今日は朝からカンカン照り。
この言葉も随分、久し振りな気がしますが、
やはり暑いのは敵いませんね。人間とは勝手なものです。
ところで今日の朝の空。
別に何の変哲もない夏空が広がっていたものです。
~なんて。これまでのいつもと違う夏の空は、
単なる天候不順のせいだったのかも知れませんね。
さて、司馬遼太郎の 『坂の上の雲』 は、
いよいよ佳境に入り、大層面白くなりました。と言いながら・・。
そんな時、ちょっと気分転換に・・と、先日求めました、
綺麗が一杯詰まっている、エッセイ本をパラパラ、めくっていましたら・・。
こんな記述が目に留まりました。何と大好きなレース編みに関する事。
どうやら今では、もう古風な趣味になってしまったようですね・・?
その本とは上の写真の赤い本、『美容の天才365日』。
副題が 「読んだ人から綺麗になれる本」 とあります。
美容と言いますと、お化粧・・と思ってしまいますが、
単に表面的に塗る、飾るだけでなく、心の美容までその内容は、ぎっしりです。
【レース編み】 ・・・レース編み・・恐らく今の若い女性は、何それ? と 言うだろう。・・・略・・・ 正しい家庭の母親は、午後 2時頃から柔らかな陽射しの 入る窓際で、白いレース糸を細いレース針でスルスルと 巧みに編み上げていて、それを見て育った娘は、 お嫁に行ったら自分も、ああいう風に平日の午後を過ごすのだろうと 考え、私も上手く編めるようになるかしらなどと、 不安がったものだった。・・・ それが “家庭の躾” だった時代は終わり、 今はもう多くの家庭からレース編みが消えてしまったからだ。・・・略・・・ その繊細にして温かい手触り、どう編もうと気品が漂ってしまう柄。 “汚れやすいから” という理由で家の中の調度からすっかり姿を 消してしまった純白の色。 全てが日本の正しい家庭の躾を物語り、昔は本当に家庭 そのものが “女の子のキレイ” を丁寧に育む場所だった事をも 語っている。・・・略・・・ ~「美容の天才365日」 より |
ところで 「レース編み」 の事。
上の記述ほど大袈裟? なものではないにしても・・私の母も、
ごく普通に、さり気なく・・レース編みをしていました。
1本の針と糸で、様々な模様を編み上げて行くその様を
すぐ傍らで見ているのですから、子供心にも母の指が魔法のように見えたものです。
となりますと・・。自然に自分でも編んでみたくなりますね。
細編み、長編みを教えて貰い、小学5年頃には私もいっぱしのレース編み者に、
なっていたような気がします。
“ソフィア・スローンは、この上なく優美な新しい レース編み の
型を教えてあげると言ったが、エプロンの縁取りにすれば、
素晴らしそうなものだった。” 【「赤毛のアン」 第17章】
このレース編み、『アンの世界』 では、度々目にします。
昔だから・・と思いがちですが、日本とイタリアを行ったり来たりなさっている、
めぐみさん によれば・・。
イタリアでは未だに雑誌などにも、レース編みのコーナーがあるとか。
さすがにレース編み発祥の地だけの事はありますね。