【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

晩夏の薔薇~白い貴婦人

2012-08-22 16:56:16 | 薔薇の追憶






天頂には青空が開けた。
いつか図書館の美術全集で見た
フォンテエヌブロー派の天井画風な、
気取った吝嗇りんしょくな青空。
思わせぶりな雲と共に、抒情的に装った
この青空は、決して夏の空ではない。
空は甘い偽善で覆われていた。
       【三島由紀夫作 「天人五衰」~『豊饒の海Ⅳ』】



   
   暫く耳にしなかった蝉の声をひとしきり聞いた朝。
  瞬間的に頭をよぎったのは、“今日も暑そう・・” という事。

   ただ、その声も夏の初め頃と今とでは、
  違う気がするのは気のせいでしょうか・・。

   西洋人には騒音以外、何ものでもない蝉の声に
  風情を感じるのは日本人だけと言いますものね。
  紛れもなく蝉の声は、夏の風物詩でしょうから。

   それでも8月も残り少なくなりますと、
  いくら暑くても、そこかしこに往く夏を感じ、
  少々、感傷的になっているのかも知れません。

   さて昨日に引き続き、今日も薔薇を。
  ご覧の通り、白薔薇です。そう、リラ版 「白い貴婦人」。

   白百合もそうですが、白薔薇には、
  とりわけ純粋さや気高さを感じます。

   そう言えば白薔薇は ギルバート が好きでしたね。
  因みに赤は レスリー、ピンクは アン。黄色は メアリー小母さん です。




【西の空】


【北の空】


   こちらの空は昨日の黄昏。刹那の空。 
  こんな空になるのも晩夏だからでしょうね。
  春から夏の間、変化のなかった空が面白くなります。

   ところで今日も、ゴロゴロ。午後2時頃だったでしょうか。
  結局、雨は降らないまま雷は逃げて行ったのですが・・。

   通り過ぎて行ったその空は丁度、今日の引用文の如く。
  吝嗇な青空、甘い偽善・・素晴らしい空の形容です。