雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

続・天体写真再開後の歩み(講演会資料その2)

2016年01月15日 | 天体写真よろず話
この記事は
前回記事 「自己紹介・天体写真再開後の歩み(講演会資料その1)」 の続きです。

上越天文教育研究会」新年会での講演の様子 (プロジェクタ画面ははめこみ合成)

望遠レンズでは遠方の銀河を撮るには力不足ということで、購入した口径20cmの反射望遠鏡

この鏡筒で撮ったアンドロメダ座の大銀河です。
わずか2分露光なのにこの大迫力。(24枚重ね合わせています)

口径が大きく明るいため、2,3分の短時間露光で星雲も良く写りました。

赤道儀のモーターによる星の追尾状況のグラフ
しかしながら9cm屈折用の赤道儀に20cmを載せるのはやはり無理だったようで、
星の追尾が不安定で露光時間を延ばすと星が流れて写ってしまいます。

それでも半年ほど90S赤道儀には頑張ってもらったのですが、
たまたま見たネットの中古物件で掘り出し物を見つけました。

定評のあるタカハシのEM-200 USD赤道儀
旧世代のものだったのですが、スチール製三脚付で現行機種の半額以下だったので衝動買い。
さっそく20cm反射を載せ換えて、その使いやすさを堪能したのですが・・
追尾グラフは直線的で安定したのですが、ウォームギヤの周期的な進み遅れ(ピリオディックモーション)や
モーター速度誤差から、露光時間を延ばすとやはり東西方向に星が流れて写ります。

この問題を解決するには『オートガイド』しかないということで・・
パソコンが不要というイタリア製のオートガイダーを導入。
操作は簡単なのですが、撮影するまでに時間がかかる上、原因不明のエラーメッセージが出て何度もやり直しに。
成果も出ないうちに、本体が2度も故障して愛想がつきました。

そこで替わって導入したのは定評のあったOrion SSAGというガイド用CCDカメラ。
パソコンが必要になるのですが、単身赴任先で使っていたノートパソコンがありました。
ガイド用ソフトのPHDGuidingもフリーソフトで添付されていました。
操作画面の情報量は最初のオートガイダーとは段違いで、赤道儀コネクタ部にルーズがある事がすぐ見つかりました。
( 最初のオートガイダーで発生していたエラーメッセージの原因はこれでした。)
コード側のツバが長すぎて半差し状態となっていました。

これでオートガイドの成果を得る事ができるようになりましたが、
その後も機材のタワみなどによる星の流れとの闘いは続いています。

ノータッチガイドでは2,3分が限界だった露光時間も
今では20分を越える長時間露光も可能になりました。

更なる長焦点を目指して焦点距離1800mmの中古のVC200L鏡筒も加わった事から、
旧世代の赤道儀のモーターの回転精度では不十分と考えて
手持ちの赤道儀(左側の2台)を下取りに出して、新型のEM-200赤道儀を購入しました。
購入した新しい赤道儀は自動導入も可能な事から、撮影の効率も各段にあがっています。
いつの間にかノートパソコンも2台に

ずいぶん増えてしまった現在のわたしの機材です。
昔の機材で残っているのは、一番上にある 9cmのセミアポ屈折鏡筒だけになりました

わたしの場合は、昔買った赤道儀があったことからすぐ深入りしてしまったのですが、
これから天体写真をやってみようかという人には
中古の古いデジ一眼を買って、三脚で30秒程度の固定撮影から始めるのがお勧めです。
次のステップとしては、比較的安価なコンパクト赤道儀でガイド撮影というのも・・

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次回は講演会ネタの最後として
『 HST画像にズームイン 』 の予定です。
週間予報では雲と雪だるまばかりですが、暖冬で傘マークも。
うかうかしていると満月期になっちゃう。
13日の午前中だけでしたが、久々に陽が射しました。
暖冬で雪は少ないのですが、今のところ撮れそうな気配はありません。

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自己紹介・天体写真再開後の歩み(講演会資料その1)

2016年01月13日 | 天体写真よろず話
雪の少ない暖冬ではありますが、当分の間 星を見る事はできそうにありません。
そこで前回記事に掲載した「上越天文教育研究会」での講演会の内容で
当座の画像ネタ切れをしのぐ事にしました。
10日の午後から役員会終了後の研修会という事で、1時間半ほど天体写真のプレゼン をさせていただきました。

今回は「自己紹介」と、昨今の天体写真事情を盛り込んだ「天体写真再開後の歩み」を。

掲載した画像は講演会で使用した画像の一部で、編集加工してあります。

メインタイトルです。

高校生の頃、自作のカメラで月食の写真を撮ったことが天体写真の始まり。
退職が近くなったころ、30年ぶりに天体写真を再開しました。

自宅での撮影風景もお見せして、自己紹介を終わりました。

今回の講演会用に新たに作成したプレゼン資料です。

30年間、タンスの上で眠っていた赤道儀です。
昔もほとんど使っていなかったので新品同様で、動作も問題無し。

あとはフィルムにとって替わったデジタルカメラの能力がどの程度のものか?
デジ一眼は持っていなかったので、手持ちのコンデジで検証してみました。
ハードディスクの損傷で画像データは失われていたので、残っていたプリントを写したもの
ちっちゃなカメラなのに肉眼以上の星の写りにビックリ。

10日後には単身赴任先の新潟駅のヨドバシカメラでデジ一眼を購入していました。

買ったデジ一眼で最初に撮った写真です。
カシオペア座からペルセウス座二重星団が写っています
圧倒的な星の数に感激して、大きくプリントしてみたのですが・・
左上部分で星が大きく流れているのが見つかりました。
( 星像が鋭くなるほど、星像の乱れも目立つということをこの時知りました。 )
結局 メーカー修理で戻ってきてからは、現在も優秀なレンズとして活躍しています。

30年前の赤道儀でノータッチガイド撮影していたのですが、
じきに中古の望遠レンズ(焦点距離100mm)が加わりました。
( 撮影ノートには パチスロで勝ったので購入と・・)
天体写真を再開してじきに 運良くホームズ彗星の大バースト(2等級まで急に増光)に出会うことができました。

ちょうどそのころ天文雑誌にはこんな記事が・・
改造費も光害カットフィルタも安くなかったのですが、
冬場で星が見れないこともありカメラの改造を決断。

改造の済んだカメラが戻ってきた翌日に撮った写真です。
いずれも100mmの望遠レンズで撮影
この頃はカメラのファインダーで見える明るい星を基準に構図を決めていました。
このため、目には見えないバラ星雲は画面隅にかろうじて入っていました。

その後、いずれも中古でしたが200mmまでの望遠ズームとフィルム時代のサンニッパレンズを購入しています。
カメラを改造して半年くらいは赤い星雲を中心に撮っていたのですが、
やがて天の川銀河の外の対象にも目が向いていきました。
しかし300mmで見栄えがするのは明るく大きなアンドロメダ銀河くらいで、
次第にカメラレンズの限界を感じるようになりました。

そこで購入したのが、なんと口径20cmの反射望遠鏡でした。
この鏡筒は大口径の割りには軽いのが購入した理由
このでかい鏡筒を9センチ用の赤道儀に載せて撮影を始めたのですが・・

この続きは、次回で。

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講演会のプレゼン資料づくりを始めたのは正月のお酒が抜けてから。
それなりの時間をかけたのですが、
当分撮影できない中で
こうしてブログ記事にも活用できて得した気分です。
今朝起きたら白くなっていましたが、積雪が少なくまだ除雪車の出動なし。

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暖冬で 雪が雨に なっただけ (2回目の講演会)

2016年01月11日 | 日記
例年にない暖冬で1月1日に初撮りができたことから期待したのですが、
今年の運もそれまでだったのか、その後まったく撮れていません。
たしかに、雪では無く 降っているのが雨というのはありがたい事なのですが、
星が見えないのではいつもの冬と変わりありません。
新月の夜なのに 雨がかなり降っていました

そんな中、昨日は『上越天文教育研究会』 の新年会に参加してきました。
私は会のメンバーではないのですが、設立42年目になる同会の役員会 兼 新年会で
1時間半ほどの講演を頼まれての参加でした。
会のメンバーの大半は学校の先生方(元先生を含む)になるのですが、
そんな先生方の前での講演を引き受けるのですから、
もう退職して失うものが無いとは言え 大した度胸です。

まずは、自己紹介から
頼まれての講演会は2年前の夏に「星のふるさと館」で行っていますので2回目になります。

前回の講演会関連のブログ記事は以下になります。
「星のふるさと館 講演会迫る。」
「娘が書いた講演会レポート」
「30年ぶりに天体写真を始めた理由(講演会資料その1)」
「星空から 星雲・銀河へズームアップ(講演会資料その2)」
「すばる望遠鏡に挑戦(講演会資料その3)」
「まだ巡り会えない大彗星(講演会資料その4)」
「より彼方へ 天体アルバム[太陽系](講演会資料その5)」
「より彼方へ 天体アルバム[銀河系](講演会資料その6)」
「より彼方へ 天体アルバム[銀河系外](講演会資料その7)」


( プロジェクタ画像ははめこみ合成しました )
ほんとに話すだけの講演会なら5分も無理なのですが、ありがたい時代です。

前回は観望会の前座でしたので、子供さんも意識して広く浅くを心掛けたのですが、
今回は「天体写真再開後の歩み」をメインに少し詳しい話もさせていただきました。


懇親会の冒頭、会長さんから丁寧な感謝のおことばをいただきました。
( 会長さんは越後松之山「森の学校 キョロロ の館長さんでもあります。)

皆さん順番に今年の抱負を述べておられましたので、わたしも・・

今年はポチッを控えて、手持ち機材の能力を引き出せるよう頑張ります。

当分の間、雪だるまマークの天気予報になってきましたので
次回はこの講演会の内容でも と考えております。


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前回の講演会は50分。
今回は1時間半でしたので時間が余るのではと心配したのですが、
むしろ時間が足らずにお見せできない画像もありました。
会長さんをはじめ、立派な機材をお持ちの方もおられ
団地内の自宅で撮影しているというわたしの講演で、
自分も頑張らねばと言っていただいたのが、ありがたかったです。

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馬頭星雲付近 2枚モザイクならず

2016年01月07日 | 天体写真(星雲・星団)
今年の運を使い果たしたかと思われるような1月1日からの初撮り。
今回は南中してから薄雲が出るまでに撮影した馬頭星雲付近です。

馬頭星雲 付近 (オリオン座)
( 画像クリックで元画像の30%の画像を表示 )
( 上 が北の方向 ) 
撮影DATA : canon NFD400mmF2.8手製絞り F相当 * 前面保護ガラス取り外し2016/ 1/ 1 22:54’~ 露出 10分×6枚
 ISO 800 Cooled 60D (気温2℃ 冷却 オフ) ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7

馬頭星雲部分の拡大画像です。

馬頭星雲を狙ったにしてはちょっと構図がかたよっていますが、その理由は・・
もし、日が替わるころに雲が出る という予報が外れたら2枚モザイクの予定でした。
枚数を減らしてモザイク撮影する方法もあったのですが、ダメなら次回にと考えて10分6枚を撮影。
見事に予報が当たって
23:57’~ 10分×2枚
北側の三ツ星付近を撮り始めたら急にモヤに覆われて撮影を断念。
次回、撮れる機会がありましたら最優先で撮影したいと思います。

撮影時のおりおんショットです。
馬頭星雲撮影時もそんなにすっきりした空ではありませんでした。

暖冬とは言っても、冬は冬。
撮影中もなんかモニタが見ずらいなぁと思っていたのですが・・
冬場の撮影、ノートパソコン大丈夫でしょうか?


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今回も冷却デジカメは冷やさなかったので、カメラの結露防止用の乾燥空気は
撮影レンズのフード内に送りこみました。
その効果でレンズ表面だけは全く曇っていませんでした。
暖冬で今のところ積雪ゼロですが、この先 星の見える気配がありません。

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ビックリポンの暖冬、なんと1月1日に初撮り。

2016年01月04日 | 我が家の四季
昨年30日から四日間飲み続けたお酒がやっとぬけてきました。
娘たちも昨日帰ってしまい いつもの生活に戻りましたが、
いつもと違うのは経験したことの無い暖冬。
1月1日に初撮りができるなんて、初めての経験です。
予報では雲が無いのは日が替わる頃までということでしたので、
本命のオリオンが南中するまで西に傾いたアンドロメダ大星雲(大銀河)を撮影。

アンドロメダ大星雲(大銀河) (アンドロメダ座)
( 画像クリックで元画像の30%の画像を表示 )
( 右 が北の方向 ) 
撮影DATA : canon NFD400mmF2.8手製絞り F相当 * 前面保護ガラス取り外し2016/ 1/ 1 21:33’~ 露出 10分×5枚
 ISO 800 Cooled 60D (気温2℃ 冷却 オフ) ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
設営は明るい内からやっておいたのですが、正月ですのでしっかりお酒の方もいただいてから撮影しております。
今回は手製絞りでF4まで絞って 更なる高画質を目指したのですが、
既に西に低くなって頭の重いヨンニッパレンズがタワんで星が流れてしまいました。

親亀子亀」方式ならガイド鏡も一体なので補正できるのですが、「O軸ガイドSYS」は二重構造で別の動きをします。

今年の暖冬はハンパじゃない!
↑ 本日(4日)の我が家の写真 (洗濯物も干してあります)

昨年の3日に撮った写真と比べると ↓
これでも昨年は小雪だったのです。

これを見て、異常気象を心配される太平洋側の皆さん。
安心してください、これから降ってきますよ。

週間予報では週の後半から雪だるまのマークが・・
それを裏付けるかのように、午後から風が出て荒れてきました。

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この暖かさでもしかしたらと、家の裏を探してみたら・・
暮れに一度うっすら雪が積もったので勘違いしたふきのとう
春はま~だだよ。

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