忘れられた作曲家、
ジャコモ・マイアベーアGiacomo Meyerbeer (1771~1864年)という作曲家がここ何年か気になっていました。
音楽史にほとんど載らないいくつかオペラを書いたらしく、リストがその主題に基づいたファンタジーを書いていたり、他にもいろいろな作曲家が書いていてフルート界でもドゥメルスマンが巡礼者Le propheteのファンタジーを書いています。
そのテーマがいいです。
それで調べてみたら、ユダヤ系ドイツ人で、最も成功したオペラ作曲家だそうです。
パリで成功し、1832年にはプロイセン教会の音楽監督を1843年からはプロイセンゼネラル音楽監督を務め、ドイツ全土に最も影響力のある作曲家だったそうです。ピアノの名手でもあり、12歳で音楽院を卒業しています。
ロッシーニのオペラに感銘を受けオペラ作曲家になり、24歳ですでに成功していた彼の製作のサポートを生涯行いました。マイアベーアの死を知った時、ロッシーニは気絶したそうです。
たくさんのオペラを生前に成功させた彼の音楽は、声のためのもので、イタリアオペラの流れを汲み、しかし後半生にはドイツ的なオーケストレーションとの融合を果たし技術的にも洗練されたものになっていたそうです。
劇場の演出にも革新的で当時流行りだしていたスケートを使ったり、火事を表現するために電気照明を使ったりしていて、ワーグナーがそこで試されたことを楽劇で使用しているなど影響が認められます。
ドボルザーク、トマ、マスネ、チャイコフスキー、リムスキー・コルサコフなど影響を受けた作曲家が大勢います。
それにも関わらず死後、忘れられたのは、ワーグナーの人種差別に結びついた批評、排斥運動の責任によるところが大きいと思われます。
当時音楽会を席巻していた反ユダヤ的な風潮は凄まじく、シューマンも手厳しい批評を書いています。
しかし、最近になって当時の批評と、音楽的成果や影響は分けて考える人も増えてきて、ファンクラブが出来るなど、復活の兆しも見えてきています。
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