![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/9b/d21fc8689e9ab54dcb0cfae97ed3dae4.jpg)
実は奈良出張では酒場に行く前に、偶然にも銭湯を見つけた。黄昏迫る、夕暮れの町に、ちょっとレトロな銭湯。
「敷島温泉」だって。
え?銭湯なのに温泉なんだ。地方に行くと時々あるんだ。銭湯なのに温泉が。
散歩の途中だから、タオルなんて持ってない。中で買えばいいやと入ってみると、タオルは無料で貸してくれるという。このサービスは嬉しい。
440円を支払って浴場へ。あ、石鹸も一つください。
浴場のレイアウトが、まさに関西のそれ。楕円形のメインバスが、デーンと浴場センターに横たわる。不思議な造りだ。カランの通路を削ってでも、このメインバスを優先させるのか。
そういえば、銭湯の暖簾をくぐってから、一際時間の流れが遅くなったような気がする。まるで、なんだかタイムマシンのように時間が逆行するかのように、子どもの頃の懐かしい光に包まれているようだ。
お風呂に入ることはただ体を清潔にするだけに非ず。懐かしさを感じながら、ゆっくりと湯船に浸かる極上の時間。全ての疲れが一瞬で、溶けてしまいそうだ。
これが大和時間か。
古きよき、時代の優しい時間が、浴場内に流れている。
風呂から出て、脱衣所に戻ると、扇風機が音を立てて、空気を回している。その風すら、ここでは優しい。ぽつんとひとりかわいいおばあさんが椅子に座っていた。軽い会釈をするとおばあさんもにっこり笑顔で応えた。
大女将なのだろう。直感的にそう思った。毎日、ここに座るのが日課になっているのかな。創業70年。ずっと、この銭湯の火を灯し続けてきたのだ。おばあさんの笑顔で、また一つ元気を貰った。もしかすると、この銭湯に流れる大和時間は、このおばあさんの刻んできた時間の流れではなかったか。
画像がなくても、そこはイマジネーションで。その点、モノノフさんの想像力は素晴らしい。お察しの通り、木造でした。でも、木は剥き出しではなかったでよ。