妻がもし妊娠していなければ、この11月の終わりには貯まったマイレージを使い3年ぶりにバンコクへ行くはずだった。
その休暇は里帰り出産の病院手続きにとって変わり、全日空のタダ券もそれにあてがわれた。
子供ができたのは素直に嬉しい。早く産まれてこないかな、とすっごい楽しみにしている。でも、全日空機内で「翼の王国」12月号の特集「タイ≒ゾウ」を読んでいると、堪らなくバンコクに行きたくなってしまうのだった。
と、まぁそんなこともあり、バンコクへの恨めしい気持ちも捨てきれず、久々にタイ料理を食べに出かけたのだった。
お店は神保町。タイ料理の名店「メナムのほとり」。
いやぁ、この店に行くのは長年の念願だった。
思い起こせば、6年前のHanako(マガジンハウス)誌上でアジア料理特集が組まれて以来、このお店の名前が脳裏に焼きついて離れず、しかも今年、ファミリーマートのタイアップ企画で、このお店のトムヤムクンがレトルト食品で発売、食して来店への強い思いを再確認したのであった。
そして、いよいよ今日そのときが訪れたわけなのである。
神保町駅から僅か徒歩1分。お店に入ると、まだお客が一人もいない。まるで調度品のような大きな丸テーブルに案内され、腰掛ける。居心地は悪くない。
まず、我々夫婦お決まりのヤムウンセンとトオートマンプラー(タイ風さつま揚げ)を注文。そして、わたしにはビール。妻には烏龍茶だ。
もちろん、ビールは国産。以前にも書いたが、日本のタイ料理屋におけるシンハービールの法外な値段にはいつも閉口する。
料理が運ばれてきた頃、既にお店はだいぶお客が入っている。
まず、ヤムウンセン。
上品な味。むしろ上品すぎるくらい。そしてやっぱりこの店も辛味は足りない。
しかし、トオートマンプラーの味は秀逸。ホントうまかったっス。
お店は、善くも悪くも上品。上品すぎるくらい。まるで、辻仁成「サヨナライツカ」(幻冬舎文庫)に出てくる無味無臭のバンコクのようだ。
締めは、バンコクチャーハン。少し黒くおこげがついたチャーハンは味が濃い目。お皿の端にはお決まりの胡瓜が添えられている。
しかし、これのどこがバンコク風なのだ。
少なくとも、わたしが食べてきた屋台のチャーハンはこんな味が濃いものではなかった気がする。
しかし、味がまずいかといえば、そうではない。骨太で野性味溢れる味だ。ビールにもよくあう。だが、タイ料理初心者にはお奨めしない。これがバンコク風と勘違いする恐れがあるからだ。妻はしきりにこれがバンコク標準なのかと、聞いてきた。
わたしは、そう思わない。何故ならバンコク標準は屋台であって、「メナムのほとり」のように上品な味付けではないと思っている。
その休暇は里帰り出産の病院手続きにとって変わり、全日空のタダ券もそれにあてがわれた。
子供ができたのは素直に嬉しい。早く産まれてこないかな、とすっごい楽しみにしている。でも、全日空機内で「翼の王国」12月号の特集「タイ≒ゾウ」を読んでいると、堪らなくバンコクに行きたくなってしまうのだった。
と、まぁそんなこともあり、バンコクへの恨めしい気持ちも捨てきれず、久々にタイ料理を食べに出かけたのだった。
お店は神保町。タイ料理の名店「メナムのほとり」。
いやぁ、この店に行くのは長年の念願だった。
思い起こせば、6年前のHanako(マガジンハウス)誌上でアジア料理特集が組まれて以来、このお店の名前が脳裏に焼きついて離れず、しかも今年、ファミリーマートのタイアップ企画で、このお店のトムヤムクンがレトルト食品で発売、食して来店への強い思いを再確認したのであった。
そして、いよいよ今日そのときが訪れたわけなのである。
神保町駅から僅か徒歩1分。お店に入ると、まだお客が一人もいない。まるで調度品のような大きな丸テーブルに案内され、腰掛ける。居心地は悪くない。
まず、我々夫婦お決まりのヤムウンセンとトオートマンプラー(タイ風さつま揚げ)を注文。そして、わたしにはビール。妻には烏龍茶だ。
もちろん、ビールは国産。以前にも書いたが、日本のタイ料理屋におけるシンハービールの法外な値段にはいつも閉口する。
料理が運ばれてきた頃、既にお店はだいぶお客が入っている。
まず、ヤムウンセン。
上品な味。むしろ上品すぎるくらい。そしてやっぱりこの店も辛味は足りない。
しかし、トオートマンプラーの味は秀逸。ホントうまかったっス。
お店は、善くも悪くも上品。上品すぎるくらい。まるで、辻仁成「サヨナライツカ」(幻冬舎文庫)に出てくる無味無臭のバンコクのようだ。
締めは、バンコクチャーハン。少し黒くおこげがついたチャーハンは味が濃い目。お皿の端にはお決まりの胡瓜が添えられている。
しかし、これのどこがバンコク風なのだ。
少なくとも、わたしが食べてきた屋台のチャーハンはこんな味が濃いものではなかった気がする。
しかし、味がまずいかといえば、そうではない。骨太で野性味溢れる味だ。ビールにもよくあう。だが、タイ料理初心者にはお奨めしない。これがバンコク風と勘違いする恐れがあるからだ。妻はしきりにこれがバンコク標準なのかと、聞いてきた。
わたしは、そう思わない。何故ならバンコク標準は屋台であって、「メナムのほとり」のように上品な味付けではないと思っている。
多分、陽朔で師にプレゼントしたビールを今日本で飲んでもおいしく感じないだろうな。
それはやはり現場だからうまいんだろう。
ラオスでよく飲んだビアラオ。
吉祥寺の「ペパーミントカフェ」で飲めるというんで行って飲んだけど、「こんな味だったけ」ってなもんで。
せっかくの思い出も淡く消えてしまう可能性もあるわけで。
ところで、師にプレゼントしたビール。確か大瓶だったと思うけど6元くらいだったかなぁ。僅か78円だよ。
ごめん。やっぱ、俺ってケチケチ団だな。
何よりビールは鮮度が大切らしいし、高いお金かけて運んできたほとんどが、運び賃と手間賃と考えられる海外ビールを高く払って飲むより、最近の俺は、日本での各国料理屋では、日本のビール飲み飲み派だ・・・。
と偉そうな事を言っているが、実はただ単に日本でシンハーやチンタオを飲むと、魂が震えた上何故か心から悲しくなってしまうケチケチ根性が自爆するからなんだが・・・・。
そんな俺は、一度ドイツに行って、ソーセージとコールスロー、そしてできたての麦芽100%ドイツビールをゴキュッといきたいと思う次第だ。
ただ、今書きながら考えたら、エアーチケット代でその国のビール飲んだら、例え高くても日本でも相当飲めんじゃないかおい!!と、気づいたよ。
やっぱケチってだめだな・・・・。
以前、歌舞伎町にある「バンタイ」っていうタイ料理屋で、家族できたと思われる西洋人一家が「too spicy」と叫びまくっていたなあ。
しかし、何で西洋人一家、日本に来てタイ料理食すんだ?
しかし、ケチケチ団にとってタイ料理屋のシンハービールほど「too expensive」なのもないだろうね。
よし、今度はタイ料理行こうっ!
って、いうかミャンマーに行くときはバンコク経由だから、カオサンのあの角(NATⅡに行く路地の角)の食堂で食べようぜ!
という問いは常に日本でアジア料理を食べるとついてきますね。
その答えはわたくし的にはずばり、「多くのアジア料理店が日本人好みの味付けをしているから。」ではなかろうかと思う訳です。
海外に行く日本の方々の多くが海外でその土地の料理を食べ、「日本で食べた時の方がおいしい。」と言うのも、それが日本人好みの味付けでないからではなかろうかと思うのです。
実際、アジアで食べるアジアの料理は、濃い味・辛い味・単純な味付け・油ギッシュ(油っこい)などが挙げられると思うのですが、何故かアジアに長くいるとそれが風土に根ざした味であると思えてきたりするんですねえ。
例えると、極寒の北京で食した中華はそのほとんどが油したたる程の油っこいものでした。が、お肌がかすかすになるほどの湿度の低さと寒さには、あの油分がやはり必要なのではなかろうかとそこそこ滞在してから思ったりした訳です。
また、酷暑と湿気の亜熱帯では、激辛料理で大量に汗を流すことで逆に涼を得るというようなこともありました。(クーラーの効いてるところじゃなく屋台とかだと更に効果は大でした。ま、クーラー効いてるとことか、ほとんど行かなかったですが、当時は・・・。)
その辺については、やはりそこそこ滞在していなければわからないのではなかろうかと思ってます。
ただ、そんなえらそうなこと言ってる僕も、旅行した当初は「日本で食う奴の方が全然うまいよ。」と思ってた訳なんですが。
あと師よ。有名な雑誌などに取り上げられる料理店は、客数が増えて味が落ちたり、また、元々○ょうちん記事で取り上げられていたりすることも多く、そういうことでがっかり店になってしまうことも多いよね。
おおきにと連発するくせにサービスにもその言葉にも、どこにもおおきには宿っていなかったあのお店みたいにね。
あそこもガイドブックには鬼のように乗っている店だったようだよ。
ということでお店選びも難しいよね。
なお、今度来た時はケチケチ軍団にはちょっと高いけど、タイの人がやってる本格的タイ料理の店でも行くか?師よ。全ての調味料は本国から輸送だ。だからそういう店はどうしても高めになってしまうと言う部分もあるんだろうね。