【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

真摯な時代の青年たち Ⅴ

2009-08-12 18:35:08 | 心の宝石箱



   今朝は、こんなすみれ色の空で
  明けました。“朝から青空”。

   こうなりますと、
  温度計は午前10時にして30度。
  厳しい暑さになっています。

   さて、時には気分転換をしながら・・
  廻り道をしながら、
  司馬遼太郎著、『坂の上の雲』 は、
  第 5巻を読み終えました。
  いよいよ後、残り 1巻。

   音読は、相変わらず続けています。
  これもゲーム感覚で、出来るだけ間違えないように、
  あたかも朗読者になったようなつもりで読んでいます。なかなか難しいですが・・。


     前置きが長くなりました。第5巻の事。
    話は、かなり行ったり来たりしています。
    
     長くマダガスカル島に停泊していた、(せざるを得なかった)
    バルチック艦隊は、やっと出発。
    
     (これも日英同盟のお陰大なのですが、ここでは省きます)
     なお陸では、かろうじて旅順を落とし、
    “日露戦争の関ヶ原” とも言うべき、総力戦が奉天で火蓋を切りました。

     しかしながら、兵員の数、砲弾の数・・あらゆる事にロシアより劣る、
    日本軍の戦力は、目に見えて落ちています。

     一方、ヨーロッパでは明石元二郎が、1人で諜報活動をしています。
    次の文章からも、その当時のヨーロッパに於ける
    ロシアという国の一端が、垣間(かいま)見えます。

 スウェーデンにとって
歴史的に絶えざる恐怖というのは、
ロシアの侵略主義であった。

 既にロシアは、100年前にフィンランドを奪い、
これがためにスウェーデンはその北境を
ロシア領フィンランドに接する
羽目になっているのである。・・・略・・・

 そのロシアに対して日本が開戦したというのは
スウェーデン人にとって信じられぬほどの驚きであり、
ロシアの恐ろしさを知り抜いているだけに、
日本の今後の運命が身につまされて他人事(ひとごと)の
ように思えないというのが、彼らの実感であるようだった。


 ロシアは1億3千万人の人口を持っているが、
しかしその1億3千万は数を示すのみで、実力を示さない。

 なぜならば、ポーランド、フィンランド、コーカサス、
バルチック沿岸のごときは、かつて彼が侵略した地で、
ロシア帝国への忠誠心は、薄い。
更に純露人も又、各個各別に相争っているからである。
~明石元二郎の書簡から


     先にも述べましたが、日露戦争は国力も何もかも
    初めから勝てる戦争ではありません。
    ただ、このままで行けば国が滅びる・・そのために始めた戦争です。

     首脳部も良くて五分五分、何とか作戦の優越によって
    六分四分まで持って行き、そこで同情国を恃(たの)み、
    外交の手を持って一挙に終戦へこぎつける、
    この政略的計算があったればこその開戦です。

     日本は、息も絶え絶え・・「六分四分」 という僅かな勝ち星を得て、
    ここまで来ましたが、連戦1年余りでぎりぎりの所まで来ています。
    
     ただ敵の闘将、クロパトキンの信じられないような戦術で、
    助けられているような有様・・(ここまで)といった所です。





     今日の黄昏の空は・・。
    いつの間にか雲に覆われてしまいました。

     翻って、こちらは昨日の黄昏の空。
    刹那の時間を謳歌? 出来ました。
    もう夏の終わりの空のような気がします。