お風呂放浪記 42 「バーデと天然温泉 豊島園 庭の湯」（練馬区向山）

蝉時雨が緑の木々の間をすり抜け、心の中に染み入るようだ。
透き通るような葉のざわめき。
23区にもこのような風景があったのだしみじみと思う。
空は広く、森閑な空気がこのリラクセーションルームにも伝わってくる。

比べることは好きではないが、ここ「庭の湯」は断然「ラクーア」より勝っている。
何よりも広い。だから、リラックス度が高い。
このリラクセーションルームの広さが何よりそれを物語っている。
そして、この自然を生かした設計。
散歩できるという中庭。
中庭は緑が深く、ただの飾りとは違う。だから、温泉ばかりでなく森林浴の要素も強い。
やはり、この中庭がリラックス度を存分に高めている。

久しぶりに豊島園駅に降りた。
19歳、学校の運動会で豊島園に来て以来だから、もう22年ぶり。
駅のプラットホームがこんな広いものだったかと記憶を辿った。
メリーゴーランドが立派な由緒正しき遊園地。そこに天然温泉が出来たという噂はかねがね聞いていた。

やはり「庭の湯」は「ラクーア」の全てを凌駕していた。
お湯の色は茶褐色で「ラクーア」のそれとあまり変わらないが、心なし湯量は「庭の湯」の方がふんだんに見える。いずれにしても加温や加水はしているのだろうが、緑豊富な庭に面した湯船にこんこんと流れる湯量を見ているとそう感じずにはいられない。

湯上りに着用するムームーも「庭の湯」のほうが良かった。
サッカーのトレーニングウェア風だから館内を歩いていても恥ずかしくはなかった。

讀賣VS西武は西武に軍配。
後楽園と豊島園を比べてもやはり西武に軍配はあがる。
この勝負、西武の圧勝。