【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

涼を呼ぶ小さな花

2010-07-26 15:38:55 | 四季のスケッチ


   今朝の目覚めは、「ジ、ジ、ジ~~ッ!」 と啼く蝉の声から。
  夢現(うつつ)に、“こんなに朝早くから・・?” なんて。
  
   ひと頃の鶯(ウグイス)の声での目覚めとは何という違いでしょう。
  空調の効いた室内から出たくない・・そんな思いが脳裏を過(よぎ)ります。

   今日は 「土用の丑の日」 ですね。丑の日と言えば、鰻(うなぎ)。
  気温も、相変わらず 鰻登り
  
   今日の新聞にも載っていましたが、かの斎藤茂吉も鰻は大好物だったとか。
  しかも1日に何回でも、毎日続いても平気だったと言いますからハンパではありません。
  
   ここまでは行かないまでも日本人と鰻って、切り離せないものとなっていますね。
  それにしても七輪、それも団扇(うちわ)で煽(あお)いで焼く蒲焼の匂い・・。
  思わず食欲をそそられますね。

   今年の猛暑を乗り切るためにも今晩の食卓に、
  鰻が載る・・という、ご家庭も多いのでは・・と思います。

   ところで猛暑という言葉でさえ、驚かなくなった昨今。
  昨日は、テレビで 「激暑」 なんて新しい言葉も。

   何でも8月には40度を越す日もあるかも知れないと・・。
  暑さも然(さ)る事ながら言葉も、どんどん過激になります。

   だからでしょうか・・。
  自己主張のハッキリしている大振りな向日葵(ヒマワリ)でもない、ハイビスカスでもない・・。
  
   こんな暑さにも負けないで頑張って咲いてくれている、
  ハーブを初めとした、小さな小さな花に余計に心を惹かれるのかも知れません。(冒頭の写真)


【もうすぐ開花の「夕顔」】

【開きかけた「白粉花(オシロイバナ)」】


   そんな中、もうすぐ開きそうな 「夕顔」 と 「白粉花」 です。
  奇しくも、どちらも夜咲く花ですね。
  真夏の暑い1日が終わって日が西に沈む頃、ぽっと辺りを照らすように咲き始める花・・。
  
   「夕涼みの花」 とでも申しましょうか・・。
  それにしても、夕涼み・・最近、死語になりつつありますね。
  それでは、『アンの世界』 での、こんな夕涼みは如何でしょう・・。

   “・・・ 略 ・・・木陰を連ねた古い家々、耕された牧草地、静かな庭。
  西の空はさながら大きな金色の真珠だった。
  遥か下の港は明るく射して来た月光で砂糖をまぶしたようだった。
  辺りは妙なる物音に満ちていた ――

   眠そうな駒鳥の鳴き声、薄暮の樹木を渡る風の素晴らしい、
  悲しげな、柔らかなつぶやき、優美なハート型の葉を揺るがせながら
  銀のようなささやきを交わしているポプラのさらさらいう音、
  少女達がダンスへ行く支度をしている部屋の窓から
  聞こえて来る愉しげな若々しい笑い声。
  世界は気も狂いそうに美しい音と色彩に浸っていた。”

                                       【「アンの娘リラ」 第3章】