雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

九夜撮ってわかった事 わからない事 [ASI 533MC]

2023年09月22日 | 機材
9月の新月期も雲まみれで一夜も撮れずに終わりました。
撮影画像が無いため、長らくブログ更新がされていません。

一昨日は 上越天体写真友の会 の第4回 月例会があって、
これまで3回続いた CMOSカメラの原理から撮影まで の勉強会が一区切り。
勉強会の進行役を務めていただいた当会員の KA さんは、
以前 某メーカーのカメラ素子の製造にかかわっておられたとの事で、
毎回時間が足らないくらい とっても深い話を聞くことができました。

一昨日の 月例会(CMOSに関する勉強会)の様子


わたしがカラーCMOSカメラ ASI 533MC Pro を購入したのは今年4月なのですが、
5月以外は天候に恵まれず 購入から5ヶ月たってもこれまで撮影できたのは 九夜だけ。
勉強会でわかった事もありますが、
いまだ これまでのデジ一眼と どうちがうのかわからない事も。

そこで現時点で ASI533MC Proについて
わかったこと わからないこと について整理してみることにしました。

*尚 以下の事項につきましては 以前の記事も参照願います
◆ なぜ ASI 533MC Pro を購入したのか
 → 突然ですが、CMOSカメラ ポチりました。2023/04/12

ステラショット2でもCMOSカメラの 冷却制御 はできるのか
 → ASI533MC導入検証 (その1) 10年間で進化した冷却制御 2023/04/14

CMOSカメラの Gainとは 露光時間 はどうなるのか
 → ASI 533MC Pro導入検証 (その3) Gainってなに? 露光時間は? 2023/04/18
この記事の中で疑問に思っていたことが、一昨日の勉強会で解決しました。
それは
カメラの仕様では ADコンバーター 14ビット となっているのに
撮影画像の最大輝度が16ビット になっているのは なぜ?

この疑問について 勉強会の進行役 KA さんによると・・
ADコンバーターが14ビットの仕様のCMOSカメラはADコンバーターの値に×4して
16ビットに引きのばした輝度値が保存される。
( 同様にADコンバーターが12ビットの仕様のCMOSカメラは×16して16ビットに引きのばした輝度値を保存 )

それを確認するには、ASI533MCの撮影画像のヒストグラムを拡大してみると・・ ↓
ASI533MCは ADコンバータの輝度値を4倍にするため、輝度レベル4の間隔が空いたグラフとなるはずだが
その狭間にもノイズなのか、棒グラフが発生している

533MCの撮影画像(FITS 16ビット モノクロ・ベイヤー配列)のファイルサイズはすべて18,100,800バイトで、
533MCの画素数(3008×3008 ピクセル)で割ると、1ピクセルあたりバイト(16ビット)となる。
また撮影画像の飽和した星の輝度値(レベル)は16ビットの最大値 65,535 になっている。
CMOSカメラで輝度値をわざわざ16ビットに引き伸ばして保存している理由はなに?・・(新たな疑問)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この先は 記事タイトルにそって、とりあえず 購入後 九夜で撮った画像を検証する中で、
CMOSカメラに適した 撮影から 画像処理まで の方法を見出せればと考えています。

ただ 勉強会に参加した会員のみなさんは なんらかのCMOSカメラを持っておられ、
3回の勉強会で感じられた場の雰囲気として ・・

せっかくCMOSカメラを買ったのだから、その利点を最大限追い求めるべき
(そのためには、Gainを下げての長時間露光または多数枚撮影もいとわない)
または
推奨されている低いGainで撮ったら露光不足でほとんど写っていなかった
そうでなくても撮影機会の少ない雪国上越では撮影効率も考慮せざるを得ない

という 2つの考え方

それで 私はどちらかというと ・・
後者なのですが、
デジ一眼を持っているのにあえてCMOSカメラを買ったけど、
デジ一眼と同じような画像しか撮れないのなら無駄な出費となってしまう。
結局は前者の 533MCの利点を生かしながら、後者の効率性も追及するしかない。

こう書くと なんか妥協するだけで、うやむやで終わりそう。
この先の記事が心配になりました。


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来月の月例会の進行を頼まれましたので、
その勉強会(?)の内容も意識して書き始めたのですが、
この先 尻切れトンボに終わる予感も ・・
晴れてさえくれれば、こんな先の見えない記事を書かなくて済むのに。
ぼやいても9月の新月期は終わり、また10月の新月期まで待つしかありません。


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ASI533MC は期待通りだったのか?

2023年07月03日 | 機材
6月は一夜しか撮影できずに梅雨入りしてしまいました。
7月に入ったのでASI533MCで夏の星雲撮影のためのVC200L+レデユーサーHD(合成fl=1,386㎜
ちょっと広めのフラット画像の作成もしなければ と思っているのですが、
今日が満月で 月の出が遅くなる下弦の月までまだ一週間あるので ・・ まだいいかな

天候と月回りのせいで お見せできる画像がありません。
そこで ASI533MC購入後まもない5月に集中的に撮影できた画像をもとに
天体写真生活 最後のポチッになったかも知れない
カラーCMOSカメラ 期待通りだったのか
検証してみることに。

このカメラを選んだ理由は、価格を除くと
その1)ピクセルサイズが小さいため、より 高解像の撮影画像が期待できる・・・・・
その2)ピクセルサイズが小さいというハンディーを、裏面照射型CMOSの採用、
および ゼロ・アンプグロー回路による熱・赤外線ノイズ対策によりS/Nを向上

その1)については、
これまでの記事の中でEOS 6D で撮影した画像との比較をおこなっているため省略。
その2)の 低ノイズS/Nの向上 について検証してみました。


ASI533MC低ノイズ だったのか ?
比較する相手には これまでのメインカメラであったフルサイズデジ一眼の canon EOS6D
検証用画像には実際に使用しているダーク画像としました。
非冷却・冷却、ダークファイル作成枚数、ISO・Gainの違いはありますが、
ステライメージの表示レベルを1/5に狭めても、533MCでは ほとんどノイズが見当たりません。
( 下手にダーク減算しないほうが良いという人も ・・ )

続いて 実際の撮影画像での検証も行ってみたのですが ・・
いずれも5分露光の1枚画像で、ダーク・フラット処理のみ終えています ↓
以前 室内で行った検証でも533MCのA/Dコンバーターは14bitのはずなのに、出力画像はどうも16bitに引き伸ばされて出力されているみたいです
上の画像の比較ではS/Nに優れているかまではわからなかったので、1枚画像をトーンカーブ調整まで行ったもので再度比較 ↓
同じ範囲を6Dは等倍でトリミング、533MCは縮小してからトリミングしています (1ピクセルのサイズの違いから)

ガァーン! ダークノイズは明らかに少ないはずの533MCの画像と6Dの画像、期待していた明らかな差はでませんでした。
そこでしつこく、NGC4565の1枚画像でも比較してみました ↓

こちらも1枚画像での比較検証はむずかしいようです。
引き続き、今後の撮影の中で検証していくこととします。

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我が家の『かたてま野菜』の中でスイカについては
現状報告を行っていませんが、現在は4個が受粉に成功して生育中です。
実は3日前の朝 隠れていた5個目のスイカをみつけたのですが、夕方見ると・・
よりによって一番小さいヤツをつつくとは! まだ世間知らずの子供のカラスの仕業でしょうか?
あわてて小雨降る中、残ったスイカに網をかけてやりました。


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チャレンジ! キャッツアイ星雲 (ASI533MC導入検証)

2023年05月30日 | 機材
前回ブログ記事が12日深夜から早朝にかけて撮ったりゅう座の銀河トリオでしたので
撮影順で行けばその後16日、17日に2夜連続で徹夜撮影した対象の掲載となるのですが、
実は訳あって2夜のほとんどを撮影済みの対象の追加露光に充ててしまいました。
( その訳とは ?  編集後記を参照願います )
おまけに16日・17日両日とも、月明りも厚い雲もなかったものの 星像が肥大化する透明度には恵まれない空で、
せっかくの追加露光もその一部しか使えませんでした。


そんな中で18日深夜から早朝にかけて撮ったのがNGC No.もごろがいい りゅう座のキャッツアイ星雲でした。
これはかなりの難物で、今後の追加露光を前提にしたチャレンジ撮影でした。

  NGC6543 キャッツアイ星雲(りゅう座) 
( 元画像の 50%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上が北になっています )
撮影DATA : 2023/ 5/ 18am 01:18’~(5/12)03:25’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 14枚  Gain300 ASI533MC Pro(冷却-10°) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
*ダーク処理、フラット処理はまじめにやっています

どこが難物かというと・・ 星雲中心部はHST(ハッブル宇宙望遠鏡)画像でおなじみですが
とても見かけが小さく、おまけに明るいので撮影ではすぐに飽和して星と区別がつかなくなります。
とてもアマチュアの機材で撮影するのは困難なのですが、周辺に広がった淡く青い星雲の存在を知ってから
わたしも過去に挑戦したことがあります。
今回の画像はその周辺の星雲部分をなんとか出そうと中心部が飽和するのは承知の上で
ASI533MCのGain300で5分露光で撮影し、
更に星雲中心部はGain204で100秒露光で別に撮影したものを貼り付けてあります。
星雲中心部の画像を選定するための判定用画像です ( 右が北の方向 ) ↓
18枚の撮影画像の中から良好と思われる8枚を処理した画像を貼り付けています。 ↓
淡く広がった星雲の周辺部は今後の追加露光で改善が期待できますが、
星雲中心部はもっと露光時間を短縮して、大気の揺れが少ない夜に出会うことを期待しましょう

過去に撮影した画像を探してみたら8年前の2015年5月に撮影していました。 ↓
なんと、VC200Lに 更に2倍のエクステンダーでチャレンジしていました
撮影DATA及び関連ブログ記事は → リング星雲とキャッツアイ(f3,600mm目盛り環導入)

当ブログ恒例の「只今撮影中」ショットです ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年 5月18日01時42分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×8枚 ISO1600 
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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記事の冒頭に書いた 二夜連続で追加露光に費やした理由です。

3月末に10年来 お世話になってきた星のふるさと館
HOSOYAさん(今はOB)からメールをいただきました。
ふるさと館の ”天体写真に挑戦” のメンバーを中心にした
上越天体写真友の会』を立ち上げたので参加しませんか? というお誘い。
6月には展示会も開催するとのことで、
さっそくお仲間にいれてもらうことに。
そんな訳で、急遽 展示会用の作品づくりとなったわけです。
観覧 ”無料" ですので ご来場お待ちしています


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クローズアップ! りゅう座の銀河トリオ (ASI533MC導入検証)

2023年05月26日 | 機材
11日夜(といっても翌日の深夜から早朝)の3タイトル目に選んだのはりゅう座の銀河トリオです。
ここまで4月に購入したカラーCMOSカメラ ASI533MC の導入検証用に撮っていたのは
見栄えのする明るくて見かけの大きいものばかり。
本来はセンザーサイズが小さくて写野の狭いASI533MCで狙うべきは
まさに見かけの小さな系外銀河がうってつけなのですが、
導入検証用の撮影とは言え いきなり難物で ”がっくり” したくなかった というのが本音。

 りゅう座の銀河トリオ左から NGC5985・5982・5981) 
( 元画像の 50%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上が北になっています )
撮影DATA : 2023/ 5/ 12 01:20’~(5/12)03:20’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 24枚  Gain300 ASI533MC Pro(冷却-10°) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
*ダーク処理、フラット処理はまじめにやっています
総露光時間2時間ではまだ画像が荒いようですが、追加露光はたぶん来年になるでしょう?

ほぼノートリミングでもフレームいっぱいに広がる系外銀河のトリオは迫力ありますね。
銀河単体では小さすぎて見栄えがしなくても、コンビやトリオの銀河は以前から撮影してきました。
今回の銀河トリオも2021年にフルサイズのEOS6Dで撮影しています。
( 四角の枠は今回のASI533MCの写野 )
同じVC200L鏡筒での撮影になるのですが、さすがにフルサイズカメラでは写野が広すぎて 寂しすぎます。
上の画像の撮影DATAは → 悩んだ末に、りゅう座銀河トリオ を参照願います

当ブログ恒例の「只今撮影中」ショットです ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年 5月12日02時22分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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我が家の『かたてま野菜』は順調にそだっています。
最初の収穫となるのは きゅーり か ズッキーニか?
家の裏庭の芍薬(しゃくやく)はわたしの担当。
ほんとは真っ白が好きなんですが、ここ数年きれいにひらいてくれません。


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回転花火銀河M101 追加露光は毒にも薬にも (ASI533MC 導入検証)

2023年05月23日 | 機材
今回は11日夜に撮影した2番目のタイトル おおぐま座の回転花火銀河とも呼ばれるM101になります。

4月に購入したばかりの冷却カラーCMOSカメラ ASI533MC Pro の検証のために
ピックアップした明るくて見かけも大きい系外銀河です。

 回転花火銀河 M101(NGC5457) (おおぐま座)
( 元画像の 64%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上が北になっています )
撮影DATA : 2023/ 5/ 11 23:26’~(5/12)01:12’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 18枚  Gain300 ASI533MC Pro(冷却-10°) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
*ダーク処理、フラット処理はまじめにやっています
明るいわりにのっぺりとした印象の銀河だったのですが、思いのほかダイナミックに写ってくれました。

この銀河は今年3月にフルサイズの EOS6Dでも撮影しています。 ↓
タテ構図で撮影しており、北の方角は右側になります  (枠内が今回の533MCの撮影範囲)
掲載画像は2020年、2021年の撮影画像も加えて総露光時間約9時間の画像です。
この画像の撮影DATAはこちらのブログ記事で → おおぐま座 回転花火銀河M101(これで貯光9時間)
 
最初の533MCで撮影した画像の総露光時間は2時間にも満たないものでした。
そこで6日後の17日夜に追加露光を試みましたが、透明度なのか 大気のゆらぎが大きかったのか 星像が肥大。

11日の画像に、なんとか使えそうな画像を加えて再処理した画像です。 ↓
撮影DATA(追加露光分) : 2023/ 5/ 17 23:04’~(5/18)01:03’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 15枚  他のDATAは11日と同じ
強めのマルチバンドシャープ処理をかけたため画像が荒れてしまいました。
淡い部分が少し出たように見えますが、解像度も向上したかというと ・・

当然の事ですが、追加露光する画像の質によっては単にソフトフイルターをかけただけという結果もあり得ます。


当ブログ恒例の「只今撮影中」ショットですが、2夜のうち11日夜のものです ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年 5月12日00時50分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×5枚 ISO1600 
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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16日と17日の二夜連続の徹夜撮影は雲は出なかったものの
透明度が悪かったのか 星像がさえません。
そのほとんどが追加露光用だっただけに がっくりです。

我が家のアヤメ族の先陣をきって咲きだしました、このあとは花菖蒲が続きます


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