雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

天気晴朗ならずも 風弱し(ほんでもって かに星雲)

2016年03月03日 | それでも星は流れる
昨夜もGPV予報では快晴は望むべくもない雲予想だったのですが、
短い時間なら撮れるかも知れないという事で、明るい内から設営しました。
先日の丸ごと鏡洗いで VC200Lの光軸がずれたのではと気になって、
多少の雲でも検証くらいはできるだろうと考えてのことでした。

問題は夕方になっても風が強くて、VC200Lで画になるか心配したのですが、
暗くなる頃には風がおさまってきたので
明るめのかに星雲を直接焦点(f1800m)で撮る事にしました。
星雲・銀河のガイド撮影は20日ぶり。
VC200Lでのガイド撮影は昨年の7月以来です。
やはり薄雲があったようで 肉眼ではオリオンの三ツ星がわかるかどうかの空でした 30秒露光×6枚コンポジット

最初におうし座のアルデバランでピント合わせと 星像検証の10秒程度のTST撮影を行ったのですが、
周辺の星像も大きなくずれは無く、まずは一安心。(主鏡洗浄に伴う光軸ズレは無し?)
続いて、かに星雲を導入して15分露光で撮影を行いました。

 M1 かに星雲  (おうし座)
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大表示 )
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2016/ 3/ 2 20:12’~ Vixen VC200Lf=1,800mm F9.0) 露出 15分×7枚
 ISO 1600 Cooled 60D (冷却オフ)  タカハシ EM-200 Temma2M ガイド鏡GS-60S PHD2Guiding ステライメージ7
撮影直後は気が付かなかったのですが、星像のブレや流れがひどく11枚中4枚は使用できませんでした。
あらが見えるのですが、星雲部分のトリミング画像です。
( 画像クリックで元画像の50%で拡大表示 )
最初 ステライメージ7の自動位置合わせで重ね合わせたところずれるので、従来の直接指定でおこなっています。
位置合わせ無しで、そのまま「比較明」で重ね合わせて見ると・・
星が東(左)から西(右)へ、きれいな弧を描くように動いています。
これは ショック! です。

昨年、新しい赤道儀に買い替えたのはVC200Lの星像のブレを解消するためでした。
たまたまその後にR200SS用のコレクターPHの導入があったり、
ヨンニッパレンズの改造を行ったりで、検証が十分行われていなかったのですが
こんな結果が出ようとは予想していませんでした。

オートガイドのPHD2Guidingも真面目に仕事してるみたいだし、
いつもより振れ幅が大きいですが、以前の様にRAの振れ幅がやけに目立つという事もなくなっています

となると、機材(鏡筒?)のたわみという事になりそうです。
鏡筒バンドからガイド鏡までの固定はこれまでになく強固になっている筈なのに・・
気になるのはVC200Lをアリミゾで固定するのを嫌って鏡筒のアリガタ金具を外したのですが、
なんかそれから背骨が無くなったみたいに、鏡筒がペラペラしたような気が。

春の系外銀河祭り までには解決しなければなりません。
( どこからか、「だから オフアキ !」 という声が聞こえたような・・)

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この日、朝起きて見ると新たに5センチの積雪が。
昼間は陽が射しそうなので、早めにスロープを除雪。
結果として無駄にはならなかったのですが、
再び 「それでも星は流れる」 問題が復活してしまいました。

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山口のじぃさま からの要望がありましたので
今回「自動位置合わせ」でずれた画像を掲載します。
( 画像クリックで元画像の25%サイズで表示 )
明るい星で回転角がずれて表示されていることがわかります。
考えられる理由としては、ステライメージ7の「自動位置合わせ」では回転ずれも計算していますが、
今回の様に大きな回転移動(円移動では無い)では、一部の画像で回転角の計算に誤差が生じるのかも?
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そして、再び 「親亀子亀」。

2016年02月25日 | それでも星は流れる
満月期につき、心穏やかに春の系外銀河導入Mapの作成など行っております。
ですから、先日初収穫のふきのとう のてんぷらをいただいたばかりなのに、
今朝 起きたら・・
ふたたび雪国に戻っていても いいのですが、
これでは益々こたつから離れられない身体になってしまいます。

そこで3月の新月期を気持ち良く迎えるために、
こたつから出て 前から気になっていたグッドデザインとは程遠いガイドシステムの再検討を。
これで鏡筒をどの方向に向けてもフリーストップできるのですが・・
余りに武骨なシルエット。
そしてマルチプレートの嘆きが。(こんなん、わたしの仕事とちゃう!

そこで、NZガイドマウント(2015. 8 中古購入)を鏡筒バンド上部に変更。
なんで、NZガイドマウントを買った時にこうしなかったのか? と思ったのですが
鏡筒の向きによってバランスがくずれてうまくいきません。
やはり、試したけどダメだったんか・・ ( 当時の記憶が無い )
それでも、鏡筒バンドの位置を少しずつずらしながら試したところ、ベストの位置が見つかりました。

R200SS フリーストップ達成!

ついでに
VC200L フリーストップ達成!
以前はバランス用プレートの傾きを微妙に変える必要があったのですが、
今回は鏡筒の前後の位置だけ決めておけばOK。(鏡筒に巻き付けたウェイトが重要な役割)

これでグッドデザイン賞は無理でも、めでたしめでたし

ただ、新たに気になるものが見つかりました。
VC200L(2014. 9 中古購入)ミラーの汚れがひどい!
R200SSは既に主鏡洗浄はやっているのですが、必ずそのあとの光軸調整が必要。
R200SSですらまだ完璧な光軸調整ができていないのに、
VC200Lの複雑な光学系を考えるとビビッてしまう。
ビクセンさんに見積もりを聞いて安ければ・・
なんてことを考えている、いくじなしの雲上(くもがみ)なのでありました。

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ふきのとうの初物をいただい後で、再び雪になる事は
珍しい事ではありません。
ふきのとうの天ぷら、苦みもまた春の味覚

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もう検証はイヤダ!やれることはやって、いざ本番へ

2015年03月25日 | それでも星は流れる
北極星も見えない空でガイドの検証を続けています。
ここのところまた雪が降ったりで、まだ雪国では撮れる空ではないという事なのですが、
明日あたりから晴れ間も見えそうです。
前回のVC200Lの検証では突然に星が流れる魔物は出現しなかったものの、
夜半過ぎに吹いた強い風でガイドの精度に前進があったのかどうかすらはっきりせず。
手順でいえば、次は風の無い時に再度ガイド精度を検証してから次の対策を考える事になります。
しかしながら雪国の空のせいとは言え、もうずいぶんまともな画像から遠ざかっています。
そこで次の検証結果を待たずに、ガイド精度向上に効果のありそうなものを先取りして実施し、
次回(明日夜?)は、空さえ良ければ春の系外銀河の作品を目指す事にしました。

これが現在のVC200Lのガイドシステムです。
鏡筒バンド・マルチプレートをタカハシ純正品に替えた事から、主鏡・ガイド鏡筒の固定強度は最高と思われます。
この中で問題になるとしたら・・
ガイド鏡が赤道儀の回転軸から遠く、駆動伝達の俊敏性に劣る、及び振動(ブレ)が発生しやすい。
 ガイド鏡を支持するガイドマウント(ミザール製)がスプリング構造の為、荷重で変化のおそれ。

この2つの問題を解決すべく、手持ち機材でいろいろやってみました。

マルチプレートのサイド45度の部分に加工してなんとか取りつけてみました。
固定強度は問題無さそうなのですが・・
スライドバーで最大にずらしてもガイド鏡側が重く、バランスはとれませんでした。
次にやってみたのが、重量では少し軽くなるスーパーボールヘッド(スターベース製)への変更。
これは微動ができない代わりに広い範囲に向きを変えられ、固定もガッチリです。
残念ながら、これでもガイド鏡側が重すぎました。 そこで登場させたのが・・
アリミゾからバンドに替えてから暇を持て余していたマルチプレート(スターベース製)。
かわいそうに、今回はバランスウエイトとして登場です。
良く見ると、このマルチプレートには他にも穴がいくつか。
グッドデザイン賞はもはや望むべくも無く。
ならばと・・
斜め前方に取り付けました。
これにより、過度の尻重のVC200Lの鏡筒バランスも兼ねることができました。

これがバッドデザイン賞に成り下がってしまった、新しいガイドシステムです。
(これでもクランプフリーで、どんな向きにでも止まってくれます。)
題して 『 プレート45度張り出し・斜め前方回転ひねりウエイト ガイドシステム 』 です。

そして忘れてはいけない 安全第一!
これをしないと、雲上(くもがみ)の頭に穴が開くのは時間の問題でした。

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明日はこのガイドシステムで本番となるでしょうか。
かわいそうに、また雪にうもれた庭のふきのとうです。

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これは魔物では無く、風の仕業?

2015年03月24日 | それでも星は流れる
( これは前回記事  の続きです。 )

23日夜、3度目の検証できりん座のNGC2403を撮影したとあと
カメラモニターで確認したところ、どうやら今回は魔物は現れなかったようです。
その後23時頃には全天 雲に覆われたのですが、これはGPV予報通り。
予報では日が替わった1時頃からふたたび晴れるとの事。
そして予報通り星が見え始めました。

待機している間に次の撮影対象を決めておきました。
それはしし座の銀河トリオ
ただ、予想とは違って少し雲があります。それもかなり早く流れています。
そのうち
防犯灯隠し竿が風にあおられて防犯灯の灯りがモロに鏡筒に。
バターン! わっ灯火遮蔽パネルA,Bとも風で倒れた!(パネルは変形)
パタパタピューン、あっ系外銀河導入Mapが飛んでった。(なんとか回収できました)

あとでわかったのですが、GPV予報では雲が切れるころには風速7m/sの風が吹く予報になっていました。
どうも南風が吹いたようで気温が一時的に5度ほど急上昇していました。
撮影時は外気温、カメラ冷却温度は記録するようにしています
結局パネル類は撤収して撮影を行いました。
結果はすべての画像で赤経(西から東へ)方向に大きく流れていました。
もっとも風が強かったころのPHDグラフです。

15分露光 5枚の流れです。
右は5枚の画像(合計75分)をそのまま比較明で重ねたものです。
75分間で約38画素も流れていました。
それでも画像処理してみました。
しし座の銀河トリオ
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大 )
( 上が北の方向 )
撮影DATA(抜粋): 2015/ 3/ 22am 00:41’~ VixenVC200L+レデューサ(合成f=1,278mm F6.4
露出15分×5 枚  ISO 1600 Cooled 60D (気温9℃ 冷却 -9℃)  ガイド鏡GS-60S 他は前回と同様

このあと弱い風はまだ残っていたのですが、北天のM101銀河を朝まで撮影しました。
雲があるようには見えないのですが、透明度は更に悪化しました。

15分露光 8枚の流れです。
右は8枚の画像(合計120分)をそのまま比較明で重ねたものです。
2時間でなんと西から東へ約78画素も流れていました。
15分露光で10画素も流れてしまっては到底作品にはなりません。
M101回転花火銀河(おおぐま座)
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大 )
( 上が北の方向 )
撮影DATA(抜粋): 2015/ 3/ 22am 02:42’~ VixenVC200L+レデューサ(合成f=1,278mm F6.4
露出15分×8 枚  ISO 1600 Cooled 60D (気温5.5℃ 冷却 -11℃)  ガイド鏡GS-60S 他は前回と同様

この画像のガイドデータです。
縦軸のスケールのケタがこれまでとは大違いに。
PHD2のガイドグラフでは健闘しているのに、実際の画像で大きく流れている。
風で星がブレるのは当然だが、どんどん流れていくのはなぜ?
風がガイド鏡筒かVC200L鏡筒のいずれかの向きを変化させているのか?
たわみにしては大き過ぎるこの流れはなんなのか?
風の無い日に再度検証してみます。

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先ほどファンヒータの給油で外に出たら道路が白くなっていました。
これから2,3日は雪マークが出ています。
今回の新月期も成果なしで終わりそうです。

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三度目の検証で魔物現れず、しかし・・

2015年03月22日 | それでも星は流れる
より頑強な鏡筒バンドを購入して完璧と思われたガイドシステムに
二夜連続で発生した原因不明の星像の流れ。
未だ原因が特定できない中、取りあえずできることだけやったのですが(前回記事参照)
早くもその効果を検証する機会が訪れました。

GPV予報によると昨夜(21日夜)、日が替わった頃から朝までずっと晴れるとのこと。
明るい内から自宅裏口に設営を終えていたのですが、
薄明が終わる頃には木星と明るい星だけが見えてきました。
( 画像中央部の赤いモヤは発光ダイオードのゴーストのようです )
肉眼では北極星も見えないようなひどい空だったのですが、
ガイドの検証くらいはできそうという事で本格的に機材をセットしました。
実はきりん座のNGC2403銀河撮影中に二夜連続で星像が流れる現象が発生していたのです。
時間帯も機材も同じ条件で検証する事に意味があると考えました。

今回は露光時間短縮のためISOを1600に戻して15分露光としました。
以下が撮影した15分露光8枚の画像の中心部です。
今回はすべての画像の星は丸く、流れはごくわずかです。
8枚の画像(露光2時間分)をそのまま重ねてみると・・(ノートリミング)
2時間でわずか10画素ほどしか動いていません。(15分露光なら1画素程度)
前回見られた異常な流れは発生しませんでした。
中途半端とは言え、対策が功を奏したのでしょうか?
原因が特定されていない以上、なんとも言えません。
検証はできたのですが空の悪さはどうしようも無く、8枚コンポジットしても今までの画像にも及びませんでした。
NGC 2403銀河 (きりん座)
撮影DATA(抜粋): 2015/ 3/ 21 20:35’~ VixenVC200L+レデューサ(合成f=1,278mm F6.4
露出15分×8 枚  ISO 1600 Cooled 60D (気温5.5℃ 冷却 -11℃)  ガイド鏡GS-60S 他は前回と同様

これだけで終われば、とりあえず成果有りでハッピーだったのですが・・

その後22時を過ぎた頃から空一面雲で覆われ、星がまったく見えなくなりました。
これはGPV予報通りで、
予報が当たれば1時頃からは再び雲が切れて朝までずっと撮影可能になる予定です。
もう魔物が現れなければ、今回は春の銀河の初作品が得られるかもと思っていました。

( この続きは次回の記事で )


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今日は徹夜明けでしたが 庭の植木の冬囲いを外しました。
これが済むと、やっと春が来るという実感がわいてきます。

一度、顔を出したあと再び雪の下になった 我が家の庭のふきのとうの今の姿です。

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