【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

夢が詰まった魔法の糸

2009-08-05 15:37:57 | 心の宝石箱


     今日は朝からカンカン照り。
    この言葉も随分、久し振りな気がしますが、
    やはり暑いのは敵いませんね。人間とは勝手なものです。

     ところで今日の朝の空。
    別に何の変哲もない夏空が広がっていたものです。
    
     ~なんて。これまでのいつもと違う夏の空は、
    単なる天候不順のせいだったのかも知れませんね。



     さて、司馬遼太郎の 『坂の上の雲』 は、
    いよいよ佳境に入り、大層面白くなりました。と言いながら・・。

     そんな時、ちょっと気分転換に・・と、先日求めました、
    綺麗が一杯詰まっている、エッセイ本をパラパラ、めくっていましたら・・。

      こんな記述が目に留まりました。何と大好きなレース編みに関する事。
    どうやら今では、もう古風な趣味になってしまったようですね・・?

     その本とは上の写真の赤い本、『美容の天才365日』。
    副題が 「読んだ人から綺麗になれる本」 とあります。

     美容と言いますと、お化粧・・と思ってしまいますが、
    単に表面的に塗る、飾るだけでなく、心の美容までその内容は、ぎっしりです。


 【レース編み】
 ・・・レース編み・・恐らく今の若い女性は、何それ? と
言うだろう。・・・略・・・ 

 正しい家庭の母親は、午後 2時頃から柔らかな陽射しの
入る窓際で、白いレース糸を細いレース針でスルスルと
巧みに編み上げていて、それを見て育った娘は、
お嫁に行ったら自分も、ああいう風に平日の午後を過ごすのだろうと
考え、私も上手く編めるようになるかしらなどと、
不安がったものだった。・・・ 

 それが “家庭の躾” だった時代は終わり、
今はもう多くの家庭からレース編みが消えてしまったからだ。・・・略・・・ 

 その繊細にして温かい手触り、どう編もうと気品が漂ってしまう柄。
“汚れやすいから” という理由で家の中の調度からすっかり姿を
消してしまった純白の色。 

 全てが日本の正しい家庭の躾を物語り、昔は本当に家庭
そのものが “女の子のキレイ” を丁寧に育む場所だった事をも
語っている。・・・略・・・   ~「美容の天才365日」 より


     ところで 「レース編み」 の事。
    上の記述ほど大袈裟? なものではないにしても・・私の母も、
    ごく普通に、さり気なく・・レース編みをしていました。

     1本の針と糸で、様々な模様を編み上げて行くその様を
    すぐ傍らで見ているのですから、子供心にも母の指が魔法のように見えたものです。

     となりますと・・。自然に自分でも編んでみたくなりますね。
    細編み、長編みを教えて貰い、小学5年頃には私もいっぱしのレース編み者に、
    なっていたような気がします。

     “ソフィア・スローンは、この上なく優美な新しい レース編み
    型を教えてあげると言ったが、エプロンの縁取りにすれば、
    素晴らしそうなものだった。”
             【「赤毛のアン」 第17章】

     このレース編み、『アンの世界』 では、度々目にします。
    昔だから・・と思いがちですが、日本とイタリアを行ったり来たりなさっている、
    めぐみさん によれば・・。

     イタリアでは未だに雑誌などにも、レース編みのコーナーがあるとか。
    さすがにレース編み発祥の地だけの事はありますね。