港の向こうから教会の鐘が 微かに美しく聞こえて来た。 月は水に模様を描き、 砂丘は銀色にかすんで光っていた。 空中には 薄荷 の匂いが漂い、 どこか目につかない所の 薔薇 が たまらなく甘く香っていた。 6人も子供がいるにも関わらず、 今なお若々しい目で夢見るように 芝生を眺めていたアンは、 月光を浴びたロンバルディ・ポプラの 若木ほどほっそりとして 妖精じみたものはまたとないと思った。 【「炉辺荘のアン」 第16章】 |
“朝からカンカン照り” の空から解放された今日。
久し振りに真珠色の空で明けました。
相変わらず風は吹いていますが、
今日の風は、ちょっぴり湿気を含んでいて。
それにしても昨日、あれだけ鳴いていた
蛁蟟(つくつくぼうし)や、その他の虫たち。
今日は今の所、ピタッと治まっています。
居ながらにして聞く虫の声は少々暑くても、
すぐそこに秋が待っているような気がして好きなのです。
そうそう昨日の三島由紀夫に続き、
今日は 『アンの世界』 の 薄荷 の描写を。
この薄荷の香り・・セージもそうですが、
夏の終わりには、より香りが強烈になるのかも知れません。
薔薇もそうですものね。
生憎、薄荷(ミント)とカモミールは、我家ではなぜか不調。
一般的には育てやすいハーブと言われていますのに。
それにしても三島由紀夫と薄荷。一見、意外な組合せ。
でも、シェイクスピアの影響を受けたとしましたら当然ですね。
そう言えば、
ステビアにも花芽が
付きました。
芹(セリ)に似た、
可憐な白い小さな花が
今から楽しみです。
今頃の季節の風は、
「色なき風」 と
言われていますが、
我家を吹き抜ける風は、
「青い風」。
尤も、5月頃の青葉を渡る
風の事を 「青嵐」 と言いますので、
「群青色」 という事にしましょうか・・。
そしてもう一つ、晩夏の香りは、
薄荷で決まりですね。