Photo日記 2013- 08-Aside

バンコクのルンピニ公園で見た風景を思い出した。
ボクは暑さとスモッグに逃れ、一人公園のベンチに座った。夕暮れの乳白色の空を眺めながら、タバコを吸っていると、どこからともなくしゃぼん玉が飛んでくる。それも一際大きく、鮮やかな虹色に反射している。
ゆらゆらと揺れながら、幾何学的な動きを刻み、微かに吹き抜ける風に乗っている。数秒するとパチンと壊れてしまうのだが、またどこからともなく飛んでくるのだった。
そこに手をつなぐ恋人たちが現れた。
はじめははしゃぎながらしゃぼん玉を眺めていた彼らだったが、どういうわけか突然、彼女が泣き出した。すると彼は何かを彼女の耳元に囁くと、そっと肩を抱き寄せて彼女にキスをした。彼女は泣くのをやめ、再びしゃぼん玉に見入った。
夕陽に浮かんだ恋人たちのシルエット。あのとき、彼がどういう言葉を彼女に囁いたのか、ボクは知らないけれど、たまらなく寂しくなって公園に逃れてきたボクは少しだけ幸せな気持ちになった。

目の前を行くしゃぼん玉もあの日と同じように大きい。
数秒の飛行の先にまたドラマを作っているのかとボクはまた思いを馳せてしまう。
ちょっとだけでいいから。
また幸せな気持ちになれたらなって。
そう思った。

撮影地：東京都台東区/上野公園
カメラ：Sony Ericsson IS12S（ケータイ）




まるみを帯びた悩ましさとグラマラスなリアビュー。
美しいとはいえないけど、そのフォルムは好きだ。
深く、もっと深く。
底なしの海に妖しく引きずりこまれても。
いい。
「しんかい6500」。

撮影地：東京都台東区/国立科学博物館
カメラ：Sony Ericsson IS12S（ケータイ）




被災地の取材から、わずか4か月。
かなしい杜の都の再訪となった。

「萩が咲き乱れる宮城野の空に浮かぶ満月」
満月ではないけれど。

撮影地/仙台市宮城野区
カメラ：Sony Ericsson IS12S（ケータイ）