今朝の目覚めは、「ジ、ジ、ジ~~ッ!」 と啼く蝉の声から。
夢現(うつつ)に、“こんなに朝早くから・・?” なんて。
ひと頃の鶯(ウグイス)の声での目覚めとは何という違いでしょう。
空調の効いた室内から出たくない・・そんな思いが脳裏を過(よぎ)ります。
今日は 「土用の丑の日」 ですね。丑の日と言えば、鰻(うなぎ)。
気温も、相変わらず 鰻登り。
今日の新聞にも載っていましたが、かの斎藤茂吉も鰻は大好物だったとか。
しかも1日に何回でも、毎日続いても平気だったと言いますからハンパではありません。
ここまでは行かないまでも日本人と鰻って、切り離せないものとなっていますね。
それにしても七輪、それも団扇(うちわ)で煽(あお)いで焼く蒲焼の匂い・・。
思わず食欲をそそられますね。
今年の猛暑を乗り切るためにも今晩の食卓に、
鰻が載る・・という、ご家庭も多いのでは・・と思います。
ところで猛暑という言葉でさえ、驚かなくなった昨今。
昨日は、テレビで 「激暑」 なんて新しい言葉も。
何でも8月には40度を越す日もあるかも知れないと・・。
暑さも然(さ)る事ながら言葉も、どんどん過激になります。
だからでしょうか・・。
自己主張のハッキリしている大振りな向日葵(ヒマワリ)でもない、ハイビスカスでもない・・。
こんな暑さにも負けないで頑張って咲いてくれている、
ハーブを初めとした、小さな小さな花に余計に心を惹かれるのかも知れません。(冒頭の写真)
【もうすぐ開花の「夕顔」】
【開きかけた「白粉花(オシロイバナ)」】
そんな中、もうすぐ開きそうな 「夕顔」 と 「白粉花」 です。
奇しくも、どちらも夜咲く花ですね。
真夏の暑い1日が終わって日が西に沈む頃、ぽっと辺りを照らすように咲き始める花・・。
「夕涼みの花」 とでも申しましょうか・・。
それにしても、夕涼み・・最近、死語になりつつありますね。
それでは、『アンの世界』 での、こんな夕涼みは如何でしょう・・。
“・・・ 略 ・・・木陰を連ねた古い家々、耕された牧草地、静かな庭。
西の空はさながら大きな金色の真珠だった。
遥か下の港は明るく射して来た月光で砂糖をまぶしたようだった。
辺りは妙なる物音に満ちていた ――
眠そうな駒鳥の鳴き声、薄暮の樹木を渡る風の素晴らしい、
悲しげな、柔らかな呟き、優美なハート型の葉を揺るがせながら
銀のような囁きを交わしているポプラのさらさらいう音、
少女達がダンスへ行く支度をしている部屋の窓から
聞こえて来る愉しげな若々しい笑い声。
世界は気も狂いそうに美しい音と色彩に浸っていた。”
【「アンの娘リラ」 第3章】