ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「スープとイデオロギー」、ついに母が教えてくれたおいしいスープのレシピと済州4-3事件の実体験!

2024-10-25 16:36:24 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

在日コリアン2世のヤン ヨンヒの母親を描いたドキュメンタリー。

前半は、実母の物語、中心になるのは、ヨンヒの夫を巻き込んだ家族物語。

題名の「スープ」は、参鶏湯。ニワトリをまるのまま、にんにくを腹に詰め込んで煮たスープだ。

三回も丁寧に描かれる。

そして後半、母が実体験した済州島事件の描写だ。

事件そのものはアニメ化。

私は、済州島に観光に行きながらこの事件を全く知らなかった。

生野コリアンタウンに住むヤンヨンヒの親。

ついには、認知症を患い、意識があいまいなまま、済州島へ行く。

終戦直後の朝鮮分断時に起きた、虐殺事件。

母親は、兄弟とともに必死で、日本へ、逃れた。

母親の恋人は、虐殺の憂き目にあっている。

 

自分史でありながら鮮烈な歴史を生きるヤンヨンヒ。

また、新しい物語を紡いだ。

DVD化されていないのが残念だ。

 

 

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「放浪記」、林芙美子の名作!

2024-10-04 20:58:24 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

NHK BS プレミアム 鑑賞   1962年製作

東宝が創立三十周年記念映画の一つとして、林芙美子原作から井手俊郎と田中澄江が共同で脚色、成瀬巳喜男が監督した文芸もの。

主演の高峰秀子の秀逸な演技に脱帽。

行商人の子として各地を渡り歩き、成長してからは東京でカフェーの女給などを務めつつ、詩などをしたためていくヒロイン像だが、成瀬監督は単に自由奔放というだけではなく、いつか貧しさに打ち勝って社会でのし上がっていこうという女の力強さをもそこに盛り込む。

男関係の悲喜劇が中心。

イケメン好きが、だらしない男どもで、苦労の連続。

中谷昇、宝田明の名演技も相まって、男に苦労させられる女の悲喜劇。

 

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「浮雲」、漂泊の涯なき恋の旅路の歌かあわれ女の情炎図!

2024-09-21 19:39:28 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

NHK BS プレミアム 鑑賞   1955年製作

日本映画史に燦然と輝く恋愛メロドラマの最高傑作。終戦後の日本を舞台に「腐れ縁」で結ばれた一組の男女を静かに凄絶に描いている。

原作林芙美子、脚本水木洋子、監督成瀬己喜男、主演高峰秀子、森雅之。

ただひたすらにガチクズ男とメンヘラ女のどうしようもない話なんだが、それはともかく、構図の美しさがすごい。

高峰秀子のくず男に惹かれいく姿がなんとも愛おしく、時代を感じさせる。

岡田茉莉子と森雅之の出会ってすぐの男と女の関係。

高峰秀子のパンパン、当時としては、オンリーになるのがいち早い生活の糧。

出会ったのが、ベトナムという、南国異国情緒。

そこでも森は、女サーバーに手を付けている。

妻がいる森は、すぐ別れると言いながら帰国後は元のさやに。

高峰秀子の情の演技の素晴らしいこと。

 

 

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「過去負う者」、踏み誤ったとしても支えたい!

2024-09-19 17:04:01 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

PG12

「ある職場」の舩橋淳監督が、受刑者の採用を支援する実在の就職情報誌の活動をモチーフに、前科を持つ人々の社会復帰に横たわる問題を描いた社会派ドラマ。

日本の刑務所満期出所者が5年以内に再犯し、再び入所する確率は約50%。「世界一安全な国」を標榜しながら、一体、なぜ出所者は再び罪を犯してしまうのか?背景には、再入所者の7割が無職だったという事実が示すように、元受刑者は「就労」がしづらいという大きな問題が横たわる。単にお金を稼ぎ、安定した住居を得るというだけでなく、他人から認められる意味でも社会復帰に重要とされている就労の問題は、数多ある映画の中でも、これまで大きく取り上げられることはなかった。
本作は、受刑者の採用を支援している実在の就職情報誌の活動にヒントを得て制作された劇映画である。

日本の不寛容。元受刑者の再犯率が高いのは無職だったから。それをできるだけ防ぎたいと就職をサポートする団体。
何かあれば真っ先に疑われ、心の弱さから再び罪を犯す者。一歩手前で踏みとどまる者。そして、ドラマセラピーという舞台で演技をし、それを観客に見せるとき、葛藤が露わになってしまう。

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「乱れる」、しとやかな献身も慕情の炎に揺れる、女だけが知っている美しき悶え!

2024-09-06 16:17:52 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

NHK BS プレミアム鑑賞   1964年製作

高度経済成長期、スーパーマーケットの出現で商店街が次第に先細りしていくシビアな社会的状況の中、愛とモラル、そして世代の狭間に苦しむヒロインの繊細な心理が、成瀬演出ならではの抑制の効いたタッチと効果的なモノクロ映像でリアルにつづられており、ラストの衝撃へと続く。

礼子は戦争中学徒動員で清水に派遣された際、しずに見染められて森田屋酒店に嫁いだ。子供も出来ないまま、夫に先だたれ、嫁ぎ先とはいえ、他人の中で礼子は森田家をきりもりしていた。森田家の次男幸司は、最近、東京の会社をやめ、清水に帰っていた。何が原因か、女遊びや、パチンコ喧嘩と、その無軌道ぶりは手をつけられない程だ。

そんな幸司をいつも、優しくむかえるのは、義姉の礼子だった。再婚話も断り、十八年この家にいたのも、次男の幸司が成長する迄と思えばこそであった。ある日見知らぬ女との、交際で口喧嘩となった礼子に幸司は、今までわだかまっていた胸の内をはきすてるように言った。

礼子は、故郷に帰ることにする。幸司が後を追いかけ、二人は恋人気分。礼子が温泉宿へ誘うが、キスすることができず、幸司は場末の飲み屋へ、

翌朝、幸司の死体が運び込まれ、礼子は乱れる。

 

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「泣くな赤鬼」、オレの生徒になってくれて有難う!

2024-08-15 16:25:45 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆

高校野球好き ☆☆☆★

NHK BS プレミアム 鑑賞   2019年製作

まさに高校野球真っ盛り。

根性先生と、反骨生徒の野球人生。

原作は先生をテーマにした重松清の短編集の一つ。堤真一主演、余命半年の元生徒と教師の絆を描いた人間ドラマ。野球部監督の小渕は、日に焼けた赤い顔と熱血指導から“赤鬼先生”と呼ばれ恐れられていた。ある日、彼は野球の才能がありながらも高校を中退した教え子・斉藤と再会し…。

そんな再開も束の間、雪乃からゴルゴが末期がんで余命半年であることを知らされる。あのときかけてやれなかった言葉、気づいてやれなかった想い、厳しくすることでしか教え子と向き合えなかったあの頃の後悔。無力な自分を見つめ、葛藤する赤鬼に、ゴルゴが言った言葉「俺、また野球やりたいな」。

 

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「おにいちゃんのハナビ」、この花火をずっと楽しみにしていた天国の妹へ!

2024-08-11 14:04:55 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

難病もの、兄妹もの好き ☆☆☆☆

NHK BS  プレミアム 鑑賞   2010年製作

花火の季節、様々なドラマがある。

妹・華(谷村美月)は難病に罹っている。兄・太郎(高良健吾)は引き籠りだ。太郎が引き籠りになってしまった大きな要因は転校。これは、華の病気療養の為だった。抗がん剤の副作用だろう。華の頭は丸坊主。それでも華は底抜けに明るくて、前向きだ。こんな良い娘が何で難病に罹ってしまったのだろうとは、両親でなくても不憫に思ってしまう。おそらく兄の引き籠りについて、自分も責任を感じていると思われる。

毎年世界一の花火が打ち上げられる「片貝まつり」の日に半年間の入院生活を終えた華は、兄の太郎が部屋に引きこもっていることを聞かされる。華は花火大会を主催する成人会に兄を参加させようと、無理やり太郎を外に連れ出すことにする。

難病にもかかわらず、底抜けに明るい妹に、兄はしぶしぶ従うが、やがて、妹の病が進むにつれ、自立していく。

兄妹を演じる高良健吾谷村美月が醸し出す実に自然でまろやかな空気が、心地よい余韻となってしばらく後を引く。

 

 

 

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「アゲイン 28年目の甲子園」、あの日の自分は、大切な君は見ていてくれるだろうか?

2024-08-10 14:17:06 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

NHK BS プレミアム   鑑賞   2014年製作

今は、高校野球真っ盛り、オリンピックの影に隠れもせず、朝日新聞は、大盛り上がり。

鉄板の高校野球物語。それも甲子園に出れなかったOBの話。

元高校球児たちが再び甲子園を目指す「マスターズ甲子園」を題材に描いた重松清の小説「アゲイン」を、中井貴一主演で映画化。

波留演じる美枝が、死んだ父の代わりに、元高校球児たちにマスターズ甲子園に出場するように願い出ることから、話は始まる。

訳アリに球児たちが重い腰を上げ、甲子園に出場する。

そこに、元マネージャーの立原が現れ、真相を暴露する。

中井演じる晴彦が、家庭に不和を抱えているが、この甲子園出場で解消する。

まさに、甲子園アゲインだ。

 

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「唄う六人の女」、この森には秘密がある!

2024-08-06 17:02:21 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆

PG12

竹野内豊と山田孝之がダブル主演を務め、美しく奇妙な6人の女に監禁された2人の男の運命を描いたサスペンススリラー。

父の訃報を受けて帰郷した萱島と、萱島の父が所有していた土地を譲り受ける予定の宇和島は、車で山道を走る途中で事故に遭い気を失ってしまう。二人の男は目覚めると、美しく奇妙な女たちに監禁されていた。

謎が謎を呼ぶサスペンスフルな展開、日本の原風景を切り取った映像美、妖しくも魅惑的な女たち、そして最後に明かされる壮大な“真実”とは――。誰もみたことのない極上のサスペンススリラーが誕生した。

全く先読みのできない現代のお伽噺なのだが、亡き父親の真意が明らかになるにつれ、作品のテーマも浮かび上がってくる。

森の6人の女たちはそれぞれが自然の化身で、父親がやりたかったことは放射性廃棄物処理場の建設を食い止めること。そのために活断層があるという事実を明らかにしようとして宇和島に殺されたというのが真相。

話さぬ6人の森の精霊のように女たち。美しい顔の和服を着て物言わぬ女6人。前半は不可思議なアート映画。

 

 

 

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「OUT」、はみ出して、それでも生きる!

2024-08-04 17:09:03 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆

「ドロップ」の品川ヒロシが監督・脚本を務め、自身の中学時代からの友人で「ドロップ」にも登場する井口達也の青年時代を描いた実録不良漫画「OUT」を実写映画化。

品川ヒロシだからやってくれる。

伝説の不良で少年院帰りの男が、暴走族と半グレ集団の抗争に巻き込まれる物語。

喧嘩をした(ことが警察に知られた)ら少年院に逆戻り。という縛りによって、喧嘩を我慢する。そして、耐えに耐えて、最後にやっちゃう、という展開。

若手人気俳優が豪華集結!累計発行部数650万部を突破するヤンキー漫画。

「狛江の狂犬」と恐れられていた伝説の超不良・井口達也(倉悠貴)が少年院を出所した。
地元から遠く離れた西千葉で、おじちゃん(杉本哲太)、おばちゃん(渡辺満里奈)が営む焼肉屋「三塁」で働く新たな生活をスタートさせた彼は、保護観察中で、次に喧嘩をしたら一発アウトの身だ。
ところが、ひょんなことから千葉の暴走族「斬人キリヒト」の副総長・安倍要(水上恒司)と出会い不思議な絆で結ばれたことから、半グレ集団「爆羅漢バクラカン」との血で血を洗う激しい抗争に巻き込まれることになって……。

 

 

 

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