桜木町駅の駅蕎麦、「川村屋」。
あえて、この場で説明するまでもない老舗の店。何てったって創業は1900年ジャストですから。19世紀ですよ。なんたって。当時は洋食屋だったとしても、老舗であることに変わりはない。
老舗といっても店舗は清潔でかなり広い。お客はひっきりなしに来店し、厨房の前にて列を作る。ベテランのお姉さんがたが馴れた手つきでささっと調理してくれるのだ。
その「川村屋」の名物は「鶏そば」。文字通り鶏肉がトッピングされた蕎麦である。
出汁つゆも、茹でおきの蕎麦も色はやや黒い。濃厚なかつおの香りが立ち込め、食欲を刺激する。一口手繰ると、つゆの実力がよく分かる。甘めのセッティングだが、極めて濃厚だ。しかも、鶏の油が滲みでて、かつお出汁に染み渡る。旨みが倍加している。
蕎麦のクオリティはそこそこだが、これを単体で評価してはいけない。やはり、出汁つゆとの相性が最適だ。濃い目のつゆには、野性味溢れる田舎そば風の蕎麦がぴったり合っている。果たしてそれは狙い通りなのか、偶然の産物なのか。
鉄道発祥の桜木町駅で、長年乗客の腹を満たしてきた「川村屋」。駅蕎麦が、NREに駆逐されつつある中、「川村屋」の存在は貴重であり、存在感はますます高まっている。
首都圏の駅蕎麦では外すことができない名店だ。
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