「岐阜屋」を出て、N屋さんは、「もう一軒!」と言った。強いな、N屋さん。けれど、自分はもうヘロヘロだった。だから、N屋さんに、「今夜はもうおしまいにしましょう」と言って、新宿西口にて別れた。
けれど十条に着く頃、なんだかもう一軒寄りたい気分になってきた。東十条まで歩いたとこで、あぁワインでも飲んで帰るかと思い立ち、「vivo dairy stand」に行ってみた。
時刻は19時20分。まだ夜の帳が降りたばかりの頃合いだったが、お客さんは誰もいなかった。スタンディングエリアに立つとお店のだいごろうさんが優しく迎えてくれた。今回でまだたったの2回目の訪問なのに覚えていてくれたのだ。ただただ、それが嬉しい。
今回は「サングリア」(500円)をいただくことに。その「サングリア」が準備された頃、ひとりのお客さんが入ってきた。自分よりも随分年上の常連さんらしい。見た感じとしては既に現役を退いているように見える。
「これ、お土産」。
といってテーブルの上に置かれたのが、鯛焼きだった。どうやら東十条商店街で買ってきたらしい。そして見ず知らずの自分にも鯛焼き一尾をお裾分けしてくれたのである。
「鯛焼きとワインはよく合う!」らしい。
「サングリア」は厳密なワインではないけれど、折角だからいただいてみるか。鯛焼きにかぶりつき、そして「サングリア」をごくりといった。うむむ、予想通り甘い。思ったほど悪くはなかったが、とびきりうまいという訳ではない。けれどお裾分けいただいた以上、悪く言う事はできない。
「うまいですねー」。
なるべく快活に言った。すると男性は「でしょう?」と満足そうに言葉を返した。これでよかったとは思えないが、まぁ仕方がないとも思う。
男性は昨夜のことを話し始めた。
「キャバクラに行ってさ」。
多分、自営業者さんなのかな。しかもかなり儲かっている。昨夜のキャバクラはかなり楽しかったらしい。言葉も弾む。そういえば、N屋さんも言ってた。「ガールズバーをはしごした」と。自分の話術が落ちないようにというのが、「ガールズバー」」に通う理由らしい。N屋さんは大学校で講師をしているが、話術は別にガールズバーでなくとも分析できるような気がする。むしろ、ガールズバーは愛想で笑ってくれるだろうから参考にならないのでは。
「サングリア」を2杯飲んで、おいとました。この日は昼からいろいろ飲んだな。
ケーキにシャンパンが合うんだから合うに決まってる、そうです。やったことないんだけど・・・・。
それもすごいね。
実はあんこって、まだまだ知られていないポテンシャルがあるのかも。
今度やってみようかな。
で、どら焼きはやっぱり上野の「うさぎや」で決まり!
正確には「キリンの淡麗」が合うそうです。
やってみて~!
お店の人は渋い顔をしてた。そうりゃそうだよね。
あんこはお腹いっぱいになるから、つまみが売れなくなる。
Volare oh oh, Cantare oh oh oh oh!
そのお客さん、「好評だったからまた買ってきたよ~」って言いそうだな。
常連客でも飲食店への差し入れは難しいよね。
差し入れはちょっと抵抗がありますね。自分も常連になったらやらなきゃならないような気になるし。
お客の自己満足のような気もするし。
むしろ来ない方がいいなぁ。知らない人にお礼言いたくないよ。
本当に差し入れならこっそりでしょー。
結局、見栄なんだと思う。
食べたいものは自分で頼むさー。
それはあるね。自分もそういう経験ある。
お店側の姿勢が分かるね。