栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

サービス業の原点に立ち戻れ、タクシー業界

2009-06-26 14:12:16 | 視点
 小泉構造改革路線でタクシー業界の規制緩和が進み、異業種を含め参入が楽になった。
小泉・竹中路線によれば、規制緩和が進めばビジネスチャンスも生まれるし、産業は活性化するはずだった。

ところが、業界が直面したのはタクシー台数の過剰状態。

その結果、1台あたりの売り上げは減少の一途を辿り、タクシードライバーの給料は下がる一方で、「生活保護をもらうより低い」(業界関係者)と言われる有様に。

 実際、ドライバーに聞いても「いくら募集をしても若者は来ません。稼ぎが少ないと知っているからです。いまでも乗っているのは年配者ばかりですが、その内高齢者だけになりますよ。年金をもらいながら、年金の足しか、小遣い稼ぎぐらいの考えでなければ、この商売はやっていけません」という返事しか返ってこない。

 とはいえ、この業界はいままで規制に守られ、その裏で甘い思いを続けてきたのだから、もっと早くに経営改善、サービス改善に力を注ぐべきだった。

それを怠ったツケが回ってきたのに、今度は国に規制を働きかけ、自助努力を後回しにして再び規制に守られようとしている。

これではいつまでたっても変わらないだろう。

 最近、MKタクシー進出のお陰で、タクシーの予約・配車・乗降時にサービスを提供するタクシー会社が増えてきたのはいいことだ。

 同じ乗るなら感じのいいところに乗ろうと思うのは誰しも同じ。

やはりタクシードライバーの教育をしっかりすることと、それを支える会社の体制を作ることだろう。

 「タクシーはサービス業」という観点に立てば、写真のようなサービス提供は当たり前。

要は顧客の視点に立つサービスということだ。

 写真は岡山県美作市(人口3万程度?)の某スーパーの入り口で見かけたものだが、知恵を絞ればもっと色々なサービスが出来るはずだ。


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