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政府系銀行に入る機会なんて、なかなかない。ましてや、その社員食堂に行く機会なんて、中小企業の出版社の記者にはないだろうね。でも、ひょんなことから、日本政策投資銀行(略称=DBJ)の社員食堂に招待されたのだ。
日本政策投資銀行。
なんてお堅い名称なんだろう。学歴、年収、そして本店のビル。いずれも高い。それも並外れて。
そのビルの34階にある社員食堂。これでもかというほどの上から目線。上すぎて、その目線はもう見下ろし目線。
明治大学のリバティタワーの学食は17階。そのダブルスコア。
食堂?いやいや、食堂っていう雰囲気じゃない。レストランではないけれど、その設備は食堂じゃない。奥にはカフェも用意されている。
わたしを連れてきてくれた日本政策投資銀行の行員氏が勧めてくれたのが、「海鮮丼」である。味噌汁つき。
確かこれで420円。確かっていうのは、その行員氏にごちそうになったので分からない。確か、行員氏がそう言っていた。
そして、ポテトサラダ。50円。
「海鮮丼」といってもねぎとろ丼のような内容だったが、下界で食べたら、この海鮮丼は1,000円はするだろうな。
中トロのマグロにイクラ、錦糸卵にのりをまぶした海鮮丼。味はとりたてて特筆するものではないが、やっぱりこの値段で、上記の内容の丼を食べられるのだから驚き。
それにしてもものすごい福利厚生。高給なうえに、このランチ。わたしのような薄給が普段高いランチを食べる。これぞ、まさに格差社会。そう、これこそまさに格差社会の縮図。
旅するランチ。お金を出せば、たいていのものは食べられるだろう。だが、社員食堂のランチとなればそうはいかない。ましてや、セキュリティがある大手企業などは。
もうひとつの旅ランチ。階層・階級、社会構造への旅。知らない世界を覗きこむような、異次元への旅。
「食べログ」に載っていない食堂。その空気感を味わう。
なお、丼や皿の裏にはICタグが装着されており、行員らは現金による清算をしない。恐らく、給与で天引きになるのだろう。
まさに自分の知らない世界を旅した気分である。
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