雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

2日遅れのペルセ群(?)

2015年08月15日 | 天体写真(流星群・星野写真)
昨日(14日)はお盆ということで、家内の実家でたっぷりお酒をごちそうになりました。
天気の方も久しぶりに恵みの雨で、「ペルセウス座流星群」の事はもう過ぎた事と・・。
思っていたのですが、寝る前につい習慣で空を確認したところ雲がきれかかっていました。
すでに0時を回りパジャマ姿だったのですが、雲はあるものの雨上がりのすっきりした空になる予感が。
流星群の撮影なら三脚とカメラですぐスタンバイできます。
ピーク予報からもう2日も経っていたので期待はできなかったのですが、
1分露光で120枚ほど撮ってしまいました。

これだけ撮ったのに、写っていたのはたった一枚。

2日遅れのペルセ群 
( 画像クリックで元画像の35%拡大 ) ノートリミング
撮影DATA: 2015/ 8/ 15am 01:10’~ TAMRON Zoom(f=17mm F2.8) 露出1分×25枚
 ISO 1600 Cooled 60D (冷却 オフ)  ToastPro ステライメージ7
流星部分のクローズアップです。
この流星の流れた時間は1時34分頃。たまたま空を見上げている時に流れてくれました。
問題はこの流星がペルセウス座流星群に属するものなのかどうかですが・・
ステラナビに流星の位置と輻射点をプロットしてみたところ、
どうやら、流星群本隊においていかれた仲間のようです。

それにしても120枚、2時間近く撮って、たった一枚しか写っていないとはがっかりです。
そんなに悪い空じゃなかったので、流れていれば写るはずですが。
もったいないので、ペルセウス座が高くなってから撮った75枚を処理してみました。
( 画像クリックで元画像の35%拡大 ) ノートリミング
01時42’~ 1分×75枚 他の撮影DATAは上と同じ

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たった一個でしたが、ペルセウス座流星群撮れて良かった。
二日酔いで頭が痛いのですが、今夜も晴れれば
徹夜の予定です。

雲上くもがみ
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「ガイド星図」 に代わるもの

2015年08月12日 | 天体写真よろず話
もう新月期に入り、晴れさえすればいつでも撮れるのですが・・
晴れません。
そこでモチベーション維持でこんなことをやっています。
ステラナビゲータ に、ネットからダウンロードしためぼしい天体の画像を取り込んでいます。

自動導入機能のあるEM-200Temma2Mを購入した事により、撮影環境が激変しました。
 
ノートPC2台を操作することにより、赤道儀だけで無くカメラにもさわる事無く撮影ができるようになりました。
自動導入機能の無い以前のEM-200USDでは、目盛り環導入するしかありませんでした。
そのために作成したのが『ガイド星図22時』。
この星図のポイントは大きい導入ずれを、対象付近の星図と比較して現在位置を把握しようというものです。
それが自動導入では
ステラナビにあらかじめ撮影対象の画像を取り込んでおいて、
必要により構図を決めたあと撮影用星図として保存しておくだけ。
この図は2×2の4モザイクの例
撮影時はステラナビのカメラ写野を表示させて指定するだけで、構図が自動導入できます。
各モザイクの写野も個別に指定・自動導入ができます。
アストロアーツでは更に撮影の自動化をすすめたステラショットも発売されていますが、
わたしにはこれだけでも十分便利すぎると思っています。

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やっぱり今年もペルセウス座流星群は撮れそうにありませんが、
一応、日が替わる頃までカメラとToastPro スタンバイさせておきます。

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8月はキライです。

2015年08月09日 | 天体写真(星雲・星団)
8月はキライです。
雪国につき 冬期間の4か月ほど まともに星が見えないのはあきらめていますが、
それでもたまに冬空の雲が切れ、まばゆい星の輝きを見る事もあります。
それに比べて8月は、昼間は猛暑でも 夜になると必ずうす雲やモヤに覆われてしまいます。
有名なペルセウス座流星群も毎年撮影に挑んでいるのですが、ずっと雲に邪魔されています。

そんな訳で、4日夜の球状星団マラソン撮影もひどい空だったのですが 承知の上で撮影したものです。
どのくらいひどい空だったかというと・・
2015/08/05am R200SS+コレクターPH 5分×2枚モザイク ISO800 Cooled60D
これは撮影対象の球状星団の南中待ちの時間で撮った 5分露光を2枚モザイク結合したものです。
球状星団しか撮れないような薄雲の空に加えて、灯火対策も省略でひどいカブリ画像です。

その二日後の7日 月も下弦となってきたことから、GPVの雲予報では一晩中40%前後というのに設営。
結局、予報が当たってTST撮影ができただけで撤収。

やはり予報は無視しちゃいかん、という教訓を得て迎えた昨夜のGPV予報は。
なんと21時以降、翌朝まで雲量は0%になっていました。

当然 前日のリベンジ計画も綿密に立てて、明るい内から設営しました。
ところが・・
撮影を始めると どんどん薄雲が広がっていって、やがて星が全く見えなくなってしまいました。
21時過ぎから撮影開始して、わずか20分程度で中止。
予報を信じてそのまま待ったのですが、結局星は見えないまま日が替わる頃に撤収。
またもや ひどい画像しか撮れませんでした。
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015/ 8/ 8 21:22’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出6分×3枚 ISO 800
Cooled 60D (気温26℃ 冷却 +4℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
三裂星雲M20が画像のギリギリですが、導入ミスではありません。

7/21に撮った干潟星雲M8の北方に、もう2カットのモザイク結合の予定だったのです。
あまりに違い過ぎる画像で、マイクロソフトのI.C.Eではつないでくれませんでした。

今月下旬にならないと、まともな画像は無理かもしれません。

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もう星空を確認してから設営しよう、
と思う雲上(くもがみ)なのでした。
そんな8月の夜空なのですが、朝になると・・
今朝の散歩道で
今日も猛暑日になりそうです。

雲上くもがみ
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続・4時間足らずで24対象ゲット!(球状星団マラソン撮影)

2015年08月06日 | 天体写真(星雲・星団)
前回記事 の続きで4日夜に撮った残りの球状星団です。
後半の13タイトル目の撮影開始は22時40分、スタートが21時22分ですから
当初計画より早いペースで順調に撮影できています。

今回は後半に撮った12タイトルになります。
南天低いものから天頂付近まで、自動導入で駆け巡りました。 この時間になると、下弦前の月が昇ってきています。

共通 撮影DATA:R200SS+コレクターPH(合成f=760mm) ISO800 Coold60D(冷却6~5℃ 外気温27~26℃)
ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
 
( 各 画像クリックでトリミングなしの全体画像を表示 元画像の20%サイズ 上が北の方向)
 22:40’~ M28 (いて座) 6.9等級
明るい割には、こじんまりした球状星団です。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 25°

 22:46’~ M22 (いて座) 5.1等級
つぎに撮ったM13ほど有名ではないのですが、大きくて明るい球状星団ですね。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 27°

 22:53’~ M13 (ヘルクレス座) 5.9等級
北天で最も見事だといわれている球状星団です。 確かに上のM22と比べると星の数があきらかに多いような・・
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 51°

 22:59’~ M92 (ヘルクレス座) 6.5等級
同じヘルクレス座の球状星団ですが、M13を一回り小さくしたように見えます。 
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 58°

 23:13’~ M56 (こと座) 8.3等級
小さな星座に合わせて、こじんまりした球状星団です。 電線群にかかっているため輝星の光条が変になっています。 
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 76°

 23:26’~ M71 (や座) 8.3等級
これでも ”球状”といえるのでしょうか? 個性的な形をしています。 
露光3分x1枚・1分x2枚をコンポジット  撮影開始時高度 70°

 23:35’~ M55 (いて座) 8.3等級
見かけは大きいけれど・・ なんか頼りない感じ。団結力は維持できるのでしょうか? 
露光3分・1分 の各2枚をコンポジット(余裕が出たのでこれ以降、撮影枚数を増やす)  撮影開始時高度 21°

 23:46’~ M75 (いて座) 8.3等級
あれ、前にも見たような? 前半で撮った同じいて座のM54に似ています。 
露光3分・1分 の各2枚をコンポジット  撮影開始時高度 30°

ここで次に撮る対象が南中するまで時間があったため、こぎつね座のM27などを撮って時間をつぶす事に。(余裕)
またもや電線群に邪魔されてしまいました。

(21) ここから 8/5 00:11’~ M72 (みずがめ座) 9.4等級
今回撮った中で一番暗い球状星団です。 仲間同士で手を取り合って・・といった感じです。 
露光3分・1分 の各2枚をコンポジット  撮影開始時高度 40°

(22) 00:38’~ M15 (ペガスス座) 6.4等級
中心部と外層部の二重構造にも見える球状星団ですね。 
露光3分・1分 の各2枚をコンポジット  撮影開始時高度 65°

(23) 00:51’~ M2 (みずがめ座) 6.5等級
この前に撮ったM15より大きさや明るさは似ていますが、こちらの方が星が密集しているようです。 
露光3分・1分 の各2枚をコンポジット  撮影開始時高度 52°

(24) 01:01’~ M30 (やぎ座) 7.5等級
マラソン撮影計画、最後の球状星団です。 最後は長岡の「三尺玉」で、とはいきませんでしたが、これはこれで個性が・・ 
露光3分・1分 の各2枚をコンポジット  撮影開始時高度 38°

わが天の川銀河内の球状星団は約150
メシエさんが見つけたのは、この中で北半球から見える明るめの29
雲上(くもがみ)さんが4時間たらずで撮ったのは、この内の24個でした。

ちなみに、この夜に撮れなかったメシエ・球状星団は・・・
M3・M5・M53・M68・M79 だけになります。


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これまでは、肉眼では見えない暗い対象を
目盛り環導入でカメラの写野に導入するのが、
わたしの「天体写真」ワークの大半を占めていたのに・・
これから私は何をすればいいのでしょうか?


雲上くもがみ
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4時間足らずで24対象ゲット!(球状星団マラソン撮影)

2015年08月05日 | 天体写真(星雲・星団)
前回記事 で華々しく予告してしまったのですが、
いざ当日を迎えると雲予報が悪化していました。
夕方になっても薄雲が残り、これに月が加わるといくら明るい球状星団でも・・
それに、連日のエアコンで風邪ひいたみたいだし、生まれて初めての歯医者通いで口内炎にもなってしまったし・・
要は、体調不良でさぼりたかったのです。(きっぱり)
それでも 記事で大々的に計画を書いた以上気が咎めて、夕食が済んだ8時過ぎになって設営開始。
当初計画では最初のM53の撮影開始が20時20分となっていましたが、間に合う訳がありません。

今回もPC2台を使い分けることで、作業効率がアップしました。(下のPCはオートガイド専用)
どうせ雲と月明かりで まともな画像は期待できないことから灯火対策などは手を抜いて、
自動導入の精度の検証にしぼりました。

スタートの遅れから、当初計画の最初の3タイトルはあきらめて撮影開始。
それ以降は計画以上にスピーディーに撮影が進み、24対象撮ることができました。
今回は前半に撮った12タイトルをお見せします。

共通 撮影DATA:R200SS+コレクターPH(合成f=760mm) ISO800 Coold60D(冷却6~5℃ 外気温27~26℃)
ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
 
① 21:22’~ M4 (さそり座) 5.9等級
( 各 画像クリックでトリミングなしの全体画像を表示 元画像の20%サイズ )
星がまばらなのですが、球状星団に分類されています。 全体画像では左上に NGC6144も写っています。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 20°

② 21:29’~ M80 (さそり座) 7.2等級
低空でガイド星が暗かったのか、ガイドが乱れました。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 22°

③ 21:35’~ M62 (へびつかい座) 6.6等級
南天低く、高度は20°をきっています。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 19°

④ 21:40’~ M19 (へびつかい座) 7.2等級
ガイド星が入らなかったためノータッチガイドで撮影
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 22°

⑤ 21:47’~ M107 (へびつかい座) 8.1等級
これもガイド星が入らなかったためノータッチガイドで撮影。こんどは流れてしまいました。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 30°

⑥ 21:54’~ M9 (へびつかい座) 7.9等級
これもガイド星が入らなかったためノータッチガイドで撮影
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 30°

⑦ 22:00’~ M12 (へびつかい座) 6.6等級
星粒がしっかりした球状星団ですね。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 40°

⑧ 22:05’~ M10 (へびつかい座) 6.6等級
こちらはずいぶん星粒がこまかいです。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 39°

⑨ 22:11’~ M14 (へびつかい座) 7.6等級
さらに星粒がこまかく、おにぎりみたいです。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 44°

⑩ 22:17’~ M69 (いて座) 7.7等級
みかけが小さいのは遠くにあるからでしょうか。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 20°

⑪ 22:23’~ M70 (いて座) 8.1等級
同じ銀河中心方向のいて座の球状星団で、これはさらに見かけが小さい。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 20°

⑫ 22:33’~ M54 (いて座) 8.1等級
中心部が明るいのは星がたまたま重なって見えているのかと思ったのですが、極度に密集しているためのようです。
露光3分・1分 各1枚をコンポジット  撮影開始時高度 22°

この後に撮った残りの12個は次回の記事でお見せする予定です。
尚、今回は北極星もまともに見えない空での撮影でした。
空が良ければ、もっとしっかりした画像が得られると思います。

当初計画では1タイトル10分でも厳しいかと思ったのですが、露光時間4分(3分+1分)を含めても
実際はけっこう余裕がありました。
その理由としては

1.自動導入精度が極めて高い。
トリミングなし画像でわかるように、最後まで調整なしで、ほぼど真ん中。
2.PCのフル活用
2台のPCで分担して遠隔操作を行う事により、赤道儀・カメラにはノータッチ。
3.キャリブレーションの省略
以前(γCyg付近)のキャリブレーションを使いました。
*厳密には補正量の過不足が発生しているとは思いますが・・・

があると思います。

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ここまでの自動導入精度があるとは!
最初にアライメントを行っただけで、
天頂付近から地平近くまで、ど真ん中に。

ただ便利なだけでなく、この機能、天体写真の質の向上に
貢献させる事ができないだろうか?

500本を超えるこれまでのカテゴリー別全記事リストは、 こちら から。
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