雨と海老のサラダ「ヤムウンセン」とタイ風さつま揚げ「トオートマンプラー」を注文する。やはり、これがそのお店の力量を表す定番のメニューだろう。
素っ気無いお皿に盛り合わせられた、それらがやがて運ばれてきた。「トオートマンプラー」はすっごいうまい!今まで食べたところでは文句なしナンバーワンだ。ナンプラーの香りが口いっぱいに広がっていく。
あぁ、何てうまいんだろう!いっそのことタイ人になりたい!
しかし、一方で「ヤムウンセン」には少しがっかりした。
いまいち、辛くないのだ。
もっと、辛く!そしてもっと春雨にボリュームが欲しかった。
このお店の料理人はカンボジア国境近くの田舎の方と直感した。何故なら「ヤムウンセン」には落花生が混じっていたからだ。まさか、千葉県だからといって落花生が入っていたわけではあるまい。ケイさんはタイの東部、或いはイサーン近辺の出自ではないかと思う。
締めはグリーンカレーガイ(鶏)。
ココナッツミルクの香りが脳味噌まで刺激する。やはり、カレーに勝るものなし。とにかく、うまい!そして筍の絶妙な調和。スコータイで食べた、アノ時の感動が甦ってくる。カレーはやはりタイ米でなくてはいけない。ジャポニカ米では、このうまさは的確に伝わらないだろう。
「アロイマーク」。
思わず会計の段になってケイさんに話しかけた。
だって、それだけホントにうまかったのだから。
「コープクンカッ」。
ケイさんも、笑顔で応えてくれた。
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