KAKI

2011年11月11日 | diary


姉の家の窓から道路を見下ろすと、歩道上でおじさんが柿を並べていた。

柿かぁ…と、思いつつ

私は、柿はあまりというより、ほとんど買わない。
香りの無い果物には、どうも手が出ないのだ。

子供の頃に、我が家に古い柿の木があった。
当時から、その木から柿をもぎって食べていた記憶はほとんど無い。
家族も柿好きでは無かったのかも。
なので枝で熟した柿は、あたり一面に落ち、置いた車の屋根にも柿が潰れていた。
そのうちに、植木屋さんが木を根こそぎ抜き、今や跡形もない。  

帰るときに、件の柿を売っているおじさんの前を通ると、かき7個300円の張り紙が。
結構大きい柿が、箱に入ったまま売られている。
柿をほとんど買わない私だって7個300円には「わぁ、安い!」と思った。

既にひとりの女性が買ったらしく、財布をしまっているのを見て
「季節のものは一回ぐらいは食べても…」という想いが頭を掠めた。

道路上のお商売には、つい警戒をしてしまう私だけれど 
つい、買おうかと…
だって、7個300円はあまりにも安いし。

ところが柿売りのおじさん、近づいた私に
「300円の柿は並んでいるものではなく、こっちだよ」と指差した先には、小さな柿が大きな柿の陰に隠れていた。
つまりは、7個300円の柿は、並んでいる大きな柿ではないのだ。

そして、おじさんがそっと見せた小さな紙切れには、4個1000円の文字が。
これが大きい柿の価格。

あらら、ずいぶん阿漕な商売だこと。

呆れて通り過ぎようとした私に、おじさん、今度は「4個ではなく、7個でいいよ」

暮色の街角、街灯の下で柿の橙色が艶々と輝いて…

7個ではなく、8個お持ち帰りした私でした。
甘い甘い美味しい柿だったけれど、香りがある果実がやはり好きかな。

             

コメント (2)
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