昼間はコートが必要ないくらいに暖かかった静岡市内も浜松市に移動した晩にはさすがに冷え込む。
まさか、浜松が寒いというわけでもなかろう。やはり静岡県ともいえども、冬は寒いってことだ。
『商売がうまくいって「家5軒」と「ロールスロイス」を所有する』などといった景気のいいサクセスストーリーとどうも酒は合わない。ここはちょっと巷へ繰り出して呑みなおさなければ、どうにも安眠すら覚束なさそうだ。
そう思って元同僚のY木ちゃんを誘い、ホテルを後にしたのだった。
とにかく、駅の方へ行けばなんとかなるさ。
ホテルのベルボーイに聞いた道順に沿って歩いてみるのだが、辺りは薄暗いままでお店もまばら。ほとんど人の気配もなく、寂しさ夥しい。暫く適当に歩いてみると、やがて繁華な一角に出くわした。
危険な香りはない、ごく普通の飲み屋街。だが、やはりそれほど賑わってもいないのは、世界に誇る日本のモノ作りは、まだ回復半ばなのか、などと思いつつ、一軒の居酒屋の前で我々は足を止めた。
「レセプションでビールをいっぱい飲んだし、少し寝酒を飲む程度なら、それほど店の品定めをしなくても」といきあたりばったりで店をチョイス。
それが、「喜久盛」(「喜久盛」の「喜ぶ」という字、ホントは旧字体で書かれてあるのだが、七が3つ並んでいる漢字。フォントがないので正字体で失礼します)だった。
ガラリと戸を開けると、男の野太い声で威勢よく「いらっしゃい」と声がかかる。
3人の職人がまるで握りの鮨屋よろしく保冷庫の前でてぐすねひいて待っている。
「うっ、気軽な居酒屋じゃないのか?」と一瞬俺は躊躇した。
店の構えは高級ではない。カウンターの真ん中あたりで飲んでいる2人組のおっさんは労働者風だ。コップ酒をちびちび飲りながら、あたりめのようなものを一生懸命噛み千切っている。
だが、どうにもカウンター向こうに構えている魚などが入った保冷庫兼ショーケースを見てしまうと、「高いお店に入っちゃった」と思い、ドキドキしてきてしまうのだ。
我々は入り口手前のカウンターに腰掛けた。
カウンターの背後はすぐに小あがりになっていて数人の酔客が思いおもいに酒を煽っている。
「はいっ、何にしやしょう」
さすが、職人。絵に描いたような挨拶を配る。
ビールはたった今さんざん飲んできた。
ここはちと硬派なお店に合わせて熱燗などで、期待に応えてみるか。
熱燗2合。
だが、猪口はなぜかガラスのもの。
しかし、Y木ちゃんと2人でまさか浜松の居酒屋で飲むなんて意外やね。
などと思いながら熱燗をくいっと煽る。
う~、醸造酒の味と香りが鼻を抜けていく。
どんな安酒だろうが、寒い冬の夜は熱燗が一番いい。
やはり、Y木ちゃんも、やはり猪口をくいっといく。
そこで、鼻メガネのやや人の好さそうな職人は次に酒肴を聞きにくる。
「浜松らしい食べ物を」と俺。
「浜松といえば魚でしょう」
う~む、魚はやや重い。できれば、黒いはんぺんとかないのか、と思いながら、思案していると、「寒ブリなどどうでしょう」
と薦めてくる。
ん?寒ブリかぁ。そりゃぁいい。まさに旬。まさに熱燗の友。
そういえば、つい先ほど金沢の御仁から、うまい寒ブリ情報を聞いたっけ。きっと頭の中に寒ブリが植えつけられたな、こりゃ。
そうして運ばれてきた寒ブリの刺身はホントよく脂がのって、いい色している。口に運ぶとやっぱ旨い!
熱燗と寒ブリ。文字に起こすと「熱」と「寒」が同居する。一見相反する両者だが、実は頗る相性はいい。
猪口をちびちび飲りなから、いとおしくブリをつまむ。
Y木ちゃんとは、なかなか最近会えないから、こうして近況を聞くのもたまにはいい。
酒が空になって時間を見るともう23時。
まだ、名残惜しいが、お互い明日は早い。
ここは引き揚げるとしよう。
お会計をすると「3400円」という会計。
その場ではとくに何とも思わなかったが、ホテルに帰って考えてみるとやけに高いような気がする。
だって、俺たち頼んだのって熱燗とウーロンハイ、そして寒ブリだけだよ。
席料ってそんな高いか?
まさか、浜松が寒いというわけでもなかろう。やはり静岡県ともいえども、冬は寒いってことだ。
『商売がうまくいって「家5軒」と「ロールスロイス」を所有する』などといった景気のいいサクセスストーリーとどうも酒は合わない。ここはちょっと巷へ繰り出して呑みなおさなければ、どうにも安眠すら覚束なさそうだ。
そう思って元同僚のY木ちゃんを誘い、ホテルを後にしたのだった。
とにかく、駅の方へ行けばなんとかなるさ。
ホテルのベルボーイに聞いた道順に沿って歩いてみるのだが、辺りは薄暗いままでお店もまばら。ほとんど人の気配もなく、寂しさ夥しい。暫く適当に歩いてみると、やがて繁華な一角に出くわした。
危険な香りはない、ごく普通の飲み屋街。だが、やはりそれほど賑わってもいないのは、世界に誇る日本のモノ作りは、まだ回復半ばなのか、などと思いつつ、一軒の居酒屋の前で我々は足を止めた。
「レセプションでビールをいっぱい飲んだし、少し寝酒を飲む程度なら、それほど店の品定めをしなくても」といきあたりばったりで店をチョイス。
それが、「喜久盛」(「喜久盛」の「喜ぶ」という字、ホントは旧字体で書かれてあるのだが、七が3つ並んでいる漢字。フォントがないので正字体で失礼します)だった。
ガラリと戸を開けると、男の野太い声で威勢よく「いらっしゃい」と声がかかる。
3人の職人がまるで握りの鮨屋よろしく保冷庫の前でてぐすねひいて待っている。
「うっ、気軽な居酒屋じゃないのか?」と一瞬俺は躊躇した。
店の構えは高級ではない。カウンターの真ん中あたりで飲んでいる2人組のおっさんは労働者風だ。コップ酒をちびちび飲りながら、あたりめのようなものを一生懸命噛み千切っている。
だが、どうにもカウンター向こうに構えている魚などが入った保冷庫兼ショーケースを見てしまうと、「高いお店に入っちゃった」と思い、ドキドキしてきてしまうのだ。
我々は入り口手前のカウンターに腰掛けた。
カウンターの背後はすぐに小あがりになっていて数人の酔客が思いおもいに酒を煽っている。
「はいっ、何にしやしょう」
さすが、職人。絵に描いたような挨拶を配る。
ビールはたった今さんざん飲んできた。
ここはちと硬派なお店に合わせて熱燗などで、期待に応えてみるか。
熱燗2合。
だが、猪口はなぜかガラスのもの。
しかし、Y木ちゃんと2人でまさか浜松の居酒屋で飲むなんて意外やね。
などと思いながら熱燗をくいっと煽る。
う~、醸造酒の味と香りが鼻を抜けていく。
どんな安酒だろうが、寒い冬の夜は熱燗が一番いい。
やはり、Y木ちゃんも、やはり猪口をくいっといく。
そこで、鼻メガネのやや人の好さそうな職人は次に酒肴を聞きにくる。
「浜松らしい食べ物を」と俺。
「浜松といえば魚でしょう」
う~む、魚はやや重い。できれば、黒いはんぺんとかないのか、と思いながら、思案していると、「寒ブリなどどうでしょう」
と薦めてくる。
ん?寒ブリかぁ。そりゃぁいい。まさに旬。まさに熱燗の友。
そういえば、つい先ほど金沢の御仁から、うまい寒ブリ情報を聞いたっけ。きっと頭の中に寒ブリが植えつけられたな、こりゃ。
そうして運ばれてきた寒ブリの刺身はホントよく脂がのって、いい色している。口に運ぶとやっぱ旨い!
熱燗と寒ブリ。文字に起こすと「熱」と「寒」が同居する。一見相反する両者だが、実は頗る相性はいい。
猪口をちびちび飲りなから、いとおしくブリをつまむ。
Y木ちゃんとは、なかなか最近会えないから、こうして近況を聞くのもたまにはいい。
酒が空になって時間を見るともう23時。
まだ、名残惜しいが、お互い明日は早い。
ここは引き揚げるとしよう。
お会計をすると「3400円」という会計。
その場ではとくに何とも思わなかったが、ホテルに帰って考えてみるとやけに高いような気がする。
だって、俺たち頼んだのって熱燗とウーロンハイ、そして寒ブリだけだよ。
席料ってそんな高いか?
3400円は二人で? それとも一人あたり?
千歳船橋時代のお気に入り居酒屋はお通しが3品出て来たけど席料800円でしたよ~
開催:3月7日(火)
場所:京橋
です。
とりあえず、銀座線、都営浅草線の京橋駅で下車してください。
待ち合わせ場所、お店情報はまた追って連絡します。
皆様、是非ご参加を!
Y木ちゃんも来る?
・・・と思ったら、別の飲み会が入っておりました(涙)。
って、やっぱり「飲み」なんですが・・・。
って、わたくし、全然「まき子の酒」にとんとお邪魔していなくて・・・・。
しかし、しっかり当ブログにはご訪問頂いていて、感謝です!
しかも、ホピ研のチェックも怠りなく。いつもありがとうございます。
「別の飲み会」入っちゃってますか。
ていうか、まき子さんの場合、飲み会ない日を探すほうが実は大変だったりして。。。。。
次回は「まき子さん招致委員会」発足です。