

明けました。“朝から青空”。
こうなりますと、
温度計は午前10時にして30度。
厳しい暑さになっています。
さて、時には気分転換をしながら・・
廻り道をしながら、
司馬遼太郎著、『坂の上の雲』 は、
第 5巻を読み終えました。
いよいよ後、残り 1巻。
音読は、相変わらず続けています。
これもゲーム感覚で、出来るだけ間違えないように、
あたかも朗読者になったようなつもりで読んでいます。なかなか難しいですが・・。

話は、かなり行ったり来たりしています。
長くマダガスカル島に停泊していた、(せざるを得なかった)
バルチック艦隊は、やっと出発。
(これも日英同盟のお陰大なのですが、ここでは省きます)
なお陸では、かろうじて旅順を落とし、
“日露戦争の関ヶ原” とも言うべき、総力戦が奉天で火蓋を切りました。
しかしながら、兵員の数、砲弾の数・・あらゆる事にロシアより劣る、
日本軍の戦力は、目に見えて落ちています。
一方、ヨーロッパでは明石元二郎が、1人で諜報活動をしています。

ロシアという国の一端が、垣間(かいま)見えます。

スウェーデンにとって 歴史的に絶えざる恐怖というのは、 ロシアの侵略主義であった。 既にロシアは、100年前にフィンランドを奪い、 これがためにスウェーデンはその北境を ロシア領フィンランドに接する 羽目になっているのである。・・・略・・・ そのロシアに対して日本が開戦したというのは スウェーデン人にとって信じられぬほどの驚きであり、 ロシアの恐ろしさを知り抜いているだけに、 日本の今後の運命が身につまされて他人事(ひとごと)の ように思えないというのが、彼らの実感であるようだった。 |
ロシアは1億3千万人の人口を持っているが、 しかしその1億3千万は数を示すのみで、実力を示さない。 なぜならば、ポーランド、フィンランド、コーカサス、 バルチック沿岸のごときは、かつて彼が侵略した地で、 ロシア帝国への忠誠心は、薄い。 更に純露人も又、各個各別に相争っているからである。 ~明石元二郎の書簡から |

先にも述べましたが、日露戦争は国力も何もかも
初めから勝てる戦争ではありません。
ただ、このままで行けば国が滅びる・・そのために始めた戦争です。
首脳部も良くて五分五分、何とか作戦の優越によって
六分四分まで持って行き、そこで同情国を恃(たの)み、
外交の手を持って一挙に終戦へこぎつける、
この政略的計算があったればこその開戦です。
日本は、息も絶え絶え・・「六分四分」 という僅かな勝ち星を得て、
ここまで来ましたが、連戦1年余りでぎりぎりの所まで来ています。
ただ敵の闘将、クロパトキンの信じられないような戦術で、
助けられているような有様・・(ここまで)といった所です。

今日の黄昏の空は・・。
いつの間にか雲に覆われてしまいました。
翻って、こちらは昨日の黄昏の空。
刹那の時間を謳歌? 出来ました。
もう夏の終わりの空のような気がします。


