雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

Step6+ 「星雲FIL」より、「星マスク」か?(私の画像処理)

2013年07月26日 | 画像処理のはなし
前回記事 
で、ステライメージ7を使った処理手順は終える予定だったのですが、
ひょんな事から新しく追加された機能『選択マスク作成』が、
マルチバンドシャープに、より効果的ではないかと思い検証してみました。
(ひょんな事というのは、「ステライメージ7天体画像処理コンテスト」を記事にしたこと。)

ステライメージの機能の一つ『マルチバンドシャープ』は、
星雲などの細部を浮き上がらせる効果があります。
ただそのまま使用すると、副作用として星が際立ちすぎてうるさく感じてしまいます。
< ①マルチバンドシャープをかける前の画像 >
クリックで全体画像(元画像35%縮小)

< ②そのままマルチバンドシャープをかけた画像 >
星雲内の暗黒帯の細部が強調されているのはいいのですが、星まで白く切り抜かれたように強調されています。

そこで、マルチバンドシャープを使う際に、星雲部分だけ効果がかかるよう
「選択マスク」として、『星雲FIL』を作成していました。
元画像をモノクロに変換し、ぼかし、トーンカーブ調整などで星雲部分だけを明るくしたもの
星雲部分だけを明るく残す様に作成したため、あえて『星雲FIL』と読み替えていました。
< ③「星雲FIL」を使用して、マルチバンドシャープをかけた画像 >
周囲の星がおとなしく表示されるようになりました。
これまでこの方法で行ってきましたが、
・星雲FIL作成に手間がかかる事。(明るく目立つ星を暗くしたり)
・星雲内の星は処理できないこと。(星だけを暗くできない)
などの問題がありました。
そこで、今回たまたま見つけた『選択マスク作成』の新機能を試してみました。
[明るさ][ぼかし]とも、もっと強い範囲まで設定できるといいのでは・・
作成された「選択マスク」です。
実際は、[選択マスクを反転] を選択して使用する事により、
星だけがマスクされる事になります。
『選択マスク作成』の「明るさ」では不足だった為、トーンカーブ調整などで
さらに星を明るくし、反転時のマスク効果を強めて作成してあります。
広がりのあるものが除外され、星だけが残っています。
< ④「選択マスク」を使用して、マルチバンドシャープをかけた画像 >
「星雲FIL」と同様に星の肥大が抑えられています。

参考に、同じ日に同じ機材で撮影した画像も掲載します。
(画像クリックで全体画像(35%縮小)が見れます。)

< ①マルチバンドシャープをかける前の画像 >

< ②「星雲FIL」を使用して、マルチバンドシャープをかけた画像 >

< ③「選択マスク」を使用して、マルチバンドシャープをかけた画像 >

前例のM20三裂星雲と同じ効果が得られているようです。

選択マスク」の方が作成がはるかに楽な事から、今後『星マスク』と呼んで
使っていこうかな?(素直に「選択マスク」ではだめなの・・?)

(注1) 「星マスク」では、星雲以外にも広がりのある明るい星や、背景はマスクされない。
(注2) 「選択マスクの作成」「選択マスクの反転」は、ワークファイルに記録できるが、・・・
作成した「選択マスク」の再加工は、一連の手順に含める事はできません。

撮影画像に合わせて、「選択マスク作成」で作成したマスク画像を
更に加工する事で、より効果が期待できると思います。


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今月はまだ一晩撮影できただけ・・
「みんなの宇宙(そら)」の展示準備とか、やることはあるのですが、
月が細くなる頃には晴れてほしいなぁ。

雲上くもがみ
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