緊急事態宣言が解除される前の話し。
とある平日の朝11時15分。つまり、「まるます家」の開店直後、入店した。お店はある程度、混んでいると予想していたが、全くの逆。いつもは満席のカウンターもお客は5,6人のみ。これが、「まるます家」の現状か、とおおいに驚いた。
消毒、検温、カウンターの衝立、あらゆるコロナ対策が講じられているのはさすが。そのガラガラのカウンターに腰掛け、「ジャン酎」、「モヒート」をオーダー。一月前ほど、秦野で飲んだ「ジャン酎」は、カットレモンしかなく、おおいに興醒めしたものだが、今日は待望の「モヒート」が頂ける。
つまみはお馴染み「たぬき豆腐」。つい、反射的に、これを頼んでしまう。「フライドポテト」か一瞬悩むのだが、やはり「たぬき豆腐」に落ち着く。
うまい、とにかくうまい。この変わらぬ味にホッとする。
入口向かって右側のコの字は、いつも見かけるお姉さんだったが、お昼が近づくにつれ、お客が少しずつ増えていくと左側のカウンターに移動していった。代わりに入ったお姉さんもよく見かける人だが、あまり関わったことがなかった。ぽっちゃりとした可愛い店員さんで、よく目立つ。感心したのは、「丸ます家」としては優しさ溢れる店員さんだということ。言葉遣いに愛を感じるのだ。
会計したお客に、「気をつけて帰ってね」と一言加える。運んできた料理に「熱いからね」と添える。しかも、その声は慈愛に溢れているのだ。これはちょっとグッときちゃうな。
さて、「ジャン酎」をちびちび飲りながら、次の展開を考える。
「若鶏の唐揚げ」は何回か頼んだが、金額の割には小さくてがっかりしたことがある。「里芋に唐揚げ」は無難だが、食べたい気分ではないし。やっぱり、ガツンとくるパンチのあるものがいいとなれば、「メンチカツ」しかない。そう思っていたら、カウンターで対面するオヤジに先を越された。その時、「こっちも」と言えば丸く収まったのだが、つい「なにを!」と思って、別の選択肢を模索した。けれど、結局何もなく、白旗をあげながら、お姉さんに、「こっちも『メンチカツ』で」とオーダーした。
「まるます家」の「メンチカツ」は巨大だ。よくもこのメンチは中まで火を通し、衣は一切焦げずにカラッと揚げられるなといつも思ってしまう。しかも、サルサソースがついており、味変が可能。「まるます家」に来たら外せない一品だ。
やがて、その「メンチカツ」が運ばれてきて、ワクワク感は頂点に。やはり巨大だ。衣はサクサク、中は熱々。最高だ。
やがて、隣の御人にトラブルが生じた。歳はもう60代くらいのおっさんで、「酎ハイ」やら、なんやらコンスタントにオーダーしていた。すると今度はワインを「グラスで」とオーダー。だが、可愛い店員さん、ワインはグラスはなく、ボトルになると伝える。けれど、既にこのおっさん、もう酒飲み過ぎていた。そこで店員さんは「もう出せませんよ」となった。するとおっさんはややキレ気味になり、「ワインを出せ」となったのだ。結局、ベテランのおばちゃんが対応に現れ、事態は収拾に向かったが、自分はなんだか落ち着かない気分になった。幸い、「ジャン酎」も残り少なくなっていて、しばらくして席を立った。
正午を過ぎた店内は少し賑やかになったが、それでもまだキャパの半分くらい。仙台の「源氏」が静の酒場なら、「まるます家」は動のそれ。いつか、またあの盛況な店内に戻る日が来るのか。「まるます家」はやはりあの活気こそが最高の肴だと思う。
こりゃまた、私の定番メニューですな(笑)
次の機会には、是非ぜひ一緒に行きましょうね。
それを楽しみに、残り少なくなった今の仕事をしっかりとこなしていこうと思います。
鯉の洗い、大好きなんですよ。
こんにちは。
自分もこのメニューが定番となりました。みーさんの場合、「兜焼き」は必須ではないでしょうか。
今月も残りあと僅か。みーさんの心中、お察しします。
ジャンさん。
柴又の「川甚」が閉業される際、江戸時代から続いてきた伝統的な鯉の締め方が途絶えてしまうのではと危惧されています。
「まるます家」で、どのように鯉の洗いを料理しているのかは分かりませんが、都内で鯉の洗いを出す珍しいお店になりつつあるのではと思っています。
今年中に行きましょう!