「うどん」に比べればメジャーではない。
当然だ。
そば本来の香りや喉越しがカレーというあくの強いソースにかき消されてしまうのはそばの本分とするところではない。
カレーの立場からみても、決していいパートナーとはいえない。重量のあるカレーソースに負けてしまう繊細なそばである。味わい的にもルックス的にも相容れない両者なのだ。けれど、時々その掟破りのメニューを掲げるそば屋を見かける。そのミスマッチなメニューにも需要があるらしい。
「富士そば」の「カレーそば」(440円)。
「富士そば」のカレーソースは、高い確率でレトルト。けれどもそのチープなカレーソースに、「富士そば」のそばがよく合ったりする。
挽きぐるみに近いそばの芳香はカレーソースの香りのやや奥に、別の層となってユニゾンし、鼻孔に流れていく。
しかも、香りの強い出汁との融合が秀逸。そば屋のカレーが一目置かれるのは、この和出汁の旨さに他ならないが、そばを飲み込んだ後、とにかくカツオの旨味が鼻に抜けていく。
それがたまらなくうまいのだ。
ある意味ジャンク。だから、多分好きなんだろうな。「富士そば」の「カレーそば」。
それはそうと、電気街口にある「富士そば」、外国人のお客さんがやけに多くなった。路麺も、インバウンドの時代なのだ。
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